
ネタバレします。
「雑貨の戦争」
栞が「ゴブリン」という店で紙魚子は「つくも堂」という店でそれぞれ雑貨を買ったのだが例によってそこから大騒動が起きてしまう。
栞は大きな貝と小さな貝のキーホルダー(?)紙魚子は福助、這い人形、髑髏のキーホルダー(?)じゃなくて根付、茶碗と皿、というなんともどうでもいいような雑貨を買ってきた。
帰る途中で変なおじさんから「両方の店に行くことないよ。雑貨の店ならここ」とチラシをもらう。
ふたりはそのまま栞の家に行き買ってきたものを並べてみた。
「ゴブリン」と「つくも堂」の店主は仲が悪いらしいが商品までもが激しく争い始めてしまう。
貝や福助やら這い人形やらが争うのを見守る栞と紙魚子、ついつい自分が買ってきた雑貨の味方をしてしまうのだが猫のボリスが帰ってきて雑貨たちを散々かじり壊して出て行ってしまった。
と、その時栞はチラシをくれたおじさんが誰に似ているか思い出してしまう。
ふたりがチラシの店に行ってみると店の名は「ねこや」
店主は以前栞が「ボリスが人間になったらいいのに」と言った時のあのおじさんだった。
最近よく遊びに来るトラ猫が「とらや」に入っていった。
入った途端トラ猫は人間になり「社長、買ってきました」
それはマグロの切り身だった。
ふたり(二匹)はそのマグロを分け合って食べた。
「迷惑な侵入者」
栞の家に迷惑な侵入者が来た話。
ある日、栞の周囲のものが次々とひとつの「おかしな顔」になってしまう。近所の猫、弟がもらったポケモン、通販本のモデル、壁に飾ったモナ・リザ、だるまやケムタクまでもがすべて「おかしな顔」になってしまったのだ。
果てはママや兄弟まで「おかしな顔」になり栞はがっくりしてしまう。
おまけに今度は栞と紙魚子までが入れ替わりに「おかしな顔」になる。
そしていつの間にか栞に妹が存在しているのに気づきふたりは「あいつよ」と追いかけて叩くとそれははじけ飛んで無数の「おかしな顔」になってしまった。
そこでその顔にそっくりの飼い主という男が登場し「すみません」とその「おかしな顔」の猫(?)を連れ帰ったのである。
これはレイ・ブラッドベリの「きのこ計画」を連想させる。
「本の魚」
紙魚子の古本屋「宇論堂」にばかでかい本がやってくる。
まだ店主である父が書いとるかどうかはわからないが紙魚子はおもしろがって栞を呼び出した。
ところが栞が来る前に紙魚子はそのばかでかい本を開けた時のみ込まれてしまったのだ。
栞が来店した時には紙魚子の姿はなくばかでかい本だけがあった。
栞もおもしろがって開けてみるとぱくりと食べられてしまう。
本の中で紙魚子は本を持って海へと向かう。
しかしそこは足場も本のような形をしておりムルムルみたいな鳥やヤドカリがいた。
そして紙魚子が持っていた本が勝手に海に落ちてしまう。
桟橋で釣りをしている男に声をかける紙魚子だったが釣られているのが本だと教えられ、自分もそこで本を釣り始める。
なかなか釣れないので側にいたムルムルヤドカリを餌にするがやはり釣れない。
するとおじさんは笑って「珍本や稀覯本が欲しかったら楽をしちゃだめだ」という「自分の体を餌にして釣るんだ」と彼は自分の体のあちこちを切り取って餌にしているのを見せてくれた。脇腹や手足がなくなっている。
感心した紙魚子は自分も足先を切り取って餌にしようとし包丁を振り上げたところで栞の声に止められる。
栞は相変わらずおじさんをドンと押して海へ突き落す。
ふたりは本の中を歩き出す。
栞はボリスを捜しにきたらしい。
そして今度は栞がクイズに敗けて手や頭をかじられてもいいや、という不思議感覚に陥ってしまう。
紙魚子は「気のせい気のせい」とつぶやく怪しい物体に気づきそれを栞と共に引っ張るとふたりはもとの宇論堂に戻った。
が目の前に漁師のおじさんがいて「これは本ではなく魚だよ」と言い出す。
それも人食いの魚だというのだ。
