ガエル記

散策

横山光輝

『殷周伝説』太公望伝奇 その7 横山光輝

これは哪吒。やはり哪吒はかっこいい。 戦いの申し子。中国ものでは珍しい少年神。 まったく物怖じしない我が儘者であるのも少年らしい特色かな。 ネタバレしますのでご注意を。 うーむ。朝歌にいる者たちは紂王の悪政を肌身に感じているが遠くなればなるほ…

『殷周伝説』太公望伝奇 その5 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 文王姫昌は漁民たちの歌を聞いて慄く。それは賢人でなければ作れない歌だったからだ。その歌は堯帝の故事を歌ったものであった。 文王がさらに進むとまたも不思議な歌を歌っている樵たちに出会う。その歌は誰が作ったのかと問…

『殷周伝説』太公望伝奇 その4 横山光輝

おおっ、これは太公望ポーズ・釣り。 でも記事はもう少し前からになっています。恐ろしいエピソードで有名なアレです。 ネタバレしますのでご注意を。 さてさて皆さまの怖ろしいトラウマになっている伯邑考ハンバーグのエピソードが始まりました。 姫昌の母…

『殷周伝説』太公望伝奇 その3 横山光輝

これは四巻の表紙です。記事は三巻の終わりほどからです。 ネタバレしますのでご注意を。 崇侯虎を除く三大諸侯は紂王に対し上申書を出すが紂王はそれを読む気などはなく三人を謀叛者として処刑を命じた。 これに反論された紂王は仕方なく上申書を読むがます…

『殷周伝説』太公望伝奇 その2 横山光輝

二巻から書いていきますが実際は面白すぎてずっと先を読んでいます。 あまりにも素晴らしく好きになりすぎてわくわくときめきが抑えきれないほどになっています。そもそも『封神演義』が好きだったのですからこの世界に惹かれているのでしょう。 妲己は怖す…

『殷周伝説』太公望伝奇 横山光輝

『殷周伝説』とだけ観ていたので読んでみて『封神演義』の世界だったので驚きました。(これ恥ずかしいことですかね)(殷なんだから紂王だと気づくべきでしたかね) とにかく藤崎竜『封神演義』大好きなのでこの事実に嬉しい驚きでした。 諸星大二郎『無面…

『時の行者』横山光輝 その4 最終巻まで

ネタバレしますのでご注意を。 「吉宗の倹約政治の巻」 八代将軍政宗は度重なる火事の後始末に追われていた。 それでなくとも吉宗が将軍の座に就いた時幕府の財政は借金だらけであったという。 吉宗は木綿の服を着、赤胴と鉄だけの刀を持ち食事も質素にして…

『時の行者』横山光輝 その3

さて続きます。ネタバレしますのでご注意を。 「佐倉騒動の巻」佐倉藩の城主・堀田正信は夢の中の悪霊に苦しんでいた。行者の噂を聞いた家臣は悪霊を追い払ってくれるよう頼む。そして毎度ながら行者を消してしまおうと企むがまったく落ち着き払って対処し去…

『時の行者』横山光輝 その2

ネタバレしますのでご注意を。 冒頭すぐ、十年前に野盗から救ってくださった偉い行者様が再び現れたとして農家の人達から感謝される少年。 貧しいのにご馳走を並べてくれる。 が、織田信長から「怪しい行者がいるらしい。しょっぴいてこい」と命じられた侍た…

『時の行者』横山光輝

ずっと気になっていた横山光輝『時の行者』ついに読み始めます。 過去に少しだけ読みかじったことがあるのですがどんな話なのか、さっぱり判っていません。さてどんな物語なのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 ということでいきなり全編のネタバレ…

『史記』第十五巻 横山光輝

ついに最終巻となりました。名残惜しい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「呉楚七国の乱(前編)(後編)」 14巻で登場した晁錯の物語から始まる。 文帝は古代からの政道を記した尚書(書経)を学びたいと思い尚書を知るただ一人の生き残りを求めたが当…

『史記』第十四巻 横山光輝

呂后凄いな。どんな男の話より恐ろしい。 とはいえこれを言っちゃおしまいだけど本当なのかな、という気はする。 中国の悪女伝説多すぎでそのほとんどが凄惨すぎ。呂一族を抹殺するための劉一族の言い訳で呂后を極悪女に仕立てたのではないかと思ってしまう…

『史記』第十三巻 横山光輝

珍しい横山作品の女性表紙しかもふたりも。と喜んではいられない悲惨な構図。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「淮陰侯韓信」 前202年、劉邦は諸侯の要請で皇帝の位につき「高祖」と称し洛陽を都とした。 劉邦は皇帝になるためにあれほど多大な功績をあ…

『史記』第十二巻 横山光輝 その2

第2話「離間の策」 陳平の物語。 とにかく陳平のお兄さん陳伯が良い人である。弟の才能に期待して自分一人で年中働き僅かの金も陳平の勉学に回していたという。凄い。どうしてそこまで弟に期待できたのか。しかもこの弟、こともあろうに兄嫁と密通している。…

