2017年「ブロード・グリーン・ピクチャーズ」
これもまた奇妙な映画だなあ。
ゴズリング映画鑑賞飽きさせない。
ネタバレします。
正直に言うと本作品がまったく嚙み砕けず呑み込めないんだけど察せられる限りで書いてみる。
ライアン・ゴズリングが『ララランド』の次にこれというのはなかなか面白い。
『ララランド』が互いに夢をかなえた恋人同士が分かれてしまうという物語ならどうやら本作はくっつくことになったふたりを描いているようだからだ。
ライアンが演じているのはなんとなく『ララランド』のセブと似たようなミュージシャンというキャラクターであるのも意味深だ。
信念を持っていて優しくて恋人に一途な男性である。
ここでもその恋人は別の男性、自分よりも男性的で金持ちである男に奪われてしまうのだが今回はそこでいったん別れながらもよりを戻す。
もしかしてゴズリングは『ララランド』でふたりが分かれてしまう羽目になったことに納得できず別作品でやり直したのだろうか。
現在公開中の『プロジェクトヘイルメアリー』でも彼は「ララランドで踊った時の自分の手の角度が気になっていたんだ」とやり直していたし。
(むろんこれはジョークだろうけど)
ゴズリングは以前のバイオレンスヒーローの面影は潜め優し気な雰囲気になっている。
彼はどちらもできるのだけど私的にはこちらの方がほっとする。
映画作品自体はあまりにも美しい映像でポエムな感じが否めないがゴズリングの目的は「恋のやり直し」だったのだろうと推測する。
なので彼自身は満足だったのではないか。
さて映画自体についていえばなんだかなあという感じではある。
登場する二人の男クックとBVは剛柔という対照的なキャラクター設定になっているが彼らにあてがわれる二人の女性のキャラクターはあまり違いが感じられない。
正確も明確ではないし見た目もあまり変わらない。
男性映画監督が作った作品にはよくあることで同性である男性はいろいろなタイプがいるが異性である女性は自分の好みの範疇でしか描きたくないから、ということだろう。
では女性は、と言いたいが世界中探しても女性映画監督のサンプルが少なすぎて(しかも私はほとんど出会えていない)よくわからない。
予想的には女性監督は男性キャラも対照的なふたりを用意しそうな気はする。
もちろん男性監督だってそうだろうがマリック監督は女性キャラが薄いのかもしれない。
そして全体に潜む男性の暴力的な圧力が感じられて怖い。
女性二人はなぜか突然レズビアン的な様相を見せるけど男性ふたりのそれはなく男たちは喧嘩する。
そういう映画であった。
追記:この映画はゴズリングにとって『ラ・ラ・ランド』の心残りを払う作品なのではないかというのの書き足し。
本作品もゴズリング演じる音楽家が女性を熱烈にそして非常にひたむきに愛する話である。
だがここでも女性の方が彼から離れていってしまう。
こちらではゴズリングは素直に心から泣き悲しむ。
その後、復縁したふたりは田舎で土にまみれて生活する。
『ラ・ラ・ランド』でのふたりは互いに仕事で成功して別れたままになってしまうがこちらでは二人の生活を選択するのだ。
ふたりの仕事は作詞作曲なので年を経てもできるしね。
どうなんだろう。
ゴズリング、やはり別れてしまったのが気になっていたのかなあ。