2013年「ワーナー・ブラザース」
ついに今回のライアン・ゴズリング映画作品のほんとうの最終回になったようだ。
(また出てきたら喜んで観るが)
最初に書いておくが本作はほぼ記事にする必要はないようだ。
前にも書いたようにライアン・ゴズリングは順調に俳優業の階段を上っていっている、のだが本作は大きくつまずいたのではないだろうか。
本作の直前の映画は残念ながら今回鑑賞できなかったがその前の『スーパー・チューズデー』は名作ではなくとも確かに意義あるものだった。
しかし本作に彼が出演して何か得る者があったのかどうか。むろん何か意味があるから映画出演するものではないかもしれないがライアンの映画歴を辿ると一つずつ何かを得て上ってきたように思えたのがここで突然道を見失ってしまったかのようだからだ。
ライアン・ゴズリングは意外にマッチョ的な作品を好む傾向があるようなのでいにしえの「ギャング世界で戦う男」という男振りも演じてみたかったのだろうがこの選択は外れだった。
wikiを見ると
2013年初頭、「自分が何をしているのか全く分からなくなっている。一旦休んで、なぜ、どのように[俳優業に取り組んでいる]のか再評価するのは自分にとって良いことだと思う。それに多分、それが[演技]について学ぶ良い方法だと思う」[注釈 8]と述べて、俳優業を一時休止すると発表した。
とある。
そしてその2013年に公開されたのがこの映画なので単純に考えて本作映画がライアン・ゴズリングに俳優休業を考えさせた作品なのではないか、と思える。
フィルモグラフィを見ると同じく2013年にライアンは映画『ロスト・リバー』の監督を務めていて2014年にカンヌ映画祭に出品される。
その後の映画出演は2015年の『マネー・ショート』での脇役である。本作撮影期間も2015年の3月からとなっているのでライアンは確かに2年ほど休業していたのではないだろうか。
そしてその後『ナイスガイズ!』『ラ・ラ・ランド』『ソング・トゥ・ソング』『ブレードランナー2049』『ファースト・マン』『バービー』さらに現在絶賛中の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』と怒涛の話題作に主演&出演していく。
意を決した休業がここまで確実に良い結果になるなんてあるのか。
大概はそこで終わってしまいそうに思えるのだが。
休業期間なにをしたんだ?
魔法でもかけたのか。
魂でも売ったのか。
不思議な人だ。
ともあれ本作についても書いてみよう。
私とて『ゴッドファーザー』は好きであるが本作はそれとまったく方向性が違う。
実話をもとにしているらしいが『ゴッドファーザー』的な歴史物語ではない。
戯画化したギャングのブラックコメディにもなっていないしどうにも中途半端な印象である。
ライアンはここでもエマ・ストーンとの恋人役を再演しふたりの相性の良さを示しているがそれだけが本作の救いかもしれない。
(私的にはライアン&エマは『チッチとサリー』的なのっぽとチビなマンガ的シルエットでかわいく思える)
本作で監督はギャングの残酷さを強調し華やかなマシンガン連発で気を引きたいのだろうが現在の人々がそんな派手な人殺しに見惚れるとは思えない。
世の中はあまりにも暴力に溢れすぎていてそんな場面には飽き飽きしているのだ。
本作はゴズリングだけではなくショーン・ペンも憐れで気の毒としか言えない。
いったいどうして彼らはこの映画に出演してしまったんだろう。
いったい映画とはなにか、を考えさせられる作品なのかもしれない。
少し継ぎ足して言えばライアン・ゴズリング監督作品を観ると確かに彼はこうした昔風の暴力映画にファンタジーを感じているのだろうとは思う。
むしろ本作をゴズリングに監督してほしかった。
もう少し良い映画になったのではなかろうか。