ガエル記

散策

『無名の人生』鈴木竜也

2024年「ロックンロールマウンテン」

以前ネットで本作の存在を知って気になっていた作品がいつの間にかwowowで放送されていたので鑑賞しました。

 

 

ネタバレします。

 

 

そんな風に期待していたアニメ映画だったのだけど一度観てさっぱりわからず二度三度と観てもわからず、でも観るのが嫌にはならず何度でも観てしまう不思議な作品でもあった。

とりあえずわかるのは、というか初めて情報得た時に知った「ジャニーズ問題」を描いたものだということだがそのままを露骨に描いているわけではないのは間違いない。

なにかヒントはないかと乏しい知識の中から幾人かをピックアップして検索してのだがこの人だけというのはなくて幾人かの組み合わせでできているのように思える。

 

そんなぐちゃぐちゃな頭でもう一度鑑賞してもやはり掴めずしかし作品自体は素晴らしいし面白いことに間違いはない。

もう理解するのはやめてしまおうと決めた。

 

わかるのは監督自身が男性アイドルが好きでこの作品の中で彼らを愛情のある目で見ていることである。

私自身があまりにも日本社会における「アイドルタレント」に対し興味がなさ過ぎて共感できないのだがそれはそれとしてもそういう人生があるのだ。

タイトルは『無名の人生」となっていて監督はこのタイトルを先に決めたらしいが実際の主人公は無名というよりたくさんの名前をもっている。

どちらかと言えば『多名の人生』のような気もするが多すぎることは無になるのだろうか。

主人公の”人生”は母から「セイちゃん」と呼ばれている。

たぶん「人生」の”セイちゃん”なんだろう。

セイちゃんは「いじめられっ子」を経験し「死神」と呼ばれる。両親を亡くし義父に育てられるが名家の跡取りとして引き取られそうになるところでアイドルとなって活躍しスターとなる前に社長を殴って引退、売れないホストとなりここでも挫折し数年間野生生活をして「神様」と呼ばれる。かつての死神が神様になったがそのきっかけはおぞましいものだった。

 

そして東北大震災を経て時は現在を越えて未来へつながる。

 

主人公は震災の時にスーパーボランティアとなってそれを機にその端正なルックスでアイドルとなり織田信長を演じてさらにはイナズーマンというヒーローとなりやがて世界は破滅へと向かっていく。

 

なぜ人生は暴力に満ちているのだろう。

なぜ世界は暴力無しに存在しないのだろう。

 

誰もが愛と平和を望みながら与えられるのは暴力の物語ばかりなのだ。