ガエル記

散策

『Ⅹファイル』その6

シーズン1ep18「奇跡の人」

一般批評としては平凡なのかもしれませんが私としてはとても記憶に残った作品でした。

アメリカで宗教というものが社会と密接であるのを教えてくれたからです。今となれば見慣れてきたようにも思えますがたぶんこのドラマで最初に認識したように思えます。

胡散臭いおっさんおばさんではなく容姿の良い若者が信者の病を治し人気者となっているというのが他と違う点でありますがそれはこの若者こそがキリストの再来だという仕掛けになっているからでした。

そういう思わせぶりもアメリカドラマとしてはよくある話のようなのですが私はかなり驚いてしまったのでした。

 

『Ⅹファイル』のような地元地元に密着した現象が起きる物語は必然的に社会の様々な物事を映し出していくことになります。

ep14「性を曲げるもの」ではアーミッシュをep19「変形」ではネイティブアメリカンを。

しかしネイティブアメリカンの話はいつも胸がふさがります。本作は30年前の作品だから・・・と思いたい。

そして保安官が『ツインピークス』の保安官と同じ方ではないですか。再会できて嬉しいですがこうしたところにも彼らへの不平等を感じてしまいます。

 

ep20「闇」は環境問題と年輪年代学と政府への不信を扱う。

 

これらすべてが日本のドラマでは扱われない題材です。

沖縄問題、アイヌ問題、在日問題、原発問題などをこうした一見お遊び的オカルトドラマで取り上げるだけでなく核心に迫っていくものはかつては少しあっただろうか。

アニメではあるかもしれないけど。

(日本ではマンガアニメだけがすべてのはけ口になっているようだ)