ガエル記

散策

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ソロモンの偽証』映画と小説の違い 3

読み進めています。小説を読みこむほどやはり柏木卓也くんの描写がなかった映画版が奇妙に思えます。なぜ物語の最も大切な核心を描かずに映画にしたのでしょうか。 素晴らしい物語をあの形で映画にしてしまったのは悔やまれます。もう一度新しく映画化してほ…

『ソロモンの偽証』映画と小説の違い 2

原作小説読み進めています。少しずつ。 読めば読むほど宮部みゆき原作の面白さ・緻密さに惹きこまれ且つ映画がいかにそうした面白さを抜き取ってしまったカスカスだったのかを思い知らされています。 ネタバレになります。ご注意を。 映画にも良いところはあ…

『ソロモンの偽証』映画と小説の違い 1

まだ読書中ですが、これまでに『ソロモンの偽証』映画設定で原作小説と大きく違う印象を持つ点を挙げてみようと思います。 まずは事件後の学校側特に校長の態度。 私が初回映画鑑賞をして中断した原因の大元は校長の言葉だった、と言ってもいいでしょう。 中…

『ソロモンの偽証』今朝もまた

すこしずつしか読めないでいるのですが、映画版との根本的な違いに唸っています。 はい、映画と原作が違うものであるのは確かですし、双方で問題が生じたわけでない限りそれをどうこう言ってもしかたないのですが、これは先に原作を読んでいて大好きだった場…

『ソロモンの偽証』宮部みゆき 初読み

前後編に渡る超大作映画『ソロモンの偽証』丹念に作られている心意気は判りますがあまりにもがっかりしたので初めて宮部みゆき小説を読むことにしました。 凄く読みやすいので助かります。 なにせ分厚い三冊を読まねばならないので。 そして途中報告です。 …

『ソロモンの偽証』成島出ー映画ー前・後編

録画した『ソロモンの偽証』映画前後編一度チラリ見して冒頭で気が乗らずにやめていたのですが岡田斗司夫さんの過去動画で前半映画上映が「めちゃくちゃ面白かった。後半に期待」というのを見てしまって再鑑賞することにしました。 結果、物凄い疑問が膨れ上…

『ある女流作家の罪と罰』マリエル・ヘラー

これってジョーカー女性版?という言い方は釣りですが。 とても面白く鑑賞しました。こんなに優れた映画作品が日本では劇場未公開です。そういうことですね。 苦くて甘くて眉をしかめつつもくすりと笑ってしまう、そんな映画でした。そういうのは凄い映画じ…

『ミンボーの女』伊丹十三

これは最高に面白かったです!!! 昨日『マルサの女』を見て確かに面白いのだけど性差別表現があまりに酷く感じられて伊丹監督でもこれじゃあなあ、という声を上げたのが聞こえて対処されたかのようにwその5年後に作られた本作はそうした性差別意識など感…

『マルサの女』伊丹十三

物凄い名作という評価であり私自身初鑑賞で面白いと思っていたのにDVD購入をしていなかったのですが改めて観てみてどうしてかが判りました。 以下ほとんど映画のあらすじではなく性的描写についての文章です。映画自体は面白いです。ネタバレというほどのな…

『キングダム・ソルジャーズ -砂漠の敵-』マーク・ミュンデン

先日アマプラで偶然観てしまった『ベイビーブラザー』で久々私的大興奮推奨映画監督となったマーク・ミュンデンのもっと以前2007年の映画です。 最初に観た映画が良かったからと言って必ずしもということはありませんが『ベイビー』の感じからしてあまり心配…

『最後の誘惑』マーティン・スコセッシ

こんな面白い映画だったのか!と唖然として観ました。 何度も観なおしてみたいと思います。 ネタバレですのでご注意を。 裏切り者とされるユダが実はイエスの最も忠実で深い関係にある弟子であり友人であるという解釈は素晴らしいと思えます。 クリスチャン…

フェミニズムを語るのに「ジブリ」を筆頭題材にする奇妙さ

headlines.yahoo.co.jp フェミニズムの観点からアニメ作品を語る、というのは大いに興味があるし自分自身も語りたい題材ですが、この記事内容では満足はいかないしトンチンカンのようにも思えてしまいます。下に続くコメントの疑問のほうに共感があります。 …

