ガエル記

散策

原作:パトリシア・ハイスミスの考察/『キャロル』トッド・ヘインズ

観た。

 

恋愛映画、どころか映画そのものにもしばらく離れていて昔観た映画くらいしか観れなくなっていたけど必死で観た。

 

よかった。

映画を観るには能力がいる。

観始め最初、いや途中までも観てこれはどうなんだろうかと思ったりもした。

つまりテレーズの彼氏やキャロルの夫があまりにも嫌味に描かれすぎてるのではないかとか。

テレーズとキャロルがあまりにも良すぎに描かれているのではないかとか、少し脳裏によぎったけど頑張って最後まで観てよかったと思う。

 

人間はもがき続けて生きるしかないのだと。

すべてうまく思い通りにはならなくてもその中でできる限りの努力を積み上げていくしかないのだと。

 

なぜか不甲斐なく泣いたりもした。

自分でもどこで泣くのかあまりよくわからないがそれはたぶんキャロルが娘に関して出来得る限りの頑張りを見せたところであるのだろう。

 

何も知らないような馬鹿な娘みたいだったテレーズがこのしばらくの間に脱皮したかのように綺麗になってしまうのが魔法のようだった。

 

この物語はハイスミスが美しい女性を垣間見て作り上げたものだったはず。

その素晴らしい創造力に驚く。