ガエル記

散策

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『わるいやつら』野村芳太郎

以前だったら絶対観ない気持ち悪い映画なのですが野村監督シリーズで鑑賞しました。 のつもりだったのですが昭和の見本を描いたような映画として見ごたえありました。 情念と呼ぶのか不気味な男女の愛憎劇が今観ると不思議な感情に思えてなりません。男女の…

『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT” at Tokyo Dome』

自分が日ごろ選んでいる作品とは大きく違っていたので不思議な感覚でした。 ネタバレしますのでご注意を。 私はSFやミステリーが好きな世界でアイスショーはそういう世界観と波長が合うと思いますがこの作品は羽生結弦氏の私小説的(と思わせる)内容でした…

『疑惑』野村芳太郎

初鑑賞と思っていたら途中で記憶が蘇りました。昔観た時はまったく興味がわかなくてそれで観たことすら忘れていたのですが今回鑑賞でこんなに面白かったのかと呆れました。たぶん子どもだっただけですね。 ネタバレしますのでご注意を。 前回の『事件』とほ…

『事件』野村芳太郎

あまたある映画の中から観たいものを探しても見つからず。何故かこの作品にたどり着いてしまいました。 他の映画は冒頭で飽きて観ることができなかったのになんとなく観てしまいました。 と言っても本作はかつて多数受賞している映画でレビューも良いので当…

『Ⅹファイル』その8

シーズン1ep24「三角フラスコ」 シーズン1最終回です。 ネタバレしますのでご注意を。 『Ⅹファイル』の本道「地球外生命体」ストーリーです。 変な話ですが私は「地球外生命体」はほとんど興味がありません。『Ⅹファイル』が好きなのにその本道には興味…

『Ⅹファイル』その7

シーズン1ep23「ローランド」 ネタバレしますのでご注意を。 大学の掃除夫として働いているローランドはいわゆる知的障碍者なのだが実はどの学者たちよりも優れた頭脳を持つ天才で停滞していたか問題を解決しさらに発展させていく。 この回を観て思い起こ…

『Ⅹファイル』その6

シーズン1ep18「奇跡の人」 一般批評としては平凡なのかもしれませんが私としてはとても記憶に残った作品でした。 アメリカで宗教というものが社会と密接であるのを教えてくれたからです。今となれば見慣れてきたようにも思えますがたぶんこのドラマで最…

『超傑作選 ナンシー関リターンズ』

実はナンシー関氏の名前は知っていたのですがご存命の時にはまったく読んでおらず亡くなってから少しずつ読んだような次第です。 というのは氏が書かれていた題材がTV業界のことがほとんどなのでその世界にまったく興味のなかった私には無縁のもの、と思い込…

『Ⅹファイル』その5

『Ⅹファイル』第一シーズンep17「E.B.E 」 本作の基本ストーリーである地球外生命体Extraterrestrial Biological Entityに本格的に迫った回になります。 ネタバレしますのでご注意を。 モルダーの仲間のようなというかそれ以上の「オタク」たちが登場する…

『Ⅹファイル』その4

シーズン1ep13「海の彼方に」 スカリーの父親が急逝します。 その時にスカリーは父の幻影を見てしまうのでした。 ネタバレしますのでご注意を。 極めて現実主義のスカリーが霊的な力に引き寄せられ揺れ動いてしまう回です。 今回登場する殺人犯はすでに死…

『Ⅹファイル』その3

『Ⅹファイル』といえば日本では説明に「超常現象を扱った」と出てきます。 「超常現象」は「パラノーマルフェノミナン」と英訳されます。この言葉から連想されるものはオカルト的霊的なものですが『Ⅹファイル』はむしろ現実的に進行していきますし、基本が「…

『Ⅹファイル』その2

Ⅹファイル続行中。今これ以上興味を惹くのを見つけきれない。 『Ⅹファイル』の特色は様々にあるでしょうがその一つが「本格的な〝男女”バディもの」だと思います。 この〝男女バディもの”という定義は人によって多少変わるかもしれませんが私にとっては「主…

『Xファイル』クリス・カーター

唐突に『Xファイル』シーズン1始まりから鑑賞しています。どこまで続くかは未定。 1993年から製作された作品なのでほぼ30年前の作品ですが今のところ現在の感覚とほぼ変わらない気がしています。 (それは私が年を取ってからの時間経過だからでしょうか。20…

