ガエル記

散策

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ペインレス」フアン・カルロス・メディナーこれよりも日本社会の無痛覚さのほうが怖ろしい、と考えてしまう情けなさー

相変わらず日本のポスターはてんこ盛りレイアウトじゃなければ気が済まない、というデザインになっています。 どうして上ふたつのようなシンプルなデザインにするのが嫌いなのか、幕の内弁当スタイルが大好きなのか、まずここでいつも日本人のセンスに落ち込…

「平家物語」ー恕ーという大切な気持ちを考えて欲しい

www.nhk.or.jp 先日放送されたNHK「100分de名著」の「平家物語」第4回「死者が語るもの」で、とても面白く興味深いことが語られていました。 有名な熊谷直実が平敦盛を討つ場面です。 直実が討とうとした武将がまだ子供だったことに気づいて我が子が怪我をし…

「レイプもセックスだと思ってた」性を教えることの大切さ

wezz-y.com wezz-y.com この二つのリンクは前編・後編でつながっています。 実はリツイートで後編の「レイプもセックスだと思ってた・・・」から読んで記事にしようと思ったのですが、前編があったのに気づいて順番で並べました。 だけどもしかしたら前編の…

「わが征くは星の大海」そして銀河英雄伝説・本伝 26話

2017年、NHKで放送された「ニッポンアニメ100」より 第13位だったそうです。 毎週アニメのテープが通販で届くという販売形式だったといいます。昔の人間ですがやったことはないのでちょっと驚きです。 銀河英雄伝説アニメは1988年から始まっているのです…

「銀河英雄伝説」田中芳樹そして旧アニメに限る

【教えて下さい】アマプラで『銀河英雄伝説』を観ようと思っているのですが、どの作品から視聴するのがベストでしょうか?当方、この作品を全く観たこともなく、原作も読んだことがなく、予備知識は一切ありません。詳しい方がいらっしゃいましたら、教えて…

カンヌ映画祭パルムドールおめでとう!ポン・ジュノのかつての映画「殺人の追憶」が好きでした

パルムドール受賞作品「パラサイト」ポン・ジュノ監督 ポン・ジュノ監督がカンヌ映画祭の最高賞を受賞と聞いてなんだかすごく嬉しかったのです。 韓国映画に一時期凄くはまったことがあります。 韓国ドラマは観ていないのですが、映画は凄く面白かったのです…

安全ピンじゃなく鉄拳で

ツイッターをやってるのですが、このところ私のタイムラインは「安全ピン」の話で持ち切りです。 「安全ピン」がどうかしたのかと思われるでしょうが「痴漢に遭った時の防御のために手のひらに安全ピンを隠しておき触られたらそれで刺せ」というマンガのツイ…

「胎児のはなし」増﨑英明・最相葉月-後半の後半ー  母乳の認識をしましょうという話

また昨日に戻りますが全編を通してもこの「疫学でがんを防止する」という話はこの本の最も重要な部分でしょう。 しかしその話は少し間違えば大変な事態になることも示唆しています。 昨日も書きましたが妊婦が、がんのキャリアであることを告げることで本人…

「胎児のはなし」増﨑英明・最相葉月-後半の前半ー

さて「胎児のはなし」続き第六章から行きます。 その前に第五章の最後「膣を通るとき肺胞液を絞る」はとても映画的な説明です。それまで液体の中で酸素を得ていた胎児が生まれた途端に肺で呼吸をする。そのために肺がスポンジ状になっていて界面活性剤である…

「胎児のはなし」増﨑英明・最相葉月-前半ー

ミシマ社です。 全編、おもしろい興味深い話がいっぱいでした。 まずは表紙の軽やかな絵に安心して入っていけますね。この絵がマジだったりするとちょっと抵抗あるかもしれませんし、お二人の話自体が軽やかなのでこの絵がぴったりであると思います。 内容に…

『ノーマル・ハート』ライアン・マーフィー Amazon Prime Video

HBO制作のネット配信映画です。 HIV感染は現在では治療薬もあるのですが1980年代のアメリカ(日本は無論のこと)では未知の病であったのです。 私が記憶しているのは日本にも情報がきたものの「死に至ってしまう怖ろしいホモの病気」ということで半分笑いの…

『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(百田尚樹・有本香)ナンゾコレ

実は少し前に『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(百田尚樹・有本香共著)という本を読んでいました。買ってはいません。 あの『日本国紀』(百田尚樹著)は読んでいませんが(いつか機会があれば読もうとは思ってはいます。買いたくはありませ…

「ピカルディの薔薇」津原泰水-ピカルディの薔薇ー

金子國義の装丁・装画がすばらしく内容と相まって世界を作り上げています。 「ピカルディの薔薇」は同タイトルの著書の七編からなる短編集の中の二話めですが、やはりどうしてもここで一度書き留めたくなってしまいました。 以下ネタバレ含みますのでご注意…

「ピカルディの薔薇」津原泰水 なんという出会い!

