

なにも考えずここまで読んでいたのでいきなりマンガが終わり小説形式になったので最初は意味が解らず「なにか上村氏の心変わりがあって描くのをやめたのか?」などと考えていました。
なぜならその寸前まで描線は美しく確かなものでありまさかここで病気のため入院しその2か月後に急逝されたとはとても思えなかったからでした。
それは「1985年11月、下咽頭腫瘍で入院。1986年1月11日、死去。45歳没」ということで、この『ゆーとぴあ』は突如中断されてしまったのです。
ネタバレします。
たしかに・・・そう思ってみれば最後あたりの絵はなんとなくそれまでの絵に比べ力が足りない気もするけど女性たちの描線はやはり美しい。
ほんとうに突然のことだったのだ。
なにしろ私はまったく何も考えずページを送っていたのだから。
小説部分まで目を通したのだけれどスージーと黒須夫妻の葛藤。そして健太郎君との恋。
遥は桜子と戦って勝ち捕った青戸選手との婚約を破棄wwwほんとにおそろしい子。
ちいママ千賀子と橋場氏との成就。
さらに桜子は冬木を従えついに「フィレンツェ」へと移ると発表する。
という話で終わるのだ。
いやここで終わるわけもなく。
まだまだ連載はつづくはずだっただろう。
なにしろ上村一夫氏は45歳なのだ。
ここで上村氏の娘さんと糸井重里氏の対談を読んだ。
ここで上村氏が若い時から老成していたという話があってなんとなく腑に落ちた、という気もした。
とはいえ「これからは純文学的原作ものを描いていきたい」という希望も持っていたと書かれており読んでみたかった。
まだ全然続くつもりでいたので(いや今考えたらそれはおかしいんだが都合よく勘違いしていた)あまりにも唐突に打ち切られて茫然としている。
さてデジタル版とはいえあまりにも途中なので残りの頁を埋めなければならなかったののだろう、小作品が収録されていた。
昭和47年(1972年) 9月25日 21号~
小劇団(?)といった感じの芝居にまつわる姉妹の話。
美しい姉を神と慕う凶悪な面構えの妹は姉の敵である男女俳優に復讐をする。
ここで敵女優がその妹に「おそろしい子・・・」というのだが『ガラスの仮面』の名セリフはここから来てるのでは、とかってに思ったりする。
情念だけが渦巻く物語だった。
「神とは・・・愛と肉欲とを切りはなされた不能者の群れ」
上村氏は神が嫌いだと思う。