
ネタバレします。
第20話「顔を盗まれた女」
今回の話、一度読みでは意味がわからなかった。
数回読み返してやっと理解した。わかってしまえばなんということはないけどどうしてこうなったんだろうか。
やはり顔を奪うアメリア夫人に視点が向いていなかったからだろうか。
絵画が題材ということもあり今回もユディットが登場する。
次第にアリスとシェエラザードとの距離が近まってくる。
なんだろう『ルパン三世』の五ェ門的存在なのか。
と、とにかく失った顔の代わりに他人の顔を盗むアメリアはついに絵画に描かれた顔まで奪おうとする。
それを担ったのがユディットであった。
しかし見事に描かれた絵画には魂が宿る。
そのために絵画の女性が自分の顔を奪い返しに来る、という話である。
ユディットは自分が絵描きなためそうした絵画の女性に共感するのであった。
最後、今回も収入なし?と落胆するアリスに絵画の女性が自らの指にはめた金の指輪を外して落としたのである。
第21話「スージーの冒険」
ではスージーは不二子なのか?(チギャウ、チギャウ)
市場での買い物を頼まれたスージーだが買っものをいれた買い物かごを盗まれたのをはじめ次々と大変な目に会っていく。
(気の毒で見ていられない)
散々な目に会い買った物は全部なくなって帰るにも帰らないスージーはうずくまってしまう。
そこに現れる使い魔たちは彼女に妖精の幻想を見せる。
眠ってしまったスージーを見つけたアリスとシェエラザードは彼女をおぶって買い物をして帰るのであった。
第22話「幽霊たちの秘密」
様々な幽霊話に困惑させられる人々。
幽霊の話というものは暗く重い話であるはずなのだが、これら幾つかの幽霊話を辿ると一つの話になり、それが実にマヌケな話であった。
人の死につながる話なのだが悲劇というより喜劇、ドタバタ劇なのである。
うんざりしてしまった人々は一致団結して幽霊を退治してしまうという話である。
幽霊たちもカッコ悪いと思われたくはない。
第23話「ゴースト・アンド・マミィ」
”珍奇なものを集める趣味”を持つリヒター氏に依頼を受けたアリス&シェエラザード。
同好の士による月に一度の集会ではホストが新しい蒐集品を披露するのだが前回の集会でリヒター氏のライバルドゥーダー氏はなんと”人魚のミイラ”を出してきた。
18世紀イタリア”脅威の部屋(ヴンダー・カンマー)”の図録で見られたそれに皆は感嘆の声を上げドゥーダー氏は得意満面であった。
それが癪に障るリヒター氏は次回の集会でホストを務める。絶対にドゥーダー氏に敗けたくない彼はアリスたちにそれに匹敵する何かを手に入れてほしいと頼むのだった。
資産はそれほどないというリヒター氏の願いをかなえるのは難しくアリスたちは迷走し怪しげな男から”幽霊のミイラ”を買い取ることとなる。
それは悪魔と神の板挟みとなり苦しんだ修道の死に顔がカーテンの布の中に写し取られたというものだった。
だがそれは悪党たちによる偽物だった。
旅行者を騙して旅籠に連れ込み眠っている間にシーツを被せて窒息死させそこに浮き出たシワを利用してデマ話を作り上げたのである。
シーツに残っていた幽霊はアリスたちに訴えて悪党たちを懲らしめるとすっかり気を良くしてあの世へと行ってしまい”幽霊のミイラ”はなくなってしまった。
アリスとシェエラザードはやむなく悪党たちを使って新たなる”幽霊のミイラ”を作り上げリヒター氏に渡したのである。
集会で彼は皆の感嘆を聞けたのであった。
第24話「驚異の部屋(ブンダー・カンマー)への招待」
アリスとシェエラザードがワルフ・ザッケン公のお城に招待されどんどん小さくなっていく、という不思議体験をする話である。
アリスだけに『不思議の国のアリス』的な展開かと思いきやすべてはザッケン公とその取り巻きによる悪ふざけであった。
次第に家具や置物が大きくなっていくことで自分たちが小さくなってしまったと勘違いするのであった。
こうした悪ふざけを丁寧に描く緻密さよ。
諸星大二郎氏の根気にはいつも感心してしまう。
さて、というところで「アリスとシェエラザード」シリーズ、現在のところここで終了です。