ガエル記

散策

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年大晦日 今年を振り返るーそこには横山光輝沼がー

今年を振り返ると横山光輝しかないW 思えば6月17日。それは今は亡き横山光輝氏の誕生日の前日なのですが当時はそんなことは知る由もなくなぜか突然横山光輝にはまってしまったのでした。とても深い縁があったのではと勝手に思い込んでいます。(当日じゃな…

『赤龍王』本宮ひろ志:横山光輝『項羽と劉邦』との読み比べ その2

怒涛の項羽と劉邦でした。 とにかく勢いが物凄い。 私は横山『項羽と劉邦』を読んでいたので内容はわかるのですがいきなり本作を読んで理解できるものなのでしょうかと心配にはなりました。 ネタバレしますのでご注意を。 一番気になるのは虞美人の変化より…

『赤龍王』本宮ひろ志:横山光輝『項羽と劉邦』との読み比べ その1

突然の本宮ひろ志。と言ってももちろん『項羽と劉邦』だからである。しかも張良がかなり気になるキャラデザだったので読まずにはおれなかった。 私は横山光輝マンガはまったく読んでこなかったのですが本宮ひろ志は幾つかは読んでいて大好きだったりします。…

『項羽と劉邦』横山光輝 その4 読了

ネタバレしますのでご注意を。 昨日は愚痴を書きましたがやはり面白いことに変わりはなく。漫画化というかある作品をもとに別の作品が生まれる時はその作者の血が入るのは当然でだからこそ〇〇版という言い方がされるわけで。本作は横山光輝が生んだ『項羽と…

『項羽と劉邦』横山光輝 その3

ネタバレしますのでご注意を。 大変面白く読んでいるのですがここで少し苦言と言うか不満と言うか愚痴を書いてみます。 まずは劉邦と項羽の対比。 青年貴族・項羽 女と酒好き中年男・劉邦 出自の卑しい中年男と貴族の若者、という対比がこの物語の基礎だとい…

『項羽と劉邦』横山光輝 その2

ネタバレしますのでご注意を。 張良見たさに読み始め充分堪能させてもらっていますが途中からやはり韓信物語になていきます。横山氏は戦闘エピソードが好きなので(選択題材でわかりますが)どうしても韓信の方に重点が置かれるのは当然ですね。 とはいえそ…

『項羽と劉邦』横山光輝 その1

ここ最近読みたくてたまらなかった本作ついに手に取る。 と言っても項羽も劉邦も嫌いなんだけど周囲の人間たちに興味がある。特に張良が見たくて見たくて、と期待しているのだけど期待しすぎだろうか。 ネタバレしますのでご注意を。 なにしろ先に『史記』を…

『鉄人28号』横山光輝 その6

ネタバレしますのでご注意を。 やはり私にとっては鉄人よりも金田正太郎クンが気になり読み続けてきました。 前にも書きましたが正太郎クンは現在の「ショタコン」そして単に「ショタ」という表現も当たり前に使われるようになってきた言葉の語源の存在です…

『鉄人28号』横山光輝 その5

ネタバレしますのでご注意を。 もうすっかり道に乗ったという感じで進んでいきます。 ちょいと飛んで「ブラック博士の巻」に入ります。 18巻84pから。 またもやたらイケメン青年が何者かに追われ逃げている場面から始まる。美女じゃなく美男なのが横山流…

『鉄人28号』横山光輝 その4

かわいい ネタバレしますのでご注意を。 今更気づいただけかもしれませんが横山マンガ独特の「集団のおかしさ」が出始めたような気がします。 大量生産されているせいで鉄人との一対一ではなく集団で襲ってくることになるのですがそれが奇妙におかしい。 ロ…

『鉄人28号』横山光輝 その3

不思議な表紙絵、宇宙なのに潜水してるw ネタバレしますのでご注意を。 ところで私はこんな風に驚いた時に帽子がポーンと飛ぶという表現が大好きなのですが(可愛い)最近の漫画家さんはやってくれないので(あるのかもしれないけどw)とても寂しい。 『鉄…

『鉄人28号』横山光輝 その2

ネタバレしますのでご注意を。 鉄人のデザインを云々できるほど知識はありませんが 少しの間にかなり描写の進化が見て取れます。 四巻の52pではかなりカッコ良くなっていて重量感も迫力もありますが 地肌が白というのか塗りがないのが 54pでは影がはい…

『鉄人28号』横山光輝 その1

さてついに『鉄人28号』読み始めます。 あの安彦良和氏をして「横山先生の描く少年はほんとうに魅力的で」と言わしめたその原点がここにあるのだとちょっと緊張もします。 すでに上にあげた表紙絵にその片鱗は伺えます。 しかしこのズボン、今の感覚では短す…

『殷周伝説』太公望伝奇 その16 横山光輝  完

最終巻です。 ついについに。 といっても前回記事で少し入ってしまいましたがw ネタバレしますのでご注意を。 武王は盟主として上座につくよう望まれる。辞退するものの「周は仁義道徳を旗印として正しい国を造ると宣言なされ東征を開始された。ここで武王…

『殷周伝説』太公望伝奇 その15 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 潼関の援軍に来た鄧昆は相棒である芮吉に自分は周に帰順しようと考えていると打ち明けた。 実は黄飛虎は鄧昆の叔父なのだという。叔父を尊敬して叔父と共に天下のために戦いたいと考えていた。そして芮吉を誘うと芮吉もまたと…

