ガエル記

散策

マンガ

『一度きりの大泉の話』萩尾望都 その6

さて、その後途中まで作業を続けたのですがあまりにも空虚を感じて挫折してしまいました。 前半と同じように一文ずつ批判するのは精神的ダメージが大きすぎます。なので大雑把にやろうと思います。 www.amazon.co.jp 後半は、補記2「汝、頑ななる者よ」と題…

『一度きりの大泉の話』萩尾望都 その5

www.amazon.co.jp 『一度きりの大泉の話』感想はもう終わり、と思っていたのですがもう一度書くことになりました。 というかむしろ『一度きりの大泉の話』感想の感想です。 アマゾンレビューに書かれたレビューです。レビュー者の思いがかなりの長文に込めら…

『一度きりの大泉の話』萩尾望都 その4

一度きりの大泉の話 :萩尾 望都 | 河出書房新社 https://t.co/agqDuNmciJ 数日前に読了。今に至るも余韻が強い。竹宮惠子さんとの切り結びが、ここまで凄まじいものだったとは。確かにこれは外野にできる唯一のことは、萩尾さんの「放っておいてほしい」とい…

『一度きりの大泉の話』萩尾望都 その3

もうこの話は一段落、とおもっていたのですがツイッターで「村田順子さんのブログ」を知りましてその記事をリンクして少しまた書いてみます。 blog.goo.ne.jp 竹宮惠子氏側のかたの目から見た感想である、ということもあり私はなるほどなあと思いました。そ…

『一度きりの大泉の話』萩尾望都 その2

もう少し続けます。 ネタバレしますのでご注意を。 先に書いた文章の中で私は「萩尾望都氏は『十年目の毬絵』で無意識に自分の思いと願望を描いてしまったのだろうか」と書きました。 とはいえ『十年目の毬絵』は1977年にビッグコミックオリジナルに掲載と書…

『一度きりの大泉の話』萩尾望都

他の多くの方と同じように私も一度読み始めたら止めることができず無我夢中で読み続けてしまいました。 そして多くの方と同じように私もこの本より5年前に出版された竹宮惠子著『少年の名はジルベール』を当時に読んでいます。 他の方のレビューを見ていると…

『銀の三角』萩尾望都

たぶん何回かこの作品については書いているはずですが私にはこの作品がまだよくわかってはいないのでまた何回か書くことになるでしょう。 萩尾望都の凄さはどんなに書いても語りつくせることはないのですがキャラクターの創造についてもまた然りです。 昨今…

『陰陽師』岡野玲子 その2

さて続きます。 岡野玲子著『陰陽師』ネタバレしますのでご注意を。 上の画像が岡野著オリジナルキャラクター「真葛」です。 私は原作未読なので夢枕獏氏がそのあたりどう書かれているかは知らないのですが岡野『陰陽師』の紹介でそう書かれており、晴明・博…

『陰陽師』岡野玲子 その1

前回『青天を衝け』の記事で「狐憑きが出てきたので思わず『陰陽師』の管狐を探してそのままはまり込んでしまった」というようなことを書いたのですがマジで数日読み浸っていました。 というのは岡野玲子著『陰陽師』の十巻以降は非常に難解な内容で読みづら…

『ずっとお城で暮らしてる』ステイシー・パッソン、そして『ミーシア』吉野マト

日本未公開でwowowにて初放送という映画作品です。 以下ネタバレしますのでご注意を。 「暴力」を描いた作品です。 感想を書こうとしてなかなか書けずにいた時に別のマンガ作品を読みました。 shonenjumpplus.com とても魅力のあるマンガですがかなり粗削り…

『進撃の巨人』諌山創 The Final Season その1

The Final Seasonアニメも始まりもう一度これまで出たマンガを読みなおしていました。 なお私が読んでいるのは単行本になったものだけで雑誌掲載は読んでいません。 『進撃の巨人』はいろいろな意味でこれまでにない価値のあるマンガ作品として歴史に刻まれ…

『残酷な神が支配する』萩尾望都 その4 『ブッダ』

さて進めます。 今回はついに私が本作で感じた最大の懸念「イアンの存在」を考えていきます。 『残酷な神が支配する』と『ブッダ』のネタバレします。ご注意を。 いったいこの世界に「イアン」はいるのでしょうか? 若く類まれな美貌と恵まれた肉体と豊かな…

『残酷な神が支配する』萩尾望都 その3 さらに『バナナブレッドのプディング』

御茶屋峠 先に進みたいのですがその前にもう一度昨日の言い忘れを(書き漏れというべきか) 萩尾望都『残酷な神が支配する』と大島弓子『バナナブレッドのプディング』は読み込めばもっと共通点が出てくるのでは。 これは萩尾氏が直接真似をしたことなのでし…

『残酷な神が支配する』萩尾望都 その2 『バナナブレッドのプディング』

続けます。 以下萩尾作品と大島弓子『バナナブレッドのプディング』のネタバレしますのでご注意を。 パスワードを手に入れて再読した『残酷な神が支配する』は少しずつ頭の中に入ってきました。 この作品で現実と違ってあり得ない存在は(誰が見てもそう思う…

『残酷な神が支配する』萩尾望都 その1 『キリング・ストーキング』       

『残酷な神が支配する』は私にとって苦い記憶のある作品です。 その苦い記憶とはこの作品の連載当時から私は内容に失望してマンガで最も好きだった萩尾望都を読まなくなってしまったというものでした。 なぜそれほどこの作品に失望したのか。 それは私がそれ…