もうひとつの『サラ、神に背いた少年』そして『いつわりの祈り』

headlines.yahoo.co.jp よく「これは誰かが代わりにい書いたんじゃないのか?」みたいな疑惑が起こったり問題になったりすることがありますが、まさしくそう思われそうな話なのにもかかわらず誰もが信じてしまった、のでしょうか。 上にあげたような金髪の少…

『プロメア』今石 洋之

DVDにて鑑賞。しかしこれは映画館での鑑賞推奨ですね。 物凄く楽しいであろう。 未だに公開上映されてもいるのですよね。思うに日本の映画でここまで映画館向けの作品ってそうそうないのでは。劇場鑑賞でなくてもそう思ってしまいます。 このアニメ作品の…

好きな邦画とりあえず9本

ツイッターで#好きな邦画とりあえず9本 というのをやっていたのであまりこういうの考えていなかったのですがとりあえずやってみました。 結果 ユメノ銀河悪夢探偵 CURE天国と地獄獄門島田園に死す八甲田山赤穂城断絶戦場のメリークリスマス 順番に意味はあり…

『ベイビーブラザー』マーク・ミュンデン

これは思いもよらぬ拾い物でした。もうすぐ期限が切れてしまうアマプラですが、最後に物凄い発見。観た後すぐ、久しぶりにDVD購買しました。同監督の別作品まで。こういう映画の感じが大好きなのです。 本当に噂にも聞いてなかったし、このタイトルとジャケ…

『悪魔の飽食』森村誠一

高校生の時に怖ろしくて読めず今初めて読んだつもりでしたがこの長い時間にあれこれと読んだものがあったので初めて読んだような気がしませんでした。もしかしたらいつの間にか読んでいたのかもしれません。 他の日本軍加虐事例と同じくこれも「でたらめだ、…

『クローバーフィールド/HAKAISHA』マット・リーヴス

初鑑賞です。映画館スクリーンで観たのならかなりの悪酔いするかもしれませんが私はアマプラでテレビ鑑賞なので楽しく観ることができました。 ネタバレです。 場所はニューヨーク。友人の送別パーティでビデオカメラでの撮影を頼まれて気軽に引き受け撮影し…

『アンダン ~時を超える者~ 』

www.amazon.co.jp アマゾンプライムにて鑑賞。吹替で観ましたが字幕もあります。 とんでもないことが起きた時に時間をさかのぼって出来事を変えてしまう、という話は数えきれないほどあるけどその発想自体は好きではないです。 しかしそれでも作品が作られて…

山上たつひこ『光る風』読みます。

www.amazon.co.jp 偶然、山上たつひこ『光る風』が読めることになって小躍りしています。 いやこんなこともあるのですね。 事の起こりはジャンプマンガ『僕のヒーローアカデミア』の登場人物「志賀丸太」という名前が問題になったことからなのですが。 第二…

『17歳の肖像』ロネ・シェルフィグ

「これは絶対観て欲しい映画」というお勧め文を見たのでまったく知らなかったのですがレンタルしてみました。 2009年のイギリス映画でかなりの受賞やノミネートをされた作品でもありました。始まってしばらくあまりにも普通の女学生物語だったのでいささか驚…

『ジョーカー』トッド・フィリップス(『人斬り以蔵』を思い出しました)

さんざん凄い映画だと聞いたうえで観たのですが、それでもそんな情報など何の意味も無いほど衝撃の映画でした。 まずは人生の悲しみ辛さの共鳴に押しつぶされるべきなのでしょうが、私はやはりアーサーに共感したふりをしてみせるだけの観客にすぎないのでし…

『サスペリア』(2018)ルカ・グァダニーノ

ダリオ・アルジェント『サスペリア』のリメイク作品ですが、えげつなく凄い映画でした。 ネタバレですのでご注意を。 リメイク、と聞くと前作より劣化したものがほとんどという印象があるものですがこの作品においてはそれは当てはまらないだけでなくリメイ…

ナルチスとゴルトムント ヘルマン・ヘッセ『知と愛』より

ヘルマン・ヘッセ『知と愛』についてもう少し。 特に勉強したことなどない者の戯言ですが。 この物語は大まかに3つの章によって構成されています。もう少し細かく言えば3つ目を前半後半として4つの章とするべきかもしれません。 第一章はマリアブロンという…