『殷周伝説』太公望伝奇 その14 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 朝歌。妲己によって鹿台の天井の梁の空洞に琵琶精は安置され半年後蘇った。 妲己は琵琶精に喜媚と名乗らせ紂王に侍らせた。 紂王の宴会は続いた。(よくまあ飽きないね) そして周軍は第三の関門穿雲関を陥落し残るはふたつ、…

『殷周伝説』太公望伝奇 その13 横山光輝

表紙の少年、黄天祥くんです。 おおー。フジリュー版とはかなり違いますな。 手前のおっさんは鄧九公どのです。 ネタバレしますのでご注意を。 太公望は武王に「金鶏嶺の孔宣軍を撃破した」ことを報告し孟津を目指すに五関が立ちふさがるための辛抱をお願い…

『殷周伝説』太公望伝奇 その12 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 拝将台が短期間で建設された。 武王が即位してから十三年、三月十五日、太公望を東征大将軍に任命する儀式が執り行われた。 武王が太公望を迎えに赴き拝将台を一層ずつ上がりながら祝文が読み上げられる。そして三層にて武王か…

『殷周伝説』太公望伝奇 その11 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 目が覚めた太公望は自分に巻き付いた縄を観察して気づく。夾竜山懼留孫道士が作った捕縛縄だ。太公望はずいぶん昔に夾竜山で見たものだった。 懼留孫は長い間をかけて工夫を凝らし紐に棘をつけて痺れ薬をつけ鹿ぐらいの動物は…

『殷周伝説』太公望伝奇 その10 横山光輝

返す返すも『封神演義』の世界を現実的に描くという逆アレンジした本作品の魅力に感嘆してしまいます。 『武王伐紂平話』をベースに創作された、ということなのですがこの面白さは独特の味わいがあります。 『封神演義』ほどファンタジーではないけど哪吒た…

『殷周伝説』太公望伝奇 その9 横山光輝

金吒くんセンター!ていうか長男だから当然なのかw 哪吒一択と思ってたらそういうこともあるんだなあと思ったのでした。 ネタバレしますのでご注意を。 『三国志』ではほぼ大人しか活躍しないけどはっきりと小柄な少年たちが大活躍する、というのが殷周伝説…

『殷周伝説』太公望伝奇 その8 横山光輝

表紙の紂王に描かれているのが武成王黄飛虎ですがかっこいいのなんのって。 武将には惚れ惚れしますなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 西岐に入国した黄飛虎一行。太公望は武成王の突然の来訪に驚き西岐に帰順したいという願い出にますます驚く。 黄飛虎…

『殷周伝説』太公望伝奇 その7 横山光輝

これは哪吒。やはり哪吒はかっこいい。 戦いの申し子。中国ものでは珍しい少年神。 まったく物怖じしない我が儘者であるのも少年らしい特色かな。 ネタバレしますのでご注意を。 うーむ。朝歌にいる者たちは紂王の悪政を肌身に感じているが遠くなればなるほ…

『殷周伝説』太公望伝奇 その6 横山光輝

七巻突入です。 聞仲太師、『封神演義』でもめちゃくちゃカッコいい人でしたがこちらでも最高のイケおじです。 ネタバレしますのでご注意を。 聞仲太師が12年ぶりに戻りさすがの紂王も彼の前ではすくみ上った子どものようになってしまう。他の者が刑罰を怖れ…

『殷周伝説』太公望伝奇 その5 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 文王姫昌は漁民たちの歌を聞いて慄く。それは賢人でなければ作れない歌だったからだ。その歌は堯帝の故事を歌ったものであった。 文王がさらに進むとまたも不思議な歌を歌っている樵たちに出会う。その歌は誰が作ったのかと問…

『殷周伝説』太公望伝奇 その4 横山光輝

おおっ、これは太公望ポーズ・釣り。 でも記事はもう少し前からになっています。恐ろしいエピソードで有名なアレです。 ネタバレしますのでご注意を。 さてさて皆さまの怖ろしいトラウマになっている伯邑考ハンバーグのエピソードが始まりました。 姫昌の母…

『殷周伝説』太公望伝奇 その3 横山光輝

これは四巻の表紙です。記事は三巻の終わりほどからです。 ネタバレしますのでご注意を。 崇侯虎を除く三大諸侯は紂王に対し上申書を出すが紂王はそれを読む気などはなく三人を謀叛者として処刑を命じた。 これに反論された紂王は仕方なく上申書を読むがます…

『殷周伝説』太公望伝奇 その2 横山光輝

二巻から書いていきますが実際は面白すぎてずっと先を読んでいます。 あまりにも素晴らしく好きになりすぎてわくわくときめきが抑えきれないほどになっています。そもそも『封神演義』が好きだったのですからこの世界に惹かれているのでしょう。 妲己は怖す…

『殷周伝説』太公望伝奇 横山光輝

『殷周伝説』とだけ観ていたので読んでみて『封神演義』の世界だったので驚きました。(これ恥ずかしいことですかね)(殷なんだから紂王だと気づくべきでしたかね) とにかく藤崎竜『封神演義』大好きなのでこの事実に嬉しい驚きでした。 諸星大二郎『無面…

『時の行者』横山光輝 その4 最終巻まで

ネタバレしますのでご注意を。 「吉宗の倹約政治の巻」 八代将軍政宗は度重なる火事の後始末に追われていた。 それでなくとも吉宗が将軍の座に就いた時幕府の財政は借金だらけであったという。 吉宗は木綿の服を着、赤胴と鉄だけの刀を持ち食事も質素にして…