2012年「マグノリア・ピクチャーズ」
『X エックス』三部作があまりに素晴らしかったのでタイ・ウェスト監督作品をもう少し観たくて鑑賞しました。
ネタバレします。
やはりタイ・ウェスト監督優秀だと思う。
ホラー・ムービーというより怪奇小説派が好む感じの映画作品ではないか。
他の方のレビューを見るとガッカリ派と良かった派にはっきり分かれている。私は「良かった」以上の「最高なのではないか」派である。
タイ・ウェスト作品は仕掛けとしては「いかにもホラー」なのにもかかわらず「だからこそおもしろい」
舞台はアメリカコネティカットの古くて小さなホテル。
来週(だったかな)には取り壊され駐車場になる予定だという。
そんな中で働いている冴えない中年男ルークとこちらもあまりキュートとは言い難い20代女性クレア。
泊っている客は夫ともめているらしい愛想のない母とその息子。
そしてクレアの憧れの女優だったリアンのみ。
このホテルでは19世紀にひとりの女性が首吊り自殺をしたという噂があった。
女性の名はマデリーン。このホテルで結婚式を挙げる予定だったのに直前に婚約を破棄され絶望した彼女は自殺した。その遺体は当時のオーナーによってホテルの地下室に隠されたのだという。
ルークとクレアはマデリーンの霊現象を記録しようと追いかける。
この上なく楽しげな映画なのにもかかわらず最後は悲劇にしてしまったのはどういう意図だったんだろう。
やっぱりリアンへの尊敬が足りなかったんだろうか。
タイ・ウェスト監督は物凄いホラー映画(むろん他のジャンルの映画も)の鑑賞と知識を総括して新しい映画を製作している感があるのでこれまでのホラーヒロインとは違う形を作ろうとしているのだとは思う。
本作のヒロインは明るく可愛く軽い感じなので悲壮な最期になる予感がまったくない。
ないからこそあっけなく死んでしまったのかもしれない。
それこそが一番怖く憐れである。人生は突然終わってしまうかもしれないのだ。
タイ・ウェスト監督のホラームービーは重要な教科書である。ホラーというジャンルだけでなく映画に関わりたい人間ならば是非観た方が良い。
これは確実だ。