『キリング・ストーキング』クギ その8

二日間『キリング・ストーキング』読み込んでいました。再読していっそうその卓越した技術に感服するばかりでした。 主人公ふたりキャラが好み的ではないのは変わらないのですがそれでも飛びぬけた魅力があるのを感じます。 ネタバレしますのでご注意を。 見…

『キリング・ストーキング』クギ その7 『残酷な神が支配する』萩尾望都

『キリング・ストーキング』 韓国映画で描かれる過激な残酷性と情愛をそのままにBLマンガに仕立て上げた作品でした。 しかもここでさらなる風味を加えるのが警察官ヤン・スンベです。 彼の存在も(ソウルからやってきた)田舎警察官の下っ端で先輩からいび…

『キリング・ストーキング』クギ その6 『残酷な神が支配する』萩尾望都

続けます。『キリング・ストーキング』と『残酷な神が支配する』の比較評になりますので双方のネタバレになります。ご注意を。 『残酷な神が支配する』の主人公ふたりはふたりとも裕福で片親からとはいえ愛されて育ちました。ふたりとも白人男性であり頭もよ…

『キリング・ストーキング』クギ その5 『残酷な神が支配する』萩尾望都

さて本腰で『キリング・ストーキング』を語らねばと思ってはいるのですがなかなか難しいのです。 今日の比較相手は萩尾望都『残酷な神が支配する』を選んでみました。 以下両方のネタバレになります。ご注意を。 萩尾望都『残酷な神が支配する』と『キリング…

『悲夢』キム・ギドク 『二つのドラマ』手塚治虫 少し『キリング・ストーキング』

たぶん初鑑賞だと思うのですがもしかしたら過去ブログ記事に書いてたら観てるのでしょうw 以下ネタバレしますのでご注意を。 見知らぬ男女の夢がつながっていてその男の夢のせいで女が苦しむ、という不思議な物語です。 この映画を観ていて思い出したのがま…

『嘆きのピエタ』キム・ギドク 『どろろ』

もともとクギ作『キリング・ストーキング』の批評として選んだ『嘆きのピエタ』(未見だったにも関わらず)でしたがこちらのほうだけもう少し。 以下ネタバレしますのでご注意を。 お前を捨てた母親だと言ってイ・ガンドの前に現れた女性ミソンでしたが実は…

『キリング・ストーキング』クギ その4 『嘆きのピエタ』キム・ギドク 

前回の説明どおりかつて心酔していた映画作家キム・ギドク作品でしたが『うつせみ』(私は『空き家』となっていた頃観ましたが)を最後に次第に離れギドク氏の人格にも疑問を抱いてこの作品『嘆きのピエタ』は観ないままでした。 『キリング・ストーキング』…

『キリング・ストーキング』クギ その3 『悪い男』

クギ作『キリング・ストーキング』によってかつて耽溺しその後否定してきた「痛愛」を再び見直そうとしている私です。 「痛愛」というのは今思い浮かんだ言葉です。その言葉ではちょっと足りない「激痛愛」というべきか歪んだ愛の形であり傍から見れば愛とい…

『キリング・ストーキング』クギ その2 『愛の嵐』

『キリング・ストーキング』で久しぶりに心が動いた気がします。キャラのふたりのどちらも好きではないしむしろむかつくくらい嫌いなのだけど嫌いでも心は動されてしまうしどうしようもなく離れられなくなるのです。それは作品中のふたりが互いを思っている…

『キリング・ストーキング』クギ その1

www.lezhin.com 読み終わったばかりで今はぼーーっとなっている状態です。 私が読んだのは紙媒体のほうではなくネットで公開された全編です。 感受性の強い若かりし頃は感動することが溢れていたのですが年を経てから神経は鈍くなりどんな作品を観ても読んで…

「100分de萩尾望都」その4『ポーの一族』

最終項『ポーの一族』です。夢枕獏氏が論じられていました。考察だけでなくなにより夢枕氏の『ポーの一族』そして萩尾望都愛に感動してしまいました。 氏が何度も萩尾氏に『ポー』の再開をお願いされたことでそれが叶ったのであるなら夢枕氏にどれほど感謝し…

「100分de萩尾望都」その3『バルバラ異界』

番組を観る前『バルバラ異界』が取り上げられないのではないかと思って「これが最高傑作なのに」と思わずツイッターに書いてしまったのですが中条氏が選んでくださっていてうれしい限りでした。しかも私と同じように「これが最高傑作ではないか」とも言われ…

「100分de萩尾望都」その2『半神』『イグアナの娘』

続きです。 前回に続きヤマザキマリ氏が語る『半神』と『イグアナの娘』どちらも深い考察で納得でした。 『半神』はリアルタイムで読んで衝撃を受けただけでなく野田秀樹の舞台も観たという私としては珍しい体験をしています。 初めて観た夢の遊眠社の舞台に…

「100分de萩尾望都」その1『トーマの心臓』

録画やっと鑑賞しました。 内容知らなかったので昨日ツイッターで「萩尾望都といえば『ポーの一族』『トーマの心臓』だろうけど私は『バルバラ異界』が最高傑作だと思います」と書いたのですが、ちゃんと番組内で取り上げられていましたね。 中条省平さんあ…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その4

続けます。 山岸凉子他の作品についてもネタバレしますのでご注意を。 タイトルに「完結した」と書いてしまいましたが、山岸凉子という作家においてこの物語は完結したのでしょうか。 山岸凉子ほど自分の内面を見つめ恐ろしい心理を描き抜いた作家はいないと…