ガエル記

散策

横山光輝

『史記』横山光輝 ⑭ 再読

ちょいと駆け足で参ります。 ネタバレします。 前181年に起こった日食は呂后の心に大きな不安を与えた。 呂后は灞睢のほとりに祭壇を作り厄払いを行ったその帰りに青い犬に咬まれるという奇妙な夢を見た。占い師によるとそれは如意様の祟りと出た。 如意は戚…

『史記』横山光輝 ⑬ 再読 第3話「後継者争い」第4話「呂后専横」

これは男としてどうかと思うんだよなあ。 ネタバレします。 劉邦は秦軍と戦っている時定陶で手に入れた戚姫を溺愛していた。 やがて男子が生まれ如意と名付けられる。 皇帝となってからも都を留守にする時は常に戚姫が付き添っていた。 その間、呂后は后とは…

『史記』横山光輝 ⑬ 再読 第1話「淮陰侯韓信」第2話「禍、これより始まらん」

ここからは事後処理という感じでちょっと辛い話になりますねえ。 ネタバレします。 前202年、劉邦は諸侯の要請で皇帝の位につき「高祖」と称し洛陽を都とした。 (洛陽!やはり都は洛陽だよねえ) 劉邦は韓信への論功行賞で悩んでいた。 劉邦の天下取りは韓…

『史記』横山光輝 ⑫ 再読 第3話「四面楚歌」

「四面楚歌」横山項羽好きになれないけどさすがにここに至ると心が動くよね。 ネタバレします。 項羽に滎陽、成皋を取られた劉邦だが関中で軍を立て直し再び東進を開始した。 そして滎陽、成皋の奪回に成功した。 その頃、項羽は彭越を追っていた。彭越は劉…

『史記』横山光輝 ⑫ 再読 第1話「背水の陣」第2話「離間の策」

ネタバレします。 間もなく敗走した漢軍を集めて韓信も滎陽城に入ってきた。 頼ってくる劉邦に韓信は平地が多いこのあたりでは戦車戦が有利として作らせた。 十万の項羽軍が現れた時にも韓信は自信を持って出陣したのである。 劉邦は昇華が韓信を「国士無双…

『史記』横山光輝 ⑪ 再読 第1話「国士無双」第4話「睢水の合戦」

中国映画で男たちがやたらと屈辱に耐えながら股をくぐってるのが謎だったんだけどこれを読んで意味がわかりました。 ネタバレします。 韓信。淮陰(江蘇省)の貧しい平民に生まれ容姿も見栄えしなかった。生年月日は不明。 若い頃は学者の門下生となり勉学に…

『史記』横山光輝 ⑩ 再読 第3話「鴻門の会」第4話「咸陽炎上」

ネタバレします。 劉邦は首都咸陽に入った。そして豪華な咸陽宮に目を奪われた。 宝物殿そして後宮の美女を見て劉邦は「ここで暮らす」と喜んだ。 だがこれを樊噲と張良によって反対されてしまう。「良薬は口に苦けれど病に利あり」と言われどちらにも手を出…

『史記』横山光輝 ⑩ 再読 第1話「函谷関への道」第2話「関中一番乗り」

かなり来ましたねえ。 もう何度も「函谷関」という言葉が出てくるたびに「函谷関もものならず~♪」という歌が流れて来て困る。 さて楚軍は項羽、劉邦などに分かれて秦軍と戦っていたが定陶城にいた項羽の叔父・項梁は作戦が上手くいかず夜襲にあって壊滅的打…

『史記』横山光輝 ⑨ 再読 第3話「劉邦亭長」第4話「馬と鹿」

やっぱりどうしても劉備玄徳のご先祖様と思いながら読んじゃうよねえ。 そっくり、そっくりだから。 ネタバレします。 最初から面白い。そろそろ三十歳なのに家業の農業は大嫌いで酒と女が大好き。 ん、いや玄徳はそこまではなかったかも。さすがご先祖様だ…

『史記』横山光輝 ⑨ 再読 第1話「農民王陳勝」第二話「項羽立つ」

やったあ、陳勝呉広まで来た。 革命だあっ ネタバレします。 始皇帝が最初の皇帝ならば、陳勝は最初の農民一揆の指導者である。 蘄県大沢郷(現在の安徽省宿州市埇橋区)数日の豪雨で通行不能となっていた。 陳勝・呉広ら農民たちは辺境守備のため駆り出され…

