1989年「プチフラワー」11月号
どうも私は頭が悪いらしいです。今頃わかったか、という感じですが、この話も最初読んだ時、よくわからなくて「なにこれ??」と理解できないでいました。
今となると何故理解できないでいたのかのほうが不思議ですが、目が滑ってしまっていたとしか言いようがありません。
ネタバレします。
萩尾望都が中国系の人物を描いたのは他にあっただろうか?
ど忘れしているだけかもしれないけど無い気がする。
そのせいもあってヤンという中国風の少年の造形描写に違和感を感じてしまったのかもしれない。
ところが読み返してみるとそんな違和感はまったくのお門違いだったと気づいた。
それどころかすばらしい作品だった。
なぜそんな思い違いをしてしまったんだろう。
このバレエ連作で萩尾氏はこれまでとは違うなにかを試しているかのようにも思える。なんとなくの思い込みが勝手な評価をしてしまったのかもしれない。
その思い違いを伝えるのはややこしいが。
語りてであるアシュアも言わばそんな勘違いの思い込みをしている。
ヤンが自分の幸運をつぶしていくかのように思い込んでいたのだ。
だが実際はその逆だった。
ヤンはアシュアに恋い焦がれていたのだ。
その思いに気づいた時ヤンは遠くへと飛び立ってしまう。
とても美しいバレエのような物語だった。