ガエル記

散策

『王妃マルゴ』萩尾望都 その3

なぜシャルルが一番好きなんだろう。よくわからん。

 

ネタバレします。

 

 

マルゴの美しさは輝くばかりとなっていく。

ギーズとの恋は秘められたものだったがふたりの間でより強くなっていた。

母后カトリーヌへの怖れは変わらないがスペイン語ラテン語が得意なマルゴは母から手伝いを頼まれるようになる。

カトリーヌは商売の大家メディチ家の出身である。政治は戦争だけではなく駆け引きと取引で解決するのが基本だとマルゴに教えるのだった。

 

アンジュー公アンリは女装をしてマルゴを待ち構えていた。

マルゴは兄アンリに「ギーズが好きなのね」と問う。

しかしアンリは「わたしが好きなのはおまえだ」と言い彼女の処女を奪ってしまう。

 

処女の印はアンリ・ド・ギーズに捧げたいと望んでいたマルゴは絶望する。

カトリックである彼女は告解をしたが神父は「若い女であることは罪だ」と言い彼女の苦しみを払うことはしなかった。

吟遊詩人であるイスパハーンはマルゴのこわばった体をマッサージしその心の重りもやわらげる。

 

マルゴが慕っていた姉エリザベト(スペイン王妃)が亡くなる。

母后はマルゴをスペインの王妃にしようと考えている。

しかしマルゴは今もギーズを求めていた。

弟アランソン公に誘われマルゴはオルレアンに赴く。

そこにはギーズの館もありアランソンは姉の為にギーズを狩りに誘う。

そしてその夜マルゴは初めてギーズと結ばれたのだ。

すばらしい夜だった。

だがマルゴが処女ではなかったことがギーズのこだわりとなった。

 

カトリックプロテスタントの戦争は続く。

母后カトリーヌは宮廷をあちこちへと移動させ過労で倒れてしまう。

マルゴは戦地に三人のアンリがいると感じた。

ノストラダムスは彼らがマルゴの恋人であり夫であり敵であると言った。ただマルゴの心にはアンリ・ド・ギーズしかなかった。

 

戦争は終わりそうもなかったが母后は和平交渉をする潮時だと考える。

国王軍が勝っているうちに交渉すれば良い条件で取引できる(見習おう)

ギーズとアンジュー公は渋々ながらも帰ってきた。

妹マルゴの冷たい態度に兄アンリは打ちのめされデュ・ガストに自分を鞭打たせる。

ふたりは男色関係にあった。

 

 

シャルル国王は戦地では失敗ばかりでまったく活躍できなかったがオーストリア王女との結婚話が母后からもたらされた。

シャルルはこの吉報をマルゴに知らせようとひとり寝間着姿で部屋を訪れる。

しかしそこにはマルゴが裸でアンリ・ド・ギーズと寝ていたのである。

「これは反逆だ、反逆だ、反逆罪だ」とベッドで飛び跳ねながら喚くシャルル。(これは名場面だと思っている。ネットミームにしていいと思うんだが誰も使わないwやっぱりシャルルが好きなんだなあ)

 

これによってマルゴは責め立てられ、「マルゴと結婚する」と決心していたギーズもそんなことができるはずもなく母から謹慎を言い渡される。

 

「愛」は何の力も持っていない。

母后はギーズ家に対しアンリとカトラの結婚を持ち出した。以前敵対したあのプロテスタント、ポルシャン伯の妻だったカトラである。

ポルシャン伯は死の床で妻カトラに「アンリ・ド・ギーズとだけは結婚しないでくれ」と遺言したがカトラは改宗してまでギーズと結婚したのだ。

 

マルゴはカトラと会い「なんでもあげるからギーズと結婚しないで」と言い渡すがカトラは嘲笑した。「わたしはポルシェン領を受け継ぎさらにウー女伯でもある。あなたは何ももっていない」

母后からマルゴのお目付け役を任じられた庶子のダイアナはマルゴに「あなたは身分だけをお持ちです」と告げる。

マルゴは「私は愛を持っている。愛だけはわたしのもの」と思うのだった。

 

マルゴはカトラと結婚しようとするギーズをさらって逃げようとするがギーズを抱きしめても彼はマルゴと行こうとはしなかった。

ギーズはついにカトラと結婚する。

 

マルゴは妊娠していた。

そのことを告げてもギーズの心をつなぎとめることはもうできない。

マルゴを思いやるダイアナの策略でマルゴは人知れず離れた場所で出産しその子はダイアナの子として育てられるはずだった。

だがなぜか一時赤ん坊を預けた農家が火事になってしまう。

サパンと名付けた赤ん坊は死んでしまったのだろうか。

だがその火事はアンジュー公アンリの仕業だった。寵臣デュ・ガストに命じ火事を起こさせ子供はジャックと名付けられ小さな修道院に預けられたのだ。

 

そうこうしている間にカトリックプロテスタントの和平のためにカトリックとマルゴとプロテスタントのナヴァルのアンリの結婚が進められることとなった。

 

「夫の名はアンリ」はナヴァルのアンリだった。

私的には彼のほうがおすすめなんだがなあ。