『史記』横山光輝 ⑧ 再読 第3話「始皇帝ー2-」第4話「趙高の陰謀」

ネタバレします。 前213年、始皇帝は咸陽宮で大宴会を催した。この宴会が歴史に残る事件の引き金となった。 始皇帝は四十六歳で絶頂期であった。 七十人の博士たちが次々と祝いの言葉を述べた。 始皇帝は上機嫌で聞いていた。 ところがひとりの博士の言った…

『史記』横山光輝 ⑧ 再読 第1話「保身の術」第2話「始皇帝ー1-」

秦の始皇帝の話が続きます。 ネタバレします。 現在「保身」と言うと卑怯で嫌な奴が使う意味合いがほとんどだと思うが、王翦将軍のそれは見習いたい保身である。 秦は韓、趙、魏と滅ぼし着々と天下統一の地固めをしていった。 残るは燕、斉、楚である。 燕、…

『史記』横山光輝 ⑦ 再読 第3話「刺客荊軻」

秦の侵攻の前に諸国は国の存亡をかけて青息吐息であった。 燕もその一つで太子丹を人質に差し出し服従の意を示そうとした。 太子・丹は趙の人質になった時には秦王政と仲良く遊んだという思い出があった。 きっと秦王は自分を幼馴染として大切にしてくれるだ…

『史記』横山光輝 ⑦ 再読 第1話「嫪アイの乱」第2話「我れ鳥獣にあらず」

13歳の始皇帝。めっちゃクールで頭がよくてかっこいいのである。 ネタバレします。 十三歳の政が秦王となる。 呂不韋の囲い者から荘襄王の妃となって政を生んだ母は「母太妃」となった。 そして呂不韋は相国(丞相より上位)となり「仲父」と呼ばれる。こ…

『史記』横山光輝 ⑥ 再読 第3話「主を震わす者」第4話「奇貨居くべし」

魏の信陵君・無忌は七代目安釐王の腹違いの弟である。身分を問わず人を大切にしたので人望があり食客の数も三千を数えた。 魏には頭痛の種が一つあった。 それは魏の宰相・魏斉が范雎が斉と通じていると勘違いし拷問の末便所に放り込んで辱めたことである。 …

『史記』横山光輝 ⑥ 再読 第1話「嚢中の錐」 第2話「老いの野望」

ネタバレします。 戦国の四公子のひとり、平原君趙勝は趙の恵文王の弟で恵文王と孝成王の二代に仕え三度宰相をつとめ多くの食客を抱えていたので有名である。 紀元前262年、秦は再び趙に攻め入り国都邯鄲を包囲。趙は懸命に防戦し両軍の攻防は九か月に渡った…

『史記』横山光輝 ⑤ 再読 第2話「長平の合戦」第3話「便所の屈辱」

怖い表紙絵です。 ネタバレします。 天下制覇を狙う秦の猛将・白起の物語。 白起はまさに連戦連勝の将軍だった。数えきれないほどの城を奪い同時に数えきれないほどの首を奪った。 白起の行く所、敵はいなかったのだ。 趙はこの時七代孝成王の時代となってい…

『史記』横山光輝 ⑤ 再読 第1話「刎頸の友」

肩にかけているだけで痛そうであります。 ネタバレします。 戦国時代末期、秦は商鞅の強国の策が実り天下を狙って他国を侵攻し始めた。 特に毛翔・白起の率いる秦軍の行くところ敵はなく紀元前293年には韓・魏連合軍を伊闕に破り二十四万の首を奪り大地を…

『史記』横山光輝 ④ 再読 第3話「食客三千」

別にいいんですけどあの「食客三千人」の表紙としては不気味ではありませんか。 ネタバレします。 「食客三千人」の逸話はさすがに知っていたけどその生い立ちに驚いた。 斉は薛の領主・田嬰は多くの側室を持ち四十余人の子供がいた。その側室のひとりが五月…