『タミー・フェイの瞳』マイケル・ショウォルター

主演ジェシカ・チャスティンが本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞した、などという記憶はまったく残っていなかったので「いったいなにこれ」という鑑賞でした。 冒頭から主人公が何やらとんでもない事件を起こしたことが表されしかもその人がとんでもなくケ…

『キャシアン・アンドー』その6

この物語を操作しているふたりモン・モスマとルーセン・レイエルです。 モン・モスマを中心にまたルーセンを中心にして物語を作ることもできたはずですがチンピラのキャシアンを中心にしたことが本作の面白さですね。 そしてキャシアンの母マーヴァを主人公…

『キャシアン・アンドー』その5

無事『アンドー』に戻ってまいりました。 いやなに「登山モノ」は逃げるわけではなし興味がなくなったわけではありません、というかこれからは意識して観ることができます。と言っても「登山映画」がそのまま傑作であるのは稀有でもあるとも気づきました。 …

『薔薇の名前』ジャン・ジャック・アノー

「登山モノ」を集中的に観ていくと言っておきながらのいきなりの本作ですがwowow放送でついTV鑑賞してしまって語らずにはおれなくなりました。 とはいえ本作は私にとっては「登山モノ」への憧れと恐怖に通じるものがあります。 それは未知なるものへの憧れと…

『フリーソロ』エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ/ ジミー・チン

まだ『キャシアン・アンドー』再鑑賞終わっていないのですがどうしても我慢できず本作『フリーソロ』鑑賞に切り替えました。 いきなり何?って感じですが(今まであまりこういうことはないのです)実はここんとこ突然YouTubeでゆっくり動画にはまっていて歴…

『キャシアン・アンドー』その4

やはり再鑑賞すると少しわかってきます。 特に始まりはディエゴを知っていた私もちょい入りにくい感じがしたしエピソードが単調に感じたのですが2度見るとまったくそんなことはなくてメチャクチャ面白くて2度見る退屈はまったくない。一度でこれが味わえた人…

『キャシアン・アンドー』その3

再鑑賞始めました。 どーせ一二度観なおしたからと言ってすんなり頭に残るわけじゃないのはわかってます。 少しはつかめているでしょうか。 『アンドー』しかし凄い作品です。 私は思いきり『スターウォーズ』世代でep4最高ですが『ローグワン』そして『ア…

『キャシアン・アンドー』その2

ついに続きを観ることになりました。 多くの人が絶賛する本作ですが予想以上に面白く久しぶりに手に汗握る感覚を味わいました。 キャシアンを演じるのはディエゴ・ルナ。 彼は私にとってかつてはガエル・ガルシア・ベルナルの友人という位置づけだったのです…

『火狩りの王』その3

wowowオンデマンドにて#5#6鑑賞しました。 ネタバレしますのでご注意を。 前回でも書いたように極めて女性的に物語が進行していきます。 他の方のレビューを見ると思ったとおりに「つまらない。これが宮崎駿だったら最初からアクションシーンで観る者を…

『肉弾』岡本喜八

なんと書いていいのか困っています。これは観方を間違えてしまうとまったく違う答えというか真逆の評価をしてしまいそうだからです。 つまり私たちはこの男にそのまま共感してはいけないのですね。 この男は「馬鹿」なんです。 「こう生きてはいけない」とい…

『弟とアンドロイドと僕』阪本順治

本作の感想とか考察とかを書けるような能力はないので鑑賞だけで記録は止めておくかと思ったのですがとにかく鑑賞はしました。 ネタバレしますのでご注意を。 他の方のレビューを見ても「難解だ」「わからなかった」の言葉が並ぶのですが同時に幾つかの「で…

『 ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』マーク・カズンズ  その2

何故私たちは映画を観るのだろう。 私は映画に何を求めているのか。 私はたぶん「自分が知らない世界」を知るためなのだろう。 などといえば狭い小さな世界に住んでいる私にとってはほとんどすべてが知らない世界なのだけど。 都会そして田舎、異国の地異国…

『 ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』マーク・カズンズ

私が観たのはDVDではなくwowowオンデマンドですが。 映画好きなら自分の『ストーリー・オブ・フィルム』を作ってみたくなるのではないでしょうか。 私もそれなりに作れるのではないかと自負しますw しかしこの落ち着いた語り口で次々と素晴らしい映画そして…