
ネタバレします。
「黄泉からの声」
第一章 井戸のまわりで 1993年8月号、10月号「月刊ベアーズクラブ」
これもまた複雑で奇妙な筋立てである。
稗田の学生時代からの友人・青山が登場する。
一か月前に九歳になる娘・珠美が行方不明となり探し続けているゆえか心身ともに疲れ果てている様子だ。
妻は夫がノイローゼになっていると稗田に伝えていた。
娘は井戸のある空き家で遊んでいる時にいなくなったという。
青山はボロボロの空き家を買い取り井戸をさらい娘を探し続けているのだ。
稗田が青山を訪ね話し合っている時、ひとりの若い女が土手に座り「ずいすいずっころばし」を口ずさむ。青山が聞きとがめると女は「この家もうすぐつぶれるわよ」と叫んで自転車で逃げて行った。
稗田は女が置き忘れた袋を開けてみる。そこには皿が入っていた。
と、突然空から石が降ってきた。
「石降りだ」
稗田は驚き空き家に入って再び青山から話を聞く。
珠美は友達と井戸の側でずいずいずっころばしで鬼が珠美に決まり友達が隠れていた間にいなくなったというのだ。
またこの場所には元・武家屋敷があったらしい。
幽霊が出るという噂もあった。
皿を置いて逃げた女の名は菊恵。
家に帰るなり自室に閉じこもってしまうのを母や妹は気にしていた。
菊恵はひとり部屋に籠っては皿を割っているようだ。
ここでまだ互いには判っていないが青山がいる空き家と菊恵の部屋が異世界を通じて繋がっているのが知れる。
稗田は青山の事件に大いに興味を持つが用事がありホテルへと戻る。
その用事というのも石降りなどの超常現象のある場所で遺跡を掘っていたのだが人工的な石組・・・井戸のようなものが出てきたのである。
ひとりの青年が潜水してみるというので稗田も潜水服を着用して共に潜ることとなる。
二十メートル以上潜ると百以上の白骨があり、割れた皿のなかにウェッジウッドの綺麗な皿があったのだ。
そしてここにもあの「皿屋敷」の言い伝えがあったというのだ。
遺跡調査の人々が帰っていくなかで稗田は井戸から不気味な姿が出てくるのを見た。
「井戸のまわりでお茶碗欠いたのだーれ」
ここから稗田は菊恵の家を訪ね青山の空き家とのつながりを突き止め珠美の存在も感じ取る。
稗田は「ずいずいずっころばし」の歌詞と事件を重ねていく。
そして「皿屋敷」の小間使いの名前が「菊」であるのを霊の声を「聞く」という説があるとして井戸を通じて地底の神霊の声を聞く巫女だったとする。
菊恵は稗田たちが望んでいる珠美救出に手を貸したいと申し出る。
井戸に向かって「珠美ちゃーん」と呼びかけると現れたのは「キクリヒメ」だった。
青山は珠美を救うことができるが菊恵は代わりキクリヒメに捕らわれてしまった。
稗田礼二郎はなんとしてでも菊恵を救わねばならないと思う。
第二章 黄泉からの声 1993年12月号「月刊ベアーズクラブ」
稗田が菊恵を救うために会ったのがあの天木美加であった。
さて、後は一気に美加の超能力で菊恵を救い出す。
東京の町で菊恵を追っていたのは平将門であった、ということか。
そしてそれから守ってくれたのがお岩稲荷だった・・・ということでよろしいのだろうか。
こういう東京巡礼の旅もあるものだろうか。