ガエル記

散策

ドキュメンタリー

『曖昧な未来、黒沢清』藤井謙二郎

なんとなく観てしまいました。 黒沢清監督『アカルイミライ』のメイキング作品です。 遠い昔に観たように思います。 と言っても2003年製作なのでそんなに昔でもないのか。 私としては期待して鑑賞したのに思っていたのと違った、感があったような気がします…

『演劇2』想田和弘

2まで観たらつまらないかもと思っていたのですが、こちらのほうが面白かった、というのは想田監督ドキュメンタリー前にも同じこと書いた。 1より2が面白いというのは凄いことではないか。 特に本作はほんと人々が話しているのを延々観ている感じなのに面白…

『演劇1』想田和弘

演出家平田オリザ氏のドキュメンタリーと知って鑑賞。 この記事を書くためにスタッフを見て監督がこの前から感心していた想田和弘氏と解って驚きました。そうだったのかーどうりで面白かったのですね。 ネタバレしますのでご注意を。 演劇も映画も好きなわり…

『選挙』想田和弘

続けて想田和弘監督ドキュメンタリー作品鑑賞。 なんの政治経歴も意志もない40歳男性が突然川崎市議会議員補欠選挙に自民党公認候補として選挙活動する様を観察していく。 いわゆる落下傘候補の彼のおたおたと奮闘する姿が映し出される。 なんかもうすべて泣…

『精神0』想田和弘

『精神』のその後。長年精神を病む患者さんに人生を捧げてきた山本昌知医師が80歳を過ぎて引退を決意する。 前回の「その後」まで観なくてもいいかなと思ったのですがこれは絶対観てよかった。 これまでドキュメンタリーで様々な人々が取り上げられてきた時…

『精神』想田和弘

アマプラでなんとなく見つけなんとなく観始める。 ただただ映し続けていく感じ。観察映画というらしい。 精神科診療所「こらーる岡山」の医師・山本昌知氏と患者さんたちそしてそこで働く人たちの姿・声を撮り続けていく。 ネタバレしますのでご注意を。 や…

『A2』完全版 森達也

『A』のその後。 なんだろうこのごたごた感は。つまり世の中はごたごたしている、っていう話ですか。 あの恐ろしい事件を起こした教団と彼らを追い出そうとする住民たち。 しかし争っている間に奇妙な友情(?)みたいなものが生まれてくる。 いきりまくって…

『A』森達也

オウム真理教について知ることも考えることも辛いのだけど鑑賞しました。 1995・6年ごろが撮影された時期、ですね。 あの恐ろしい事件後首脳部が抜けた教団をまとめている男性・荒木浩氏は純朴そうにしか見えないのが奇妙でもあります。 そして彼らに群がる…

『主戦場』ミキ・デザキ

いきなり『主戦場』の配信が表示され慌てて観てしまいました。 が観始めてすっかり時機を逸してしまった感が心に迫ってきたのは否めませんでした。 この配信もさらに遅れてはますます観客が離れてしまうことを恐れての判断なのでは、と考えます。勿論それは…

『世界で一番美しい少年』クリスティーナ・リンドストロム、クリスティアン・ペトリ

この数年価値観、感覚や意識の移り変わりが激しく目に見えるようです。 私の幼い頃もしかしたら今でも「アイドルになれるのは憧れ」という価値観がありそこに導かれるのは幸運でありアイドルにしてあげるのは「感謝されるべきこと」だったのではないでしょう…

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』イーブス・バーノー

トルーマン・カポーティ、日本ではどれほど知られているのだろう。 と言ってもあの村上春樹氏が特別にお気に入りで新翻訳本まで出しているほどだからハルキストなら知っているはずではある。読んでいるかはわからないが。 (春樹氏は同時にフィッツジェラル…

『いわさきちひろ~27歳の旅立ち~』海南友子

私はつい先日までの長い間いわさきちひろ氏のあまりにも綺麗な子どもの絵に疑問を持っていて好きではありませんでした。 純真で穢れなく激しい感情を出さない無表情なこどもだけがちひろ氏の理想として選択されているのかと感じていたのでした。 そしてこれ…

『ジェームズ・ボンドとして』

アマゾンプライム無料鑑賞期間が残り4時間を切ったようですのでお急ぎください。 2022/03/14で20時を過ぎました。 とはいえ映画自体を観鑑賞の方はご注意を。 ネタバレします。 偶然007を演じる前にダニエル・クレイグを好きになっていたのですがその原因…

『決定版!SF映画年代記』第4回 Time「タイムトラベルへの扉」

画像は映画『タイム・マシン』です。 タイム・トラベルという題材は現実にあり得なく馬鹿々々しいと思うのですが同時に人間性を問える興味深いものでもあります。 どの時代どの時間に行くのか何を見ようとするのか何を変えようとするのか。地球そのものか、…

『決定版!SF映画年代記』第3回 Robots 「われらはロボット」

第3回 Robots 「われらはロボット」 こちらはわたしにとってもとても興味のある題材です。ここではロボットだけではなく人造人間そして人間自体が機械になる世界が紹介されていきます。 ネタバレしますのでご注意を。 ロボットはまだまだ現実生活に密着して…

