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『咬竜-風雲児黒田如水伝ー』横山光輝

『ジャイアントロボ地球の静止する日』に引き続き横山原作アニメを見ようと予定していたのですがどうしても観続ける気になれずマンガに戻ってきましたw 横山マンガに限らず原作を愛した者はアニメには失望するきらいがあるとは思いますが横山作品は特に甚だ…

『平家物語』横山光輝 その3

ネタバレしますのでご注意を。 少し話が戻る。 以仁親王(もちひとしんのう) 源三位入道頼政(げんさんみにゅうどうよりまさ) この顔、横山マンガの晩年によく出てくる。良いキャラです。 驕る平家と戦おうという声が上がり僧侶が立ち上がるが「格下の寺と…

『平家物語』横山光輝 その2

それほど書けることはないのだけど少し書きます。 ネタバレしますのでご注意を。 『平家物語』を読んで平家贔屓側として思うのはなんといっても「なぜあの時頼朝の首を討ちとってしまわなかったか」という清盛の言葉そのままだ。 もちろんそれはそれで仇討的…

『平家物語』横山光輝 その1

横山光輝『平家物語』読み始めました。 まだ途中なので言えるのは 馬が小さくて可愛い(今までは大きく美しい馬を描き続けてきた横山氏が本作では「らしい感じのする」小型馬をしっかり描かれているのに感服しました) 私自身が源平合戦なら圧倒的平家贔屓な…

『風盗伝』横山光輝

昨日の『血笑鴉』の真逆のような作品。 ネタバレしますのでご注意を。 昨日の『血笑鴉』のカラスが己の欲望を満たすために人殺しを続け女を抱き長生きしていくのに対し本作『風盗伝』の武造はひとりの女性だけを好きになり戦ってもどうにもならないのを知っ…

『魔界衆』横山光輝 その3

こ、これはどうなんだろう?この場面の前に兵馬と話していたからうっかり口調が残ってしまったのか。 幸村がわざと口真似したのかとまで思ったけど、そんな感じでもなく。 普通に「そんなことは人間にはできない」でいいはず?佐助が言ったとも思えずw ネタ…

『魔界衆』横山光輝 

何も知らず読了。 なんという面白さ。驚きました。参りました。凄い。 タイトルの下に「横山光輝時代傑作選」と書かれているので短編集かと思っていました。そのくらい何も知らなかったのですが。 ebookでひとつだけのレビューがついていて悪評になっていま…

『織田信長』横山光輝/原作:山岡荘八 その2

読了しました。 ネタバレしますのでご注意を。 横山光輝戦国時代シリーズ(1980年代以降において)『徳川家康』『織田信長』『伊達政宗』『武田信玄』『武田勝頼』『豊臣秀吉』これは年表順に書いたが読んだのは順不同だった。(実はあと一作『平家物語』が…

『織田信長』横山光輝/原作:山岡荘八

横山光輝戦国原作ものは一度味わったらやめられない。永久に続けてほしいと無理な願いを持ってしまう。 ネタバレしますのでご注意を。 織田信長。一番気になる人物なので後に残していた感がある。 常に鮮やかにこの国の人々の心を騒がしてきた男だ。 といっ…

『豊臣秀吉』横山光輝/原作:山岡荘八

秀吉の話はさすがにもうよく知ってるだろうと思っていたのですが本作の中身はまったく知らない話ばかりでした。 いや歴史もの知らないのでアタリマエなんですが。 信長様はいつ見てもかっこいいです。 ネタバレしますのでご注意を。 読み始めて半分ほどなの…

『元禄御畳奉行の日記』上その2&下 横山光輝/原作:神坂次郎

上の途中から続きます。下まで行けるか。 ネタバレしますのでご注意を。 タイトルのとおりこの日記が書かれたのは元禄時代。元禄時代と言えば江戸時代でも最も文化華やかなりし頃というイメージと同時に綱吉の「生類憐みの令」という行き過ぎた悪法が人々を…

『元禄御畳奉行の日記』上 横山光輝/原作:神坂次郎

電子書籍で見つからなかった横山作品のタイトルをamazonで見つけてしまうと注文するしかないではないですか。 しかも本書の紹介文の冒頭が 武芸も役目もそっちのけ、本当の元禄武士は酒と艶の浮世三昧だった…!? とは昨日「横山光輝は武将を選択し名もなき人…

『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その2

魅力的な人物を描いてくれたものだと思う。 ネタバレしますのでご注意を。 まだすべて知ったわけではないのだけどここまで読んできた作品でおおまかにいえば横山光輝は戦いの歴史を描いてきた。そしてそれが大きな人気を呼んだと思う。『鉄人28号』しかり『…

『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その1

読了してから書いています。同じく横山光輝著『徳川家康』を先に読んでいたのはとても良かった。 ネタバレしますのでご注意を。 これはいわば「もうひとつの徳川家康と忠輝と秀忠」ともいうべき作品なのだ。 ドラマ『如懿伝』を観て『瓔珞』と比較したことが…

『武田勝頼』横山光輝/原作:新田次郎 その2 読了

読了しました。 ネタバレしますのでご注意を。 信玄が作り上げた最強の軍団が短期間で恐ろしいほど崩れ落ちていく。 おおよそ9年の間、勝頼27歳から36歳の死亡で壊滅する。 私はほとんど武田家の話を知らないので本作によってのみの感想になるのだけど勝頼の…

