
1978~1980「新潮社」
この作品について記事にしていたつもりだったがどうも書いていなかったようだ。
もし記事があったらご容赦を。
ネタバレします。
本作原作のテレビドラマがあるのは知っていたがそちらは未視聴である。
そのおかげで自分は思う存分楽しむことができた。
ドラマファンから原作を読んだ方々はかなりのショックを受けるようなのでそういう方は心して読むことをお勧めする。
本作が初『黒革』の自分はさすが松本清張、容赦なしと唸った。
地味な地方銀行員の原口元子は銀行から7500万を超える大金を横領しそれを資金にして銀座クラブのママとして歩み始める。
という女性ピカレスクロマンとして堂々の登場でその後も女ひとりで夜の街を生き延びていく。
読者は元子に引き込まれ彼女を応援せずにはおれないし好きになってしまうはずだ。
私はaudibleで聞いていたせいもあって「モトコ」と呼ばれるたびにどうしても『攻殻機動隊』の彼女と重ねてしまい少佐がママになっているような奇妙な気持ちになってしまったのを書いておく。
とはいえそれも含めて私はすっかり元子に惚れ込んでしまった。
何の後ろ盾も力のある相棒もいない彼女が自分の頭脳だけで財産や権力や地位を持つ男たちと戦っていく様に痺れた。
だが最後、彼女は突如女性としてもっとも弱い状況に追い込まれてしまうのだ。
身籠った体で動けなくなり彼女に対して恨みを持った産婦人科医師のところへと運ばれてしまうのだ。
彼女はその時死を予感する。それも恐ろしい死を。
そうだった。
そもそも彼女は「不正」をしていたのだ。
その後も次々と人に恨まれることをして生きて行く。
松本清張は例え女性であっても「不正」を許さなかったのだった。
しかし。
心のどこかで元子に「悪の女王」になってほしかったという気持ちが湧くのである。
モトコ~