こいつは本の魚(ブックフィッシュ)と言って本好きの人間を吞む、らしい。
猟師は説明すると本(魚)を網に捕って出て行った。
「古本屋地獄屋敷」
またまた本好きのための物語。
紙魚子のお父さんが行方不明になった。さすがの紙魚子も心配し土曜日は学校を休んで父を捜している。
栞も心配で紙魚子を訪ねてみたのだった。
紙魚子は手掛かりはあったという。
栞は紙魚子と共に出かける。
手がかりの木田さんが教えてくれのはとある家だった。
古本屋ではなく本が多い家なのだという。
ふたりが入っていくととにかく本がぎっしり詰まった棚が延々と続いているのだ。
紙魚子がいうには「古くて汚い本ばかり」
紙魚子の父親は「室井恭蘭全集」の欠本を探しているらしいのだがそんな掘り出し物があるかどうか。
ここで紙魚子は思い出した。
処分したい本があるから取りに来てくれというので古本屋のおやじがはりきって行くとほとんど価値のない古本で埋まった家があっておやじは逃げ帰ってくるのだという。
あるいはその家に入ってそのまま行方不明になるのだという。
と、本を探している人の姿を見て「父親か」と思ったが人違いであった。
だが「室井恭蘭全集」のありかを教えてくれる。
二階の奥の方へ進むとますます本の数は凄くなりよく床が抜けないものだと思えた。
結局なにもわからない。
そこへ十七巻を探す老人が現れる。
本を抜き取る法則を発見した髭男がいた。
そして紙魚子が「直立魚類」の下巻を発見し上巻を探し始める。
さきほど室井恭蘭全集の場所を教えてくれた人物が目的の本を見つけたと叫んでいる。
紙魚子が手伝ってその本を引っ張り出すとすべての本の山が崩れ出した。
本雪崩だ。
空が見える。
出られるのだ。
そして紙魚子の父の呼び声がした。
本を見つけたらしい。
紙魚子と父はそれぞれの本を抱え栞と共に本の山の上へと向かった。
しかし紙魚子と父親は抱えた本が邪魔で滑り落ちてしまう。
栞は怒ってその本を取り上げ下へと放った。
三人はやっと古本地獄から脱出したのである。
「見知らぬ街で」
栞は見知らぬ街の中を歩いていた。
歩道橋から下を見ると弟の章が何者かに車で連れ去られていくのが見えた。
栞は慌ててきとらが御している馬車ならぬムルムル車に乗せてもらう。
が、ムルムルは食べられきとらは卵を奪われて追いかけていってしまう。
次には段先生がきとらを探していた。
卵を取り戻したいのだ。
ダンス会場で弟の居場所を訊くと「十二階の占い師に訊くと良い」と言われる。
「古本占い」というドアを開けるとそこには衣装をつけた紙魚子が座っていた。
多数の古本を投げると栞の頭の上に残ったのは「怪人猫マント」という本だった。
たしか章を誘拐していたのは猫のマスクでマントをした怪人だった。
もう一度紙魚子が本を放ると開いたページは「第三章 伯爵家の晩餐会」だった。
ちょうど今日、最上階で晩餐会があっているという。
ふたりが晩餐会に入り込む。
逃げ回るスープの後は「レバタラいため」だった(もしや「タラレバ娘」というのはここから生まれたのか)
その時、女性市長からの挨拶が始まるが、どう見てもそれは紙魚子だった。
「猫マントがこの晩餐会に潜入している」らしい。
そこへあの大きな卵が「メインディッシュです」と運ばれた。
「この卵は吾輩がいただく」
猫マントだった。
側には栞の弟の章が縛られぶら下がっていた。
「章を返せ」
きとらも「先生との愛の結晶が」と交じってくる。
皆が大暴れする中で卵が割れ中から妖怪が出てきた。
栞は大きく放り出された。
紙魚子が人力飛行で飛んでいくのが見える。
栞が歩き出すと元の場所に戻った。
章がいる。
「おねえちゃん、ここから行こうよ」
弟に手を引かれ栞は穴の中に入った。
目が覚めると周りには家族と紙魚子がいた。
栞は章と一緒におじいちゃんの田舎へ行って帰りの列車が事故にあったのだ。
栞は脳震盪で眠り込んでいた。