ガエル記

散策

『三国志』再び 横山光輝 七巻後半から八巻冒頭

呂布。横山三国志の中で一番女に弱い豪傑。

女に弱いと言うべきなのか、女に優しいと言うべきなのか。

女にとことん冷たい玄徳とどっちがいいのか。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 


ほんとはこんなデザインじゃないよね???すごくかっこいい孫堅軍船

孫堅軍を待ち受けるのは荊州の(見なかったことにしておこうの)劉表。まずはその第一戦の大将江夏城の城主黄祖であった。

孫堅の軍船を発見して合図を送る。

というので気づいたけど、ここまで横山三国志で有名な「ジャーンジャーン」はあったんだっけ。(なかったような。あっても控えめだったのか)

この合図を機に大将黄祖孫堅軍船を迎え撃つ。

というので思い出したけどある頃から映画でこうした弓矢攻撃がCGの使用で空を覆うように飛ばすというのが定番になったように思えるけどあれはいつだれの映画が最初だったのか。自分自身は張芸謀チャン・イーモウ)の『英雄』なんだけど。違う??

 

孫堅孫策父子

 

対する黄祖。かなり頑張ったが孫堅の奇策によって大敗してしまう。

この報を受けた劉表は驚くが難攻不落と言われる襄陽城に立てこもり持久戦となる。

 

時が経ち風の強い時期となった。その時「帥」と書かれる大将旗の竿が風で折れてしまった。兵士たちは不吉な予感を覚え孫堅に引き揚げを促したが孫堅は意に介さず戦い続行を命じた。

一方劉表側では天文官が星を観て孫堅に凶兆があると占った。

そしてその占いが示した通り孫堅劉表が差し向けた呂公らによる落石によって命を落とす。

孫堅三十七歳だった。

 

長安では董卓が栄華を極めていた。王城をしのぐ豪華な城を築き八百人の美女を後宮に入れ天下の財宝を集めた。

気に入らぬものがいれば呂布にその首を斬らせて宴会で皆の見せしめにし権力を恣とした。

その長安で天子の行く末を案じ涙する人がいた。かつて曹操に宝剣を渡して董卓討伐を望んだ王允であった。

悲しむ姿を見て貂蝉が問いかける。貂蝉は赤子の時に奴隷として王允に買われた身であったが実の娘のようにかわいがられた恩を返したいという思いが強くあるのだった。

 

王允から理由を聞いた貂蝉は「董卓呂布の仲を裂いてしまえば」と言い出す。

美しい貂蝉は自分の身を犠牲にして董卓呂布の両方を誘惑し仲違いさせてしまえばという策略を講じたのだ。

王允はためらいながらもその策略に乗ったのだ。

 

貂蝉の策略は面白いように進んでいく。

まず呂布を虜にし次に董卓も同じようにしてそのまま董卓に連れ去られる。

それを知った呂布は嫉妬と怒りで王允に怒鳴りこむが上手くかわされ董卓の城へ行くとすでに董卓と一夜を共にした貂蝉に泣きつかれる。ここで何も知らない董卓はいきなり寝室にまで入り込んできた呂布を叱り飛ばす。呂布は動揺しながらも言い訳をして立ち去るしかなかった。(ここでいきなり斬り殺せないのが呂布なのか)

 

呂布董卓があきらめようとすると貂蝉はたくみに話しかけ男たちが自分を諦めたくないと思うように仕向ける。

李儒李儒で知恵を働かせるのだが貂蝉の魅力がそれを上回ってしまうのだ。

呂布の妄想www董卓のスケベ顔がむかつくわ

 

しかしここまでしても呂布董卓に対して恩義を感じてあきらめようともするのだよな。

貂蝉呂布にも董卓にも言いよって事態を操る。

董卓の心変わりで結婚の準備を反古にされ、ついに呂布は怒りを爆発させる。

裏切り者だが女性には一途というべきか。

 

王允呂布董卓への嫉妬と怒りを暗殺への決意にするよう仕向け自ら董卓を討つ計画を立てていく。

ついに呂布によって董卓は討ちとられた。

呂布は動きを止めず董卓の城へ急ぎ李儒をはじめ董卓の兵を討ちとっていく。そしてやっと貂蝉を取り戻したのだ。

貂蝉を自分の屋敷へ送り後始末をつけてから帰ったがその時すでに貂蝉自死していた。

横山先生は呂布をほんとに筋肉馬鹿として描いているようだ。

それはそれで男らしい可愛さもあるし嫌いではなかったのかもしれないけど。

 

そしてここに呂布を批評する曹操の言葉が。

そうなんだよなあ。

 

恩義のある董卓を討っても呂布は結局覇権を握れず都を落ち袁術のもとへと身を寄せる。

曹操はこれを聞いて「また世の中は乱れるな」と予想しその通りとなった。

黄巾賊が再び暴れ出したのだ。

朝廷は曹操に黄巾賊討伐を命じ曹操は直ちに行動してあっという間にこれを平らげた。曹操は「鎮東将軍」の名をいただくだけでなくその実力を蓄えていく。

 

ここで曹操は自分を可愛がってくれた父親を我が城に迎えようと考える。親孝行をしたくなったのだ。

この思いが逆に不幸を招きそして様々なめぐりあわせを引き寄せていく。

 

この「曹操の親孝行事件」かわいそうで辛いのですがその後の展開がここから始まっていくので目が離せない。

曹操と玄徳が敵対しやがて親しくなる。そして・・・これは見逃せない。