ガエル記

散策

倫理

『ボウリング・フォー・コロンバイン』マイケル・ムーア

2002年製作映画。再鑑賞です。 本作でマイケル・ムーアは「アメリカ白人男は臆病すぎて銃による殺人をやめられないでいるんだけどいい加減にしようぜ」とくどいほど大声で叫び続けているのですが今のところはその効果は得られてないように思えます。 もちろ…

『美しい絵の崩壊』アンヌ・フォンティーヌ

アマゾンプライムにて鑑賞。原題は『Two Mothers』レズビアンなのでは?と言われてしまうほど仲が良く、少女時代からの友情を互いが結婚しそれぞれの息子が成長してからもなお離れることのない二人の女性の物語です。 ネタバレです。 美しい海辺での夢のよう…

『散歩する侵略者』黒沢清

今になってやっと観ました。私現在録画ダビング映画集中鑑賞週間になっています。 2017年公開なのですね。この映画を知らないでいたので今までずっと「日本映画はどうしてもSFを作れない」と思っていたのですが、これは素晴らしいSFでした。 SF、というとど…

良い爺さん悪い爺さん

先日ある動画を見てそれにコメントをしているツイートを見かけました。 それは日本の街中で女性が男性から殴られ蹴られているのだが通りすがりの人々が何も反応していない、というものでした。怖ろしい動画に多くのコメントが付されていました。 そこには 「…

『わが谷は緑なりき』ジョン・フォード

宮崎駿アニメ作品『天空の城ラピュタ』を知っている人はこの映画が濃く影響していると感じるでしょう。 登場人物の善良さにも感じます。 冒頭のよくとおる呼び声がラストに関係してきます。炭鉱で働く村人が歌うことが好きで歌声が素晴らしい、ということに…

『忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻』松田定次

観ている時は気がつかなかったのですが後でキャストを見たら浅野内匠頭を萬屋錦之助が演じているのですね。1959年の作品で、当時27歳で頼りなさげな若き殿様を演じています。そして1978年『赤穂城断絶 』で46歳の錦之助は大石内蔵助となるわけですが、同じ人…

元農水事務次官長男殺害事件

この事件への「抒情酌量の余地あり」という反応は上級市民だからというのでしょうか。それとも本当に多くの人が被告に同情しているのでしょうか。 もし真実に被告の殺人が共感され執行猶予を求められているのなら怖ろしいことだと思っています。 私は法律も…

刑罰

news.yahoo.co.jp この話、つまり「日本の刑罰で無期懲役と判決を受けた場合、15年くらいで出所してしまうからヤバい」というのはよく我が家でも、というかうちの夫が話していて私自身も知らないし調べようともせずに「そんなことって?」とだけ思い続けてい…

『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』シーズン1

今になって本作シーズン1の監督がキャリー・フクナガ氏という日系アメリカ人監督であると気づきました。 彼の作品には『闇の列車、光の旅』があり、2020年には『007』映画第25作目『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』が予定されているそうです。 さて本作ドラ…

『アパートの鍵貸します』ビリー・ワイルダー

名作映画、と言えば必ずタイトルがあがってくるであろう一作だと思うのですが、私はどういうわけだか何度も挑戦しているのになぜか前半で興味を失って後半までたどり着けないでいます。 とにかく上司の浮気のために自分のアパートを貸す、というのがあまりに…

「タツノコプロ」自己犠牲礼賛の精神を謳い続けてきたアニメ

礼賛 わたしの子供時代にはアニメ作品数というのが少なかったせいもありましたし深夜枠を録画して、などというようなことはできないしとにかく直接観る、という世界でしたからアニメなら何でも見る、というのが基本でした。 ですから四の五の言わずに観るわ…

『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』廣木隆一

2度このドラマの感想を書こうとして中断しこれが3度目ですが、いまいち乗り気になれないのは結局このドラマの題材が「美醜にこだわる女」という事だと思います。 女というのは美醜で人生が決まると思っているけどそうではない、という論旨は正解なのかどうな…

『ひろしま』関川秀雄と『はだしのゲン』アニメと『この世界の片隅に』

現実に起きたことを物語作品とするのはフィクションとはまた違った難しさがあります。 特にそれが戦争というような複雑な要素が絡み合い容易に言明できない場合どのような事柄を拾い上げどのような人物によって語らせていくか、その選択が作品を大きく変えて…

アニメ「どろろ」途中

リメイクアニメ「どろろ」19話まで鑑賞中 以下ネタバレありますのでご注意を。 放送時観ていなくて録画していたのをブルーレイにダビングして今見ている途中なのですが何と14・15話が録画されているとでているのに何も映っていないという初めての事実に戸惑…

「ふたつをひとつに-ロボットと仏教-」森政弘

ロボットが好きなのですぐに予約録画してしまいました。 内容は思った以上に面白かったです。 なんといっても工学博士森政弘氏のキャラクターが魅力的でありました。 あの「不気味の谷」の提唱者がこの方だとは知りませんでした。 御年92歳で大好きな本を取…

「大人の道徳」齋藤孝

著者について何も知らず何気なく手に取って読み始めたのですが、こんなことを書いているなんて、と思える箇所が幾つもある一冊でした。 後で検索してみると著書も多く書かれていて幾つかの受賞もされているしテレビで顔を見たこともある人物なのですね。レビ…

正義の人へ

面倒なことばかり書き始めたのですが「ではお前はどうだ」と言われたら自分自身はまったく「優しい人」ではないのです。 ほんとうに心優しい人っているのですが、自分はその正反対でほんとに思いやりの少ない人間なのですね。だからこそ心がけて良いことがで…

ちいさな親切

倫理、ということについて考えていきたい、と思ったので身近で感じたことから書いてみようかと思います。 人間生活の秩序つまり人倫の中で踏み行うべき規範の筋道と書かれています。簡単に言えば、人の交わりの中でのなすべきこと、と言うのでしょうか。 そ…

「倫理」のページ

ここのところずっとツイッターなどで多くの人の書く文章を読んでいるのですが、様々な考え方に打ちのめされてしまうような気がします。 それらを知ることがなかった昔の頃は一般の人々と言うのはなんとなく緩く良心的なものではないか、つまらないほど平凡な…