『史記』横山光輝 ④ 再読  第2話「鬼謀奇策」

昨日楽毅に攻められた斉側のお話です。 ネタバレします。 斉の湣王による強引な領土拡大に反発した燕・趙・魏・韓・楚による連合軍は斉水の西で斉軍を撃破した。 超・魏・韓・楚はその大勝利で満足し引き上げたが斉に深い恨みを持つ燕は斉を滅亡させるために…

『史記』横山光輝 ④ 再読 第1話「先従隗始」

「まず隗より始めよ」 のお話です。 ネタバレします。 中国大陸は弱肉強食の戦国時代に突入した。 太公望を始祖とする斉も第二十九代康公で血筋が途絶え田氏が支配する田氏斉となった。 第五代目湣王の頃には新都天下を二分する強国となった。 この物語書き…

『史記』横山光輝 ③ 再読 第4話「業因強国策」

商鞅の話です。 ネタバレします。 戦国時代、秦は思い切った国政の改革を行い超大国にのし上がった。その基礎を作ったのが商鞅である。 商鞅の本名は姓は公孫名は鞅で衛の側室の子である。 商鞅は若い時から政治学を学んだが衛ではその学問を生かす場所がな…

『史記』横山光輝 ③ 再読 第3話「孫子の兵法」

孫武は良いんだけど孫臏がねえ。 心痛む。 ネタバレです。 春秋時代末期と戦国時代にかけてふたりの優れた兵法家がいた。孫武とその後裔の孫臏である。どちらも兵法書を残したため不朽の兵法書『孫子』はどちらの書かと諸説がある。 現代ではどうやら孫武の…

『史記』横山光輝 ③ 再読 第1話「因習打破」 第2話「改革者の悲劇」

なんか恐ろし気な表紙ですが読むと想像以上に怖ろしい、はずです。 こんなことあるか~??? ネタバレします。 春秋時代、大国・晋であh六人の大夫の権力闘争が起こり、魏・韓・趙の三氏が勝ち、晋を三分した。この頃からを‶戦国時代”という。 魏は生き残…

『史記』横山光輝 ② 再読 第2話「臥薪嘗胆」第3話「呉の滅亡」

以前も書いたかもですが不思議な表紙絵です。臥薪と嘗胆を描いていますね。 ネタバレします。 冒頭に「呉と越は黄河流域の中央から離れていたため南方の蛮地と見られていた」と書かれている。 『三国志』で妙に孫権の呉が仲間外れ的なのはそのせいだったのか…

『史記』横山光輝 ② 再読 第1話「復讐の鬼/前編後編」

伍子胥の物語です。 横山光輝『史記』の中でも特に印象が強かったものでした。 この表紙絵からして骸骨の前で鞭を持って立つ壮絶さが描かれています。 ネタバレします。 春秋時代(戦国時代)始まる。 楚の二十七代平王(在位紀元前528~516)は横暴な…

『史記』横山光輝 ① 再読 第3話「 驪姫の陰謀」第4話「漂泊の覇者・文公」

紀元前666年頃からのお話です。 ネタバレします。 第十九代晋の献公は異民族の驪戎を征伐し驪姫とその妹を捕らえ側室としたのだった。 この物語はその驪姫の陰謀、という話として描かれているが現在の感覚で言えばむしろ復讐譚なのではないだろうか。 まあど…

『史記』横山光輝 ① 再読 第2話「名宰相・管仲」

「管鮑の交わり」と呼ばれる友情譚です。 ネタバレします。 紀元前667年以降の話である。(紀元前だよ!) 前667年、斉の桓公は周王より伯(覇者)を賜る。 この斉というのはあの太公望が周の軍師となりその功績によって与えられた国である。 横山光輝『殷周…

『史記』横山光輝 ① 再読 第1話「司馬遷」

読み返したいなあと思いがつのりようやくもろもろ一段落したので再読します。 ほくほく。 ネタバレします。 この偉大な歴史書を編纂した人物・司馬遷の物語から始まる。 私は今思い返すと「司馬遷は宦官だった」と記憶していたのか「去勢されていた」とだけ…

『三国志』再び 横山光輝 六十巻 完結

ネタバレします。 三国志英雄たちがいなくなりここからわずかに姜維ひとりが魏と蜀両方を相手にもがき続ける煉獄のような状況となっていく。 もう事細かに記すことはせずに残りの時間を見て行こう。 楊儀は出世できずに不満を噴出し魏に走ろうかと口走ったた…