『史記』第十二巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第1話「背水の陣」 劉邦は五諸侯を味方にし、五十六万という大軍で東進を開始した。だがわずか三万の楚軍に撃破され、命からがら滎陽城に逃げ込んだ。 まもなく敗走した漢軍を集めて韓信も滎陽城に入ってきた。 劉邦は最も惨め…

『史記』第十一巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第1話「国士無双」 韓信物語。 韓信のまたくぐり、と言えば有名なのだろうけど実を言うとよくわかっておらず今になって「ああこういうことだったのか」と納得した次第です。 香港映画などでなにかというとまたくぐりをさせて相…

『史記』第十巻 横山光輝

第1話「函谷関への道」 昨日も書いたのですが本作読むまで私は勝手に項羽と劉邦のイメージを作っていて項羽=すらりとした長身イケメン、劉邦=ずんぐりしたすけべのんべおっさん、と思い込んでいたのですが本作でその虚像は崩れ落ちました。 まあまああくま…

『史記』第九巻 横山光輝

ここからさらに面白くなっていきますね。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「農民王陳勝」 始皇帝が最初の皇帝ならば、陳勝は最初の農民一揆の指導者である。 前209年、日雇い農夫の陳勝と呉広は辺境の守りに徴用され漁陽へ向かう途中大雨で足止めをくら…

『史記』第八巻 横山光輝

秦の始皇帝の話だから絶対おもしろい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「保身の術」 戦国四大名将のひとり王翦の物語。 朝議において、楚王は「大国・楚を討つにはどれほどの兵力が必要か」と将軍たちに問いかける。 名将・王翦は「六十万」と答え李信…

『史記』第七巻 横山光輝

第1話「嫪毐の乱」 昨日の続き。 呂不韋の一世一代の大勝負は破格の大勝となる。趙の人質となっていた秦の公子・子楚を救い出し秦の王とした。 呂不韋はこのてがらにより丞相に封じられた。 だがこの荘襄王は在位三年でこの世を去った。 そして十三歳の政が…

『史記』第六巻 横山光輝

第一話「嚢中の錐」 第二話「老いの野望」 第三話「主を震わす者」 第四話「奇貨 居くべし」 呂布韋の物語です。 趙の都・邯鄲で呂布韋はひとりの若者に目を止めた。 来ている衣服は貧しいが身分のあるお方に見えるのだ。 側の者は「あのお方は秦の人質の子…

『史記』第五巻 横山光輝

この絵も謎絵ではないだろうか。とげとげ鞭が痛そうだ。 ネタバレしますのでご注意を。 第一話「刎頚の友」 刎頚の友の言葉はさすがに知ってたけどこんな話だったのかあ。 ますます変な関係の図に見えますな。 とはいえ物語はまず秦の猛将・白起がいかに勝利…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その4

ネタバレしますのでご注意を。 夜中、文竜・武虎小屋で仲良く並んで寝てる。遠くで戦の退却の合図がしている。 小屋から覗くとどうやら敗れたのは魏軍で兵士たちが傷を負って逃げていく。 それを黒づくめの宋の騎馬隊が追いかける。 そこへ目を傷つけたらし…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その2

第二話。本作品のヒロインたる武虎ちゃん登場。汚い世界に真っ正直なブコちゃんがいてくれたから救われた。主人公文竜もそう言ってる。 ネタバレしますのでご注意を。 夢中で読んだ本作ですが読み終わるといろいろと面白かったり残念だったりという思いがあ…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先

辻真先原作の横山マンガです。作品はまったく知らなくてどんなものなのかと興味津々での購入でした。 まだ『史記』の途中なのですがなかなか歯ごたえある作品なのでちょっとこちらに息抜きという感じで寄り道してみようと思ったらあまりにも意表を突く面白さ…

『史記』第四巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第一話「先從隗始 先ず隗より始めよ!!」 あの有名な「先ず隗より始めよ」の語源を描いたものですが多くの日本人が思う話ではないのが面白い。 たぶんほとんどの日本人解釈は「大変なことをやろうとする時は自分からはじめる…

『史記』第三巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第一話「因習打破」 これは『三国志』で孔明が南蛮国平定からの帰途河に生贄を捧げる(あっちでは数十人だった)悪習をやめさせるために肉饅頭を代わりに捧げる、という話の元になったものではないでしょうか。 こちらでは西門…

『史記』第二巻 横山光輝 「臥薪嘗胆」

なんかすごく不思議な絵である。 「臥薪嘗胆」の意味が解らない人はこの絵の意味をどう思うのだろうか。 ネタバレしますのでご注意を。 楚の平王が亡くなり父と兄の仇を討つことができなくなってしまった伍子胥は平王の屍を墓から引きずり出して鞭打つ。 次…

『史記』第二巻 横山光輝

二巻は伍子胥巻です。この伍子胥だけではなく『史記』はまったく知らなかった私ですが最近になって知った「鳥人間」さんのYouTubeでこちらを見まして(聞きまして)特に伍子胥は読みたいと思っておりました。 www.youtube.com 鳥人間さんありがとうございま…

『史記』第一巻 横山光輝

驪 『三国志』の後読もうと思っていてちょっと遠回りしましたがついに読み出します。わくわくしますなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 「第一話 司馬遷」 その『史記』の執筆者である司馬遷の物語です。 司馬遷の父。司馬談は一流の学者でありながら農耕…