ガエル記

散策

『王妃マルゴ』萩尾望都 その5

ではマルゴ自身をどう思うのかと言えば強く惹かれます。

一般的な歴史としては派手な男性遍歴と謳われてしまう彼女ですがこうして萩尾望都のマンガとして描かれれば純粋に愛を求めた女性として共感できるし魅了されます。

 

 

ネタバレします。

 

五巻の冒頭は萩尾望都王妃マルゴ』の中でも圧巻だ。

母后カトリーヌはカトリックの王女マルゴとプロテスタントの王アンリの結婚を契機に一気にユグノーの一掃を企んだ。

この時母后は娘マルゴを夫の寝室へ向かわせる。

幼い頃にも殺戮に怯えて泣いた国王シャルルは自らの命令で虐殺されていくユグノーの死体に奇声をあげながらも狂ったように銃を撃ち続ける。

大虐殺を率いていくのはアンリ・ド・ギーズだった。

 

聖バルテルミの大虐殺を絵にする。

とてつもない技を見る。

 

ナヴァルのアンリはやむなくカトリックに改宗する。

側近たちは悔しがるがやがてくるその日の為にと彼に従った。

 

アンジュー公アンリ(22歳)はポーランド女王(50歳)との結婚が持ち上がる。

 

そしてマルゴの涙をいつも受け止めている愛人ラ・モルはナヴァルのアンリが元のプロテスタントに戻りプロテンスタントの王になってくれることを切望していた。

アランソン公から国王の座を狙っていると打ち明けられる。アランソン公はプロテスタントに寛容だ。そのためにまじないの人形を買う。

しかしそのまじないがシャルル国王への呪詛だとされ拷問され打ち首となってしまう。

なんという・・・。

そしてその後、シャルル国王は死んでしまった。

私の大好きな一推しシャルルが死んでしまった。

ここから先も波瀾万丈だが喪失感は大きい。