ガエル記

散策

『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』シーズン1

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今になって本作シーズン1の監督がキャリー・フクナガ氏という日系アメリカ人監督であると気づきました。

彼の作品には『闇の列車、光の旅』があり、2020年には『007』映画第25作目『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』が予定されているそうです。

 

さて本作ドラマ、何度か観なおしてやっと頭に入ってきた気がします。

といって観にくかったわけではなく、なぜでしょうか、やはりかなり複雑で難しく感じていたのでしょうか。それだけに見ごたえあるドラマでした。

 

主人公二人の刑事がそろってよくいう「イケメン」の類ではない、かなり年齢高くて髪は薄くそろって腹が出ていて武骨で愛想がない、ときています。

 

本作の魅力は話の面白さ、脚本の巧さはもちろんですが二人のなあなあ感、イチャイチャ感がまったくないことです。ですので刑事ものによくあるバディ風味を期待する方には物足りないかもですがそれでも最後の最後に訪れる幸福まで我慢できればとても良い場面があなたを迎えてくれます。

 

昨今流行りの猟奇殺人。異様な死体現場から物語は始まりますが、それ以後はそれほど奇怪な映像が続くわけではなくむしろ地味な捜査と人間ドラマで構成されています。

 

ウディ・ハレルソン演じるマーティンは見るからにごつくてコワモテの刑事で二人の娘にも甘い顔はできない男。たびたび若い女と浮気をしては妻を怒らせついに離婚に至ります。

マシュー・マコノヒー演じるラストはクールで知的ながらマーティン以上に腕っぷしが強く日常的に幻影を見るという不思議要素あふれる刑事です。

離婚する経緯に至るマーティンが存外まっとうな一般的な神経の持ち主であるのに対し、ラストの変わり者感はずば抜けていると言えます。

 

優男ではない真直ぐな男っぽさを持つ(浮気者だが)マーティンととんでもなく歪み切った変わり者ラストというコンビネーションは魅力的でありました。

二人の結びつきは今風の仲良しイチャイチャではなく男は拳で分かり合うという古風な関係なのです。

結局一人の女性を間に互いに結びついてしまうというのも古風なバディものなのかもしれません。

 

がっしり歯ごたえのあるハードな男たちのドラマです。