ガエル記

散策

ダニエル・イノウエ氏の話

 今朝このツイートを見て驚きました。

 
ツイートをされたTsunehisa Nakajima / AAPI氏はその後続けてこの内容が虚偽ではない証拠を挙げておられます。
安倍晋三元首相の祖父にあたる岸信介元首相がいかに異常で冷酷で不気味な存在であったかというエピソードは数々聞き及びましたがこのダニエル・イノウエ氏への態度そして彼に面と向かって「出来損ない」と言い放つのは首相としてだけでなく人間としても異様であると思えます。岸信介氏には畏敬や情愛そして敬虔な思いやりなどという感情がまったくなかったとしか思えません。
 
一方ダニエル・イノウエ氏の名前を読んだ私は「確かハワイの空港が「イノウエ」に変わったんだよな」と思いながら検索したのですがその「イノウエ国際空港」の名前の方であるのにそこでやっと気づいた次第です。
 
ダニエル・イノウエ氏の父親は福岡県八女出身ということで福岡住まいの私にはよりいっそう親近感がわいてしまいました。これまでにも聞いたことはあったでしょうに今更意識するとはどうにも恥ずかしいです。
そのダニエル・イノウエ氏は第二次世界大戦日系人部隊である第442連隊戦闘団に配属され、ヨーロッパ前線で戦い右腕を失ったのでした。
岸信介満州にも関わってはいたものの国家政府に扇動させられる国民の苦しみなど何も考えることなどなかったのだろう。
こうした人物(などとも書きたくないが)を首相にそしてそのまた孫までも首相にしてしまう国家に尊厳や思いやりなど育たないのではないかと悲しくなってしまいます。
 
故郷であるはずの国の首相からこのような心無き冷たい言葉を聞いたイノウエ氏を思うのは辛いことです。
しかし今現在の日本人の多く(とは思いたくないが)から聞かされる異常なほどの差別や無情の言葉を聞くと「もしかしたらこれがこの国の人々の本音なのかもしれない」とさらに悲しくなります。
 
異国で過酷な体験をする自国民に対しても「自己責任だ」と言い放つ。気に入らないなら「出ていけ」と罵る。
 
こんな人間ばかりではない、優しさも思いやりもあるはずだと周囲を見回し小さな暖かな話を探し回る私であります。