『決定版!SF映画年代記』第2回 Invasion「異星人との遭遇」

第1回でも2回でも出演されているなんとなく日系かなと思われる人物ですがなぜか名前が出てこなくて誰?と思って調べたらミチオ・カク(加來 道雄)という名前の理論物理学者のかたでした。思った通りの日系アメリカ人のかたでした。んもう、名前出してよね。…

『決定版!SF映画年代記』第1回 Space「宇宙 最初の開拓地」

アマゾンプライムにて鑑賞中。 レビューにはSFマニアの方々が酷評しておられますね。 まだ見始めたばかりで自分自身どう思うかはまだわからずですが(先日の件もあり)今のところなかなか面白いです。 ルトガー・ハウワー、リチャード・ドレイファスとSFファ…

『なぜ君は総理大臣になれないのか』大島新

Netflixにて鑑賞。 小川淳也氏の名前は知ってはいたけど改めて映像で観てこの日本でこんな生き方、政治活動をしている人がいるのかとただもう感心します。愛情深い家族の貢献も胸を打つものがありました。 しかしここでタイトルの『なぜ君は総理大臣になれな…

『私の名はパウリ・マレー』ジュリー・コーエン, ベッツィ・ウェスト

1910年に生まれたパウリ・マレーは黒人であることで人種差別を受け、女性として生まれたことで性差別を受け生涯にわたってそれらの差別と闘い様々な功績を残しながらもあまり語られてこなかった存在でした。 むろん私はこのドキュメンタリーで初めてパウリの…

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』

wowowにて鑑賞。 フェミニズムがまた大きく語られている時に観ると特に面白く興味深いドキュメンタリーなのではないかと思います。 ツイッターなどのSNSもあって社会で起きる様々な事柄に様々な人の評価が伝播していきます。 地方の一女性が自分の意見を公に…

「偽りの“神の手” 旧石器発掘ねつ造事件」 そして今も医学論文の捏造?

NHK「アナザーストーリーズ」再放送視聴しました。 この事件についてはその報道自体が2000年だったこともあって記憶にありますし、その後にも見聞きしたりネット検索したこともあったくらいには興味を持った事件です。 この事件を知って最初に思うのは「確か…

『れいわ一揆』原一男

思いがけず見つけたアマゾンプライムでのレンタル(課金)にて鑑賞しました。まさかこんなに早く観ることができるとは思っていませんでした。 一月万冊を見ている者としては映画館での鑑賞もしくはせめてDVD購入したいのですが借金ありの貧乏人なので配信レ…

『金日成の子供たち』キム・ドギョン

アマゾンプライムにて鑑賞。ドキュメンタリー映画です。 アマプラで偶然見つけての鑑賞でした。 非常に質の高さを感じさせるドキュメンタリー映画です。 大きな感動を覚えたにもかかわらず「事実なのだろうか?」という疑問が湧いてきてしまったのも正直な気…

『マダム (Madame)』ステファン・リトゼール

場所はスイス。裕福な家庭に生まれ育った青年が恵まれた幸福な成長期の中で自分がゲイであることに気づきながらも皆が言う「普通の男性」であろうとしながらついにゲイであることを確認し家族に告白する過程を追っていったドキュメンタリー作品です。 なんと…

森喜朗と野口英世

www.nhk.jp 現在はどうなのでしょうか。私たち50代世代ならほとんどは教科書で彼の業績を読んだ記憶があるのではないでしょうか。 貧農に生まれ幼い時に片手に重度の火傷を負ったが人々の善意で手術を受けることができたゆまぬ努力で科学者となり黄熱病の…

モーリス・ベジャール振付≪第九交響曲≫『ダンシング・ベートーヴェン』アランチャ・アギーレ

アマゾンプライムにて鑑賞。 モーリス・ベジャール振付によるバレエ『第九交響曲』東京公演。東京バレエ団とベジャールバレエ団そしてイスラエルフィルハーモニーの共演となる舞台の練習風景のドキュメンタリーです。 まったく期待せず少し覗いてみよう程度…

パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト

パコ・デ・ルシア、素晴らしい音楽でした。 スペインの映像を観ているだけでも気持ちが良くなってくるのはどういうわけでしょうか。いいなあ。 映画『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』予告編 しかしフラメンコ奏者が憧れる歌手はやはりロマなのですね。 …

『ネバーランドにさよならを』ダン・リード

大好きだったマイケル・ジャクソンを偲び安冨歩著『マイケル・ジャクソンの思想』を読んで彼の解析を学ぼうとしている時にこのドキュメンタリーを観るのはどうなのだろうかという迷いはありました。 ネタバレしますのでご注意を。 この映像は二人の白人男性…

『湾生回家』黄銘正(ホァン・ミンチェン)

戦前の台湾で生まれ育った日本人たちのことを湾生(ワンセイ)と呼ぶのだそうです。 1895年から1945年までの50年間、台湾は日本の統治下にありました。そこで生まれた日本人の子供たちにとっての故郷は台湾なのでした。 日本の敗戦によって日本人たちは台湾…

『シッコ』マイケル・ムーア

アメリカ&日本での公開は2007年なのですでに13年が経過しての初鑑賞です。 アメリカ医療制度は変わったのでしょうか? 日本での反響は少なかったということですね。まあ、自分に関係ない話、としか思えないので当然でしょうし、ドキュメンタリーとしてのやり…