『武田勝頼』横山光輝/原作:新田次郎 その1

横山光輝歴史もの、読み始めると止まらなくなる。物凄い中毒性ある。 ネタバレしますのでご注意を。 神の如き威力を持った武田信玄の死後の武田軍。信玄の大きな失敗は後継者を明確にしていなかったことだった。 当然跡を継ぐべき嫡男勝頼は今も最強の武田軍…

『長征』(上下) 横山光輝

『長征』1973年(昭和48年)3月~12月「ビッグコミックオリジナル」連載の初単行本(2004年)すでに廃刊になっており古本にて購入しました。 先日書いた『横山光輝超絶レアコレクション』横山光輝 その3「長征」とは違う作品です。(作品の舞台は同じです)…

『武田信玄』横山光輝/原作:新田次郎 その2

ついつい一気に読んでしまいました。 マンガで最初勢いよく面白いのにだんだんつまらなくなっていくのはよくあることですが本作は逆で進むごとに面白くなっていきます。 原作ありだからこそかもしれませんが横山先生も後に行くほど面白いと思われての漫画化…

『武田信玄』横山光輝/原作:新田次郎 その1

気になる人物なのに今まで特にその人生を知らずにきた武田信玄。横山光輝氏マンガで読めるなら一挙両得と読んでみました。 ネタバレしますのでご注意を。 先日読んだ山本勘助が勿論出てくる。が、主人公だった時はすごい男前だったのがここでは不細工男とし…

『横山光輝超絶レアコレクション』横山光輝 その3「長征」

資料:岡本隆三『長征』 横山光輝著単行本上下の『長征』というマンガ作品があります。これも現在廃版で古本としてしか購入できない状態です。 本作の中に同タイトルの作品があったので驚いてしまったのですがこれは45pで無論別の内容です。 単行本の方は…

『狼の星座』横山光輝 その4

ついに最終巻です。ネタバレしますのでご注意を。 章嘉ラマの寺に逃げ込んだ健作。寺と言ってもそこは一国の城のように壮大なものだった。 健作は大僧正に礼を言い自分を救い出すために死んでいった者たちを取り戻し手厚く葬りたいと願い出る。 その為には義…

『狼の星座』横山光輝 その3

ネタバレしますのでご注意を。 部下たちを遊ばせてやろうとした健作は街中で警察に逮捕されてしまう。 部下たちは金貨四千枚の賄賂で健作を救い出した。 外へ出た健作は初雪の夜、山中で凍った河を渡る。 そして谷間を進む千匹以上もいる狼たちの群れを見る…

『狼の星座』横山光輝 その2

『狼の星座』横山光輝

横山光輝『狼の星座』は今現在デジタル化もされておらず古本でしか買えない状態のようでやむなく自分も古本購入。 ネタバレしますのでご注意を。 時は明治末。(ゴールデンカムイと同じ頃か)主人公大日向健作は新潟の田舎で生まれたが幼い時に大病を患い生…

『伊達政宗』原作:山岡荘八/画:横山光輝 その3

物語というのはそれが小説にしろマンガにしろ映画にしろ魅力的な人物をいかに描いていくかにあると思いますが本作の伊達政宗は確かに秀逸にキャラ立ちしています。 ネタバレしますのでご注意を。 勇猛果敢でありつつ人を食った智謀も持ちしかも容姿端麗なれ…

『伊達政宗』原作:山岡荘八/画:横山光輝 その2

ネタバレしますのでご注意を。 とにかく伊達政宗をまったく知らなかったのでこんなに面白い人だと思わなかった。 それは幼少期の教師である虎哉禅師による教育の賜物なのだ。虎哉禅師は幼い政宗をみて「素直すぎ繊細過ぎる」と感じる。「武将の条件は豪快さ…

『光る君へ』その1

久々にNHK大河ドラマを観る気でいます。 自分が観る気になると低視聴率になってばかりなのでとても申し訳ないのですが仕方ない。今まで好きで観たものが『平清盛』『いだてん』と思い切りワーストなのです。 しかし『真田丸』も好きだったので今回なんとかそ…

男性社会の中の女性たち

www.nhk.or.jp とても興味深い内容でしたがその中でも特にはっとなった箇所がありました。 ―氷室さんとは、公私ともに交流がおありだったのですね?萩尾「ええ。氷室さんと一緒に小学館漫画賞の審査員に選ばれたことがあって、男性審査員が多い中で女性審査…

『エリザベス』『エリザベス:ゴールデン・エイジ』シェカール・カプール

『ブーリン家の姉妹』に続きこの2作品鑑賞。順番的に合っています。 こちらも何度となく観ています。この時代のイギリスはほんとうに面白いです。 (イギリスだいたいおもしろいですが) なんといってもエリザベスを演じたケイト・ブランシェットを眺めてい…

『ブーリン家の姉妹』ジャスティン・チャドウィック

何度目かの鑑賞です。 華やかに美しく簡潔で解りやすい作品でもあるのでつい観てしまう。 いかにもヘンリー八世を思わせる横幅たっぷりの豪華な衣装にも見惚れます。 本作はタイトル通りブーリン姉妹の物語なので王はむしろ狂言回しとも言えます。 王と言う…