オリジナル脚本:橋本忍というので鑑賞した。
ネタバレします。
さてはまず目的の橋本忍脚本の部分を取り出してみる。
若年弁護士・浜野は恩師弁護士の妻と不倫関係にあったが諍いを起こして彼女を絞殺してしまう。
逃げ出した浜野は発覚を恐れるがなんと別の人物が逮捕されたのだ。その男・脇田は前科者でもあるため死刑を宣告されるかもしれない状況にあった。
さらにとんでもないことに被害者の夫である弁護士が「死刑廃止論」を実証するために自ら加害者・脇田の弁護を務めると言い出す。
真犯人である浜野は自分の身代わりに死刑となってしまうかもしれないその惨めな男をせめて救いたかった。
東京地検捜査検事である落合はこの事件に疑問を持ち浜野を問いただすのだが。
というスリリングな展開である。
そしてどんでん返し。
落合は思いがけない失策と持病の痔の手術の激しい痛みが重なり悲惨な結末を迎える。
左遷の失意より痔の手術の激痛が辛いラストであった。
映画館で観ていたら「いたたたた」と出ていったであろう。
脚本は間違いなく面白いし映像も申し分なく洗練されていた。
なのになぜ長くDVD化されていなかったのか。
観ればわかると思う。
主演が小林桂樹で他配役も渋い中年以上の男性・女性ばかりなのだ。
さすがに美男だけでなく美女もいない映画を手元に持っていたい人は極端に少ないのかもしれない。
しかも会話の中で煙草を吸うのが当たり前になっているし泥酔場面も多い。
殺人技法も普通の絞殺なので単純に気持ち悪い。
こうした理由がDVD化されなかった原因というところはないのだろうか。
さらに二度も絞殺されるのは気の毒すぎる。
今だったらこの犯人脇田だけでも美男にするのではないだろうか。
若年弁護士浜野を演じたのは仲代達也で確かに彼は美形ではあるが本作ではその美形ぶりが演出されてはいない。
やはり映画は観客が惚れ惚れする絵が必要なのだ。
優れた脚本だけでは映画としては認められても「買ってはもらえない」のだ。
私とてDVDは買わない・・・。
その点、配信はありがたい。良い作品を観ることができた。
1963年「