ガエル記

散策

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『時光代理人』#8「信念」

子どもに害をなすものは絶対許さない。 徹底的な正義感が心地よいです。 まあネタバレというのかなんなのか。ご注意ください。 通常畜生に用いる、っていやまさにこういう酷いことをする人間に用いてこそです。 あれで真人間に戻れたのだからおばさんも幸運…

『クエシパン (Kuessipan)』ミリアム・ヴェルー

2019年製作カナダ映画です。 監督のミリアム・ヴェルー氏はたぶん白人女性でここで描かれているイヌーの一員ではないと思われます。 が、原作と共同脚本のナオミ・フォンテインはイヌーの女性で、監督は彼女の小説を読み感動して映画化にあたったと記されて…

『クローブヒッチ・キラー』ダンカン・スキルズ

2018年公開映画。監督のダンカン・スキルズDuncan Skilesは検索してもほとんどよくわからずとにかく長編映画はこれのみでスティーヴン・キングから賞賛されたということらしい。 これまではテレビドラマ制作をしていた新人監督と思われます。 などと調べたの…

『ガリーボーイ』ゾーヤー・アクタル

実を言うとそこまで大感動したわけではないのですがこれまで観てきたインド映画で一番しっくりきたことを記録しておこうと思います。 音楽にというよりも女性の描き方がなかなか良い、と感じたのでした。 主人公はヒップホップに夢中になる男性ですがそのガ…

『悪魔がみている』ロモーラ・ガライ

原題は『AMULET』監督・脚本はロモーラ・ガライ。 記憶していない名前だったので検索してみたら凄い美女が出てきて驚きしかも俳優だったので???となったのですが単純に美人女優さんが本作の脚本・監督になったという経緯でした。 この記述自体が本作とも…

『八甲田山』森谷司郎

日本人を知るため最も観るべきしかも面白い映画は何かと聞かれたら私は迷わず『八甲田山』と答えます。 今観ると猶更この映画は日本人の特性を描き切っていると感じます。 何度も書いてきた気もしますがネットでタイトルを見かけ再び書きたくなりました。 ネ…

『時光代理人』#7「消えた息子」

『時光代理人』どの話も人間関係、親子や友人・恋人などの深い愛情を題材にしているのは中国作品ならではなのか、悲しい話でも暖かさがあります。 これは日本・韓国ものなら憎しみ・嫉妬・復讐などが描かれるような気がします。それもまた面白いかもですけど…

『田辺聖子十八歳の日の記録』田辺聖子

田辺聖子さんが数えで18歳の年日本は終戦を迎えました。この本ではその昭和20年4月から22年3月までの日記が掲載されています。 18歳の田辺聖子さんの文章は誰にも見せないつもりで書かれたであろう日記にもかかわらず巧みな筆致ですばらしい。 「大阪大空襲…

『トニー滝谷』市川準

私は年齢的にリアルに村上春樹の処女小説から読むことができた、という他にはないほどの体験を持ちながら同時に共感しないまま現在に至っています。 彼の小説の良さ、というか何を描いているのかがまったく呑み込めないままできたのですがこの映画を観て初め…

『ノマドランド』クロエ・ジャオ

テレビ放送があってからかなり経つのにやっと観る気持ちを奮い起こしました。こう思った人は結構多いようでレビューには「重く辛い内容かと懸念していたのに実際は違っていた」と書かれているのが散見されます。 この映画は主演のフランシス・マクドーマンド…

『ポーラー・エクスプレス』ロバート・ゼメキス

2004年製作アニメーション映画。キャラクターはトム・ハンクスをはじめ俳優たちのモーションキャプチャによって描写されています。 この類のアニメは日本では馴染みにくいのが常識になっています。そのためもあってか今まで評判を聞いたこともなく私自身最初…

『時光代理人』#6「手合わせ」

番外編、ということでしたがまったく違う話というわけでもなく見ごたえあるなかなか良い話でした。 いつものことで他の方のレビューを見たのですが勘違いしている人が多く、内容を把握してもらうのは結構難しいのだなと確認しました。 いやいやそんなに困難…

『ヴィジット』M・ナイト・シャマラン

やっと普通に面白い映画にたどり着きました。といっても岡田斗司夫氏推薦で観たっていう実情ですが。さすがにその価値ありました。そしてマジでシャマラン監督追いかけてみようと今更ながら思い始めました。 以下ネタバレしますのでご注意を。 岡田氏のシャ…

『森蘭丸』小林桂三郎

1955年製作。八住利雄脚本。主人公森蘭丸を演じたのは中村扇雀(四代目・坂田藤十郎)織田信長は山村聡。 観たいと思う作品が何も見つからず、試しに観てもすぐ嫌気がさしてしまう中アマプラで偶然見つけたこのタイトルに「へえ?」と訝しさを感じながら観始…

『トップガン』トニー・スコット

あちこちで(山田先生と岡田さんですが)そのタイトルを聞いて観たくなってしまいました。 まったく内容を覚えていなかったのですが少なくとも今まで2回は観たようです。なぜならかつてブログ記事書いてたようなので。 feiyuir.seesaa.net この時はティム・…

『新・平家物語』溝口健二

退屈するかと思いきや案外面白く観てしまいました。 なんといっても冒頭の巷を俯瞰する長回しが圧巻なのですがそれだけではなく、というか全編で観られる家屋、風景、衣装、調度品そして立ち居振るまい言葉遣いを追っていくだけでも興味深い。 1955年・昭和3…

岡田斗司夫ゼミ#428「ホワイト社会を生き延びろ!〜『いいひと』戦略」

live.nicovideo.jp 久しぶりに岡田斗司夫ゼミをとりあげますがもちろんいつも見てというか聞いていました。(というか最近一年前の岡田ゼミに関する記事がいきなり爆アクセスされて驚いたことがあったのですが、いったいなぜだったのか) 普段の岡田さんの話…

『時光代理人』#5「告別」

#4から続く。 非常に考えさせられる作品です。 ネタバレしますのでご注意を。 ここ最近のコンテンツを観ているとほんとうに「時間」が題材になっているものが多い。 それだけ人々が後悔していることが多いのだろう。 「あの時ああしていれば」「あの時こう…

『永遠の831』神山健治

wowowにて鑑賞。wowowオリジナルなので当然ですが。 神山健治の名前は私にとっては攻殻機動隊なのでこれも当然かなりの期待を持っての鑑賞だったのですが最初から最後まで一部の隙もないほどの酷い内容だったので逆に驚いてしまいました。 wowowで前哨戦とし…

『タコピーの原罪』タイザン5(ファイブ)

「衝撃の・・・」とか「最高に面白い」とかの称賛で試しに読んでみてもなかなか読み進むことができなくなってしまったのは私がすっかり年老いてしまったからなのでしょうか、と思わされるこの頃。 この作品は珍しく現在公開されている第9話までしかも止まら…

『マルホランド・ドライブ』デイヴィッド・リンチ

2001年製作。 考えてみたら私にとってデイヴィッド・リンチほど最初からずっと観続けてきた映画監督はいないのかもしれません。 そこまでマニアックに映画を追いかけている人間ではないのですが偶然リンチ作品は出世作となった『エレファントマン』からの『…

『時光代理人』#4 「告白」

確かにこれは見ごたえありました。 ネタバレしますのでご注意を。 山の中の学校、崩れそうなほど古い建物、トキが次々とアクシデントを起こしても「大丈夫、歴史は変わらない」というヒカルの判断。 そうしたことがすべて「皆死んでしまうから」だったという…