すみません。例の事件(見城という人のやつ)でお名前を知り、何となく気になって探したら、このような本を見つけてしまいました。 ちょっと読んで「うわあ」 まさかこのような方の本があんな事件になってしまうとは。 いったいどこでどんな出会いがあるか、…

「さらざんまい」6話まで 幾原邦彦

「さらざんまい」6話まで来ましたね。楽しみに観ています。 といっても感度の鈍い人間なので最初は「それほどでもないような」などと思っていたのですが、次第に何度もリピートしないと生きていけない体になってしまったという中毒患者にありがちな道を辿っ…

半世紀前の離婚を後悔しているというのなら

読売新聞 今日5月18日の人生案内です。 これを読んで「いったいこれは本気で相談しているのだろうか?」と驚きました。 悩み事相談というのはほぼ酷い目にあっている人の相談なわけです。 この相談主自身も酷い目にあっている、という認識でこの相談をしてい…

日本の俳優の演技が下手だということを考えてみました

岡田斗司夫さんのニコ生で凄く気になった言葉があります。(しょっちゅうではありますが) それは「日本の俳優の演技は下手で見る気がしないが宮崎駿監督のアニメの演技は素晴らしいんだよね」(おおよそこういう感じでした)というものでした。この言葉を聞…

「南京!南京!」陸川 ー絶対観るべき映画ですー

「ココシリ」の鮮烈な映像で陸川監督の名前は記憶に残るものとなっていました。 その陸川監督が日本軍による南京大虐殺映画を製作したと聞いてすぐ驚くとともに早く観たいと期待したのですが、日本での公開はなくDVDにもなっていないと言います。 中国での公…

「ローズの秘密の頁(ページ)」ジム・シェリダン

wowowにて鑑賞。何も知らずに見始めたのですが何気なくテレビ放送で観てしまうような内容ではありませんでした。素晴らしく美しい映像と複雑に組み込まれた構成の優れた映画でした。 主演はヴァネッサ・レッドグレイブです。私が描いたマンガの主人公・アレ…

10代の頃の読書~続き~

10代の読書、ということで当時のベストセラー本を顧みております。 実を言うと私はベストセラーというので本を買ったことが(たぶん)ないのであまり意味はない、と思っていたのですがこうして過去を振り返るとやはりいろいろなことが思い出されて面白いもの…

10代に読んだ本は人格を形成します。

若い頃の読書は貴重です。年を取ってからの読書だった貴重ですが、若い頃特に10代に読んだ読書(漫画も含む)は一生の考え方に大きく影響してしまうものです。 何も読んでないという人だって別のことで学び影響を受けるのだと思いますが。 私が10代の頃とい…

「空母いぶき」佐藤浩市の反逆意識

昨日に引き続き「まだ見ていない映画論」 が、言いたいことは昨日と真逆の作品情報で俄然観たくなった!のです。 それは映画「空母いぶき」です。 ツイッターのトレンドに佐藤浩市が上がっていたので知ったのですが、彼はこの映画で安倍晋三首相と思しき総理…

「岬の兄妹」兄が売春すればいいんじゃないか?

どうしてこういう映画っていつも「ダメな兄」と「良い妹」の組み合わせなんだろう。 その組み合わせがすでに日本の男女関係をそのまま映し出しています。 映画を観てはいませんが作品情報を見てうんざりしムカムカしました。 「極貧でどうしようもないクズの…

あの人は変わった、と思うこと

最近よく思ってしまうのが「かつて良きと思った人がいつの間にか変わってしまった」ということです。 これも年を経たものだから感じてしまうことですが、若い頃に尊敬できる人だと思っていた人物が十数年、或いは何十年か経って近況を知ると以前とすっかり変…

森茉莉「甘い蜜の部屋」を映画化するなら

森茉莉「甘い蜜の部屋」は日本の文学において素晴らしい異端児だと思います。三島由紀夫氏はその世界を称賛されたそうですが、なんとなく普通のおじさんたちには理解できない世界だと思われます。 男性社会からは逸脱した才能から生まれたこの作品を埋もれさ…

日本のアニメがダ・・・

昨日書いた「日本映画がダメすぎ」論、悪口というのは書きだすときりがないのです。というか、悪口だけなら何でも言えるし火がついてしまうのですよね。 映画と言いつつアニメばかり、なのですが、そのアニメも危機感を持ってしまうのですよね。 というのは…

日本の映画がダメすぎて存在忘れてた

邦画はダメになった、と言われて久しすぎる。 日本映画、というといまだに世界に冠たる我が国の雄、と言って黒澤明・溝口健二・小津安二郎と並べ出す。判るけど、自分も好きですけど今その名前が一番先というのはやはり悲しい。むしろもうその方々は殿堂入り…

「女ぎらい~ニッポンのミソジニー」上野千鶴子

これは初読ではなく何年かぶりの再読でありました。 最初読んだときも面白く読んだとは思うのですが、続けて上野氏の本を探して読もうとは思わなかったというのはあります。そして今読み返してみるとさすがに何年かの蓄積が年配者の私にもありまして「あの時…

「甘い蜜の部屋」森茉莉

とても不思議な小説です。よくある少女の願望の世界のようでいて他には決してないものなのです。 日本の小説と言うのは西洋のものに比べて貧相で物足りなく思うことが多いのですが森茉莉世界はそんな日本文学とはまったく異質であるように思えます。この独特…

最後の講義「石黒浩教授」 NHKドキュメンタリー

石黒浩教授。以前TVでやはりロボットについての番組でお見かけしたのですが、その時は他の方のロボット説明に気を取られてしまい、、というのは正直あまり印象に残らなかったのです。 なのに今回録画して観てみようと思ったのは如何なる心理だったのかよくわ…