
先日Xで新作映画の発表があり話題となっていました。
観たくなった上、ちょうどよくTV放送を録画していたので早速視聴してみます。
Xでは「これ以上の作品はできない」という高評価の本作ですが私はあまり良い印象を持っていませんでした。
今回もう一度確かめてみようと思います。
ネタバレします。
なぜ私は他の人々と違って『八つ墓村』を低く観ていたのか。
考えたのだけどこれは私自身が「タタリなどない」と思っているからだと気づいたのだ。
この作品特に映画は「タタリじゃあ」が題材である。辰弥が母の故郷八つ墓村に戻ってすぐ異様な老婆「濃茶の尼」に「出ていけ。おまえが来ると八人の死人が出る」などと言われるのだがこの言い方があまりにも大仰で馬鹿馬鹿しく思えたし本作映画の見どころとなっている山崎努演じる要蔵のド派手な殺人劇も滑稽に思えたのであるがそういったすべてがむしろ多くの人の心に突き刺さっていたことに今更驚きを覚えてもう一度観なおしてみようと思ったのだった。
確かに。
この映画はそれ以降の数々のコンテンツに大きな影響を与えているのだ。
私は『犬神家の一族』こそが「金田一耕助もの」の最高の映画作品だと思い、いっぽう『八つ墓村』はそれと比較する意味もない、二番手は『獄門島』だと思い込んでいたのだけど松竹映画そして監督野村芳太郎、脚本橋本忍におけるこの作品はまったく違う方向性で興味深い作品なんだと今更に気づいたのである。
さらにいえば今回の私の目的「近代日本探索」においては『八つ墓村』のほうに軍配が上がる。
非常に貴重な資料でもある。
野村芳太郎版は舞台を70年代に移していてその設定も効果的で面白いが今回他作品も観てみたく探した。
『八つ墓村』映像化作品は数多い。
稲垣吾郎作品が原作に忠実というのを読んで是非見たかったがかなわず。トヨエツ金田一で市川崑監督作品はアマプラですぐに鑑賞できたがあまりにも鑑賞に堪えず挫折した。
『犬神家』『獄門島』で惚れ込んでいた市川崑監督の才能の不在は先日観た『細雪』でも痛感したが今まで「凄い」と思い込みすぎていたのかもしれない。
そして今回逆に非常にそそられたのが古谷一行金田一のTVドラマ版である。
私個人が古谷一行苦手のため子のTVシリーズをまったく観ていなかったのだが今回観始めこれはなかなかの面白さなのだと認識した。
少なくとも市川崑監督トヨエツ金田一作品よりずっと見ごたえあるものだ。
1977年映画を一番に観た私は本作が70年代のものだと思い込んでいたが『犬神家』を思い出してもわかるように原作時代設定は戦後間もない頃、なのだ。
母を失い義父母に育てられ当然のように徴兵され戦争が終わって復員してやっと化粧品会社に勤め始め二年後の話なのである。
(しかし彼が戦死していたらこの話はないのだと思うと苦しい)
古谷一行テレビドラマもまだ途中。
野村『八つ墓村』ももう一度観てみたいし原作小説も読まなくてはならない。
『八つ墓村』新作映画発表ですっかり道行が変わってしまった。
楽しみだ。