ガエル記

散策

『Marginal/マージナル』萩尾望都 その4


ネタバレします。

 

第6話「花柘榴の村」

実の父親でもある村長に氷を上げようと村に来たアシジンたち。

グリンジャがカチャンと物音をたてそれを拾い上げたことで村長は都市での出来事を思い出してしまう。

まなじりに青い刺青をしていることで村長はグリンジャがマザ暗殺の仲間だと確信する。

村長は岩屋に追い出したアシジンの代わりにフェロペを養子として可愛がっていた。

そして村長、フェロペたちは再び都市に行って「都市の長」を殺す計画を立てていたのだ。

それは市長とその息子ミカル、そしてメディカルセンター長官マルグレーヴのメイヤードをだ。

 

キラはジューシーと村の男たちにからかわれていた。

彼らに問われてもキラは自分のことが何も思い出せず話せないのだ。

それに気づいたグリンジャはキラを連れ出す。そのことでジューシーの怒りをかう。

 

その頃センターでは花柘榴村に多くの人々が集まっていることに気づいていた。

彼らにはプレートが打ち込まれていて行動は監視されていたのだ。

マザ殺し犯の動きも察知されていた。

 

キラはグリンジャに心を開いていく。

キラが何も思い出せないと伝えるとグリンジャは都市に図書という家があってそこには多くの記録や文書や絵がある、そこでお前の過去がわかるかもしれないと答えた。

「もし僕が怪物だったら?」

「もしもこの世に生きてはいけないものだったらこの手で殺してやろう」

 

第7話「双頭」

村長は予兆を夢見ていたのだった。

最初は何者かすらわからなかった聖者たちが指をさしその先に都市の長が砕け死ぬのだ。

都市は子供をくれない。このままでは村は死に絶えてしまう。

予兆の夢は都市の長を殺せと示しているにちがいない。

アシジンは暗殺に巻き込まれてしまったことに動揺する。

 

グリンジャとキラは結ばれていた。

「キラが・・・目を覚ました」とキラが言う。「あんたと対応する」

 

この場面、わかるようでわからない。

もちろんキラがグリンジャに対応して男の部分が消え女性になったのはわかるがそもそもグリンジャたちの方がよくわからない。

「成人すると体が変わる者もいるが、それはマザとの契りのために成人の男の身体になるのだが」のほうがよくわからない。

この世界の一般人の身体はどうなっているのか、ル・グィンの『闇の左手』的なのか。

 

そこへアシジンが勢いよく入ってきた。

女性の顔に変化していたキラを見て激しく動揺する。

「こいつを買い戻す」というグリンジャの言葉など聞きもせず「盗人」と叫び剣を振り下ろした。

逃げようとしたがグリンジャは村人たちに捕らえられ鞭打ちで目を潰された。

キラは泣き叫んだがなにもできない。

グリンジャはそのまま砂漠へと追い払われる。

「グリンジャをもどせ」と泣き叫ぶキラをアシジンは抑えつけ抱く。

 

フェロペは盲目となったグリンジャ砂漠に連れ出し都市の地下道を聞き出そうとするが果たせず逆に殺されてしまう。

 

アシジンはキラを抱き「男に抱かれながら他の男のことを考えているのを双頭(二つ頭)というのだ」という。

しかしキラは、それはキラとぼくとのことだ、と考えていた。

おまえのためにはキラは目を覚まさない。

せいぜい目的のない体でも抱くがいい。

いずれ殺してやる、と。

 

 

一巻を書くだけで4回かかりました。

まだまだ続きます。