ネタバレします。
【第71回 百年の仙根 まさに絶えんとし 連理の霊樹 永に生きんとす】
旅を続ける玄奘・悟空一行は砂漠を行くとたちまち砂嵐に包まれてしまう。
その行く手にも扶桑夫人の胞子が化けた植物が生えていたがすでにすっかり枯れ切っていた。
悟空は八戒が今も人参果を持っていると指摘する。
持っていないと言い張る八戒を悟空は脅して白状させた。
玄奘は八戒を叱って去ろうとするが悟空は「これは行きながら草にされた赤ん坊だ」と玄奘を引き留める。
木の根元に埋めるから念仏を唱えてくれと伝える。
悟空は気配を感じていた。
そして人参果を埋めながら「おまえたち、少しでも怨念のようなものがあるのならおれの中の斉天大聖に呼びかけろ」と念じたのである。
目の前に与世同君が現れ再び悟空を袖裏乾坤の術にかける。
が、悟空は自ら術の中に突き進み金箍棒を振るう。
人参果は与世同君に食らいついた。
与世同君は倒れ、必死で放った術はことごとく破られかろうじて縮地の法で逃げようとする。
しかし振り返ると悟空はすぐ後ろに迫っており与世同君は倒れ悟空に名を聞いた。
「斉天大聖孫悟空」と言いながら悟空は与世同君を殺そうとするが与世同君はここで自分語りを始める。
人参果になった赤子は所詮生まれてすぐ親に殺されるか奴隷に育つしかない。
神仙の道を志した自分は天地と同じだけ生きるという野心を持った。
その大きな望みをかなえるためにそんな赤子を薬草にするのはやむを得ないとは思わんか。
「その赤子に最後復讐されたな。もう覚悟を決めろ」
そう言って振り下ろした金箍棒を抑え込んだのは与世同君の胸に収まっていた扶桑夫人だった。
扶桑夫人はもともと与世同君の妻だったのだという。
神仙の道に入った夫は妻を捨てたが妻は夫の役に立つのなら、と夫の術によって木の精になったのだ。
そうして根から栄養を送り地中の赤子を仮死状態のまま生かし続け百年ほどの間に十ほどの人参果を育て上げ与世同君に食べていただきさらにまた七つの人参果を育てたところだったという。
「いわばあの人参果たちは私の子供も同じ。夫の夢に捧げたいだけなのです」と扶桑夫人は語る。
しかしこの言葉に悟空は「勝手なことを言うな。何が自分の子も同じだ」となおも殺そうとする。
扶桑夫人は「わたしが木に変身した時は身ごもっており同君さまに最初に差し上げた人参果はその子でした」と告げる。
一瞬悟空の金箍棒が怯む。
その隙に扶桑夫人は夫与世同君を天へと引き上げたのである。
扶桑夫人は与世同君を祁連山の中に連れて行った。
与世同君は死を覚悟したが扶桑夫人は「死なせはしません」と告げる。
扶桑夫人、いや与世同君の妻はいまや夫と一心同体になっていた。
与世同君の身体に妻の根が入り込み共に樹木となっていたのだ。
こうして二人は合体して不死を得た。
觻得城の章
【第72回 前門に黄狼 待ち受け 後門に双虎 追い来る】
突厥の若者は悟空の馬を引いてきて悟空に渡し突厥に来ないかと誘う。
しかし悟空は目的があると言って去る。
若者はブルグゥ・シャドの息子イリクと名乗る。
そのイリクに声をかける者がいた。
紅孩児だった。(いろいろしつこい。いいけど)
またも悟空を追いかける(ほんとおまえ)
黄袍も悟空を追っていた。
悟空は行く先で百花羞と会う。
そばには石方相がいた。
玄奘一行は半壊した仏塔で夜を明かそうとした。
梯子を上った玄奘は小さな仏像を見つける。
【第73回 紅孩児 空寺に僧を追い 石方相 廃院に塔を撃つ】
眠れず玄奘は真夜中ひとり再び梯子を上って仏像を拝む。
そこへ上がってきたのは紅孩児だった。
玄奘は逃げようとするが半壊の仏塔に逃げ場はない。
今度は悟空が駆け付け紅孩児と戦う。
玄奘は降りようとするが梯子がない。
石方相がいつのまにか梯子を外してしまったのだ。
仏像を馬鹿力で壊そうと叩き始める。
さらに官軍の阮兄弟が悟空を捕らえようと駆け付けてきた。(しつこいっ)
阮兄弟、紅孩児、石方相そして玄奘一行と悟空が入り乱れての乱闘となる。
これを黄袍は呆れて待っていた。
それを悟空が追いつめていく。
悟空の金箍棒が紅孩児の頭を直撃した。
紅孩児は悟空が本気だと怒る。
悟空はさらに打ちこみ紅孩児を叩き落とした。「二度と玄奘の前に現れるな。次は本当に殺すぞ」
落とされた紅孩児は悔しさに「必ずあの坊主を殺してその上できさまも殺してやる」
嫉妬としか思えないねえ。