
何度も観返した映画である。
映画作品としてのすばらしさはもうこれ以上話す必要はないと思える。
ので、適当に思ったことを書き連ねる。
日本人にとってこの映画の衝撃の一つはこの舞台が第二次世界大戦直後1945年から始まるということではないか。
冒頭の幸福で華やかなガーデンウェディングの同時期に日本(そして多くの国)ではまだ人々は腹ペコを抱えていたはずだ。アメリカが一番他国と違っていたのはこの時期なのだろう。
そして次代のコルレオーネのボスになるマイケルは戦争の英雄であるという肩書がある。
私はこのマイケルがまったく好きになれない。
そしてこの感覚を持つのは正しいと思っている。
パパであるヴィトー・コルレオーネは仕方なかったのかもしれない。
だが彼は魂を悪魔に売るという契約をしてしまった。
その契約から抜けることは容易くない。
結局ヴィトーは一番愛した末息子マイケルを同じ世界に入れてしまう羽目になる。
彼があの時、うっかり撃たれてしまうような失敗をしなければマイケルをこの道に入れずにすんだ。
そしてこのファミリーをここで終わらせるべきだったのだ。
しかしそうはならずマイケルは次代のゴッドファーザーになってしまう。
人間として間違った道に進んだ代償は簡単には払い終えないのだということがわかる。
最後にマイケルは愛する女性に嘘をつく。
なんという惨めさだろう。