ガエル記

散策

ミステリー

『配達されない三通の手紙』野村芳太郎/原作:エラリー・クイーン『災厄の町』

1979年「松竹」 このDVD脚本●野上龍雄と記されている? 映画冒頭に脚本は「新藤兼人」と出てくるのだが? しかもどう考えても新藤兼人の方が有名なのに??? よくわからない謎である。 ネタバレします。 上の件は別としてもとにかく不思議が溢れている映画…

『蛇の道』「修羅の極道 蛇の道」(1998)黒沢清

1998年「大映」 以前観たような気がするがよくわからない・・・こんな恐ろしい映画を。 それが怖い。 ネタバレします。 いやあおもしろかった。 黒沢清だからなにかあると思っていてもおもしろかった。 冒頭のくねくねした坂道をゆっくり車で走る、というと…

『この子の七つのお祝いに』増村保造/原作:斎藤澪

1982年「松竹」 ずっと以前に鑑賞したのだけど、すっかり忘れてしまい再鑑賞したいと思い続けていました。 なにやら恐ろしいという記憶だけがありました。 ネタバレします。 「ものすごい」と形容するしかない不思議作品だ。 増村保造監督作品は一時期かなり…

『砂の器』松本清張 その2 『砂の器』の意味はなにか

書き進めていきます。 ネタバレします。 野村監督映画『砂の器』を観た後に原作小説を読んで思うのは果てしなきじれったさだ。 映画は143分にまとめるためにトントンと話が進む。 それゆえに映画観賞は実に心地よく感動へと運ばれていった。 だが松本清張の…

『砂の器』松本清張 その1 あの名作映画への疑問

この記事で書くのは松本清張著『砂の器』です。野村芳太郎監督映画については補助としてのみになります。 とはいえ私は、野村芳太郎監督・橋本忍脚本の映画『砂の器』を二十歳の頃、リヴァイバル上映で観て感動したものです。 長い間その記憶を持っていたの…

『白と黒』堀川弘通/オリジナル脚本:橋本忍

1963年「東宝」音楽:武満徹 オリジナル脚本:橋本忍というので鑑賞した。 ネタバレします。 さてはまず目的の橋本忍脚本の部分を取り出してみる。 若年弁護士・浜野は恩師弁護士の妻と不倫関係にあったが諍いを起こして彼女を絞殺してしまう。 逃げ出した浜…

『悪霊島』篠田正浩/原作:横溝正史

1981年「角川映画」 ネタバレします。 映画は1980年ジョン・レノンが暗殺されたというニュースを聞いた三津」木五郎がビートルズの歌と共に1969年の自分とその時に起きた事件を思い出す、というはじまりになっている。 そして舞台は五郎が1969年の時代の流行…

『八つ墓村』野村芳太郎/原作:横溝正史 その4 主題は「父親憎悪」

昨晩の記事から続けて書きます。 ネタバレします。 先日『八つ墓村』新作映画発表にXがざわめくのを見て驚いた。 私はなぜこんなにも日本人が『八つ墓村』に引き寄せられるのかがよくわからなかったのだ。 半日考えてやっと何かが見えてきた。 日本人は「父…

『八つ墓村』野村芳太郎/原作:横溝正史 その3

gaerial.hatenablog.com 今朝の記事で書いた疑問符 「元に戻ってしまった。 そこが私のひっかかりであり今回理解できるのではと思っていたのだがどうしても山﨑努の狂気が腑に落ちないのだ。 それ以外は確かに本作面白いと思う」 の答えを今日一日考えていた…

『八つ墓村』野村芳太郎/原作:横溝正史 さらに古谷一行TVドラマ版 その2

古谷一行TVドラマ版を観て再び(どころじゃないけど)野村芳太郎映画作品を観ている。 ネタバレします。 原作の時代設定に準じた古谷版と違い70年代とした野村版だがその変更は意義があり正解だったと思う。 今回の映画化はどちらになるのだろう。原作準拠に…

『点と線』小林恒夫/原作:松本清張

1958年「東映」 ネタバレします。 清張原作のもう一つの初期有名映画作品『ゼロの焦点』とどうしても比較してしまうのが本作である。 非常に興味深く思われた『ゼロの焦点』とは違い、私はなかなか本作にはいりこめなくて困っていたのだが今回鑑賞しなおし原…

『本陣殺人事件』高林陽一/原作:横溝正史 そして古谷一行金田一

amazonプライムにて鑑賞。 1975年製作。 ここから「明治・大正・昭和を描いた日本映画(諸外国映画でも良いが)を観ていこう」をはじめようと思っています。 なぜかまず最初に選んでしまったのがこの作品になりました。 横溝正史原作、金田一耕助ものなので…

『モードリン』萩尾望都

1971年「少女コミック」29号(1969年5月) これまでの作品群でも際立ってサスペンス映画の雰囲気を持っていると思います。 ネタバレします。 それはこの1ページ目からすでに感じられる。 嵐の夜更けモードリンは雨と風の音に怯えママの部屋へ行こうとする。 …

『ケルン市警オド』青池保子 6

現在の最新刊であるようです。以前「浦沢直樹の漫勉」で紹介された巻ですね。 ネタバレします。 今回の鍵は「赤い橋」 ほう、ドイツの民話か民謡か、と思ったらどうやら浅川マキ「赤い橋」から着想を得たということらしい。(明言はされてないけどたぶん) …

『ケルン市警オド』青池保子 5

最初に特別番外編があってその後三話にわたって一つの物語が成されます。 ネタバレします。 いやもうほんとにすばらしい。 ケルンが古代ローマ時代から続くという事柄を使って犯罪作品を作っていく手法に痺れる。 そしてなにかにつけて知識豊富なカイ修道士…

『ケルン市警オド』青池保子 3・4

これまで一巻で一話となっていましたが第三話目で3・4巻と続きます。 ネタバレします。 2巻で一話だとそれまでと違って内容が薄まるのかと思うなかれ。より複雑になっていく。 とはいえ「事件の犯人」というのは普通に読んでいくと初見ですぐわかってしま…

『夜光る犬』横山光輝/愛蔵版初期作品集『闇におどる猫』収録

以前表題作『闇におどる猫』についてのみの記事しか書かなかったけどやはりこちらも記事にしておくべきでしょう。 ということで。 ネタバレしますのでご注意を。 これに収録されてます。 横山光輝作品と言えばSF・ロボット・アクション・忍者などのイメージ…

江戸川乱歩妖美劇画館 3巻(『白髪鬼』『闇の顔』)横山光輝 その2「闇の顔」

購入した本ではモノクロページでした。 なんか期待してしまうえっちな表紙ですね。 「白髪鬼」が読みたくて購入したのですがこちらの「闇の顔」だけでよければ 別バージョンの本もありました 闇の顔 (講談社漫画文庫) 以下ネタバレしますのでご注意を。 昨日…

『ドッペルゲンガー』黒沢清

面白く鑑賞しました。 ドッペルゲンガーというか普通にもう一つの人格と思えました。 女性の方は弟の厳格を見、主人公は自分の欲望からもう一つの人格を出してしまったというわりにストレートな見方でよろしいのではないでしょうか。 主人公は才能はあるのか…

『ソロモンの偽証』wowow連続ドラマ 4話まで

第4話まで鑑賞。 日本版映画にがっくりしていたのでwowow製作を知ってもまったく観る気がなかったのですが拙ブログを読んでコメントをくださったひろじさんに背中を押されて試し見のつもりだったのですが想像以上の出来栄えだったので続けて観ています。ひろ…

『ヴィジット』M・ナイト・シャマラン

やっと普通に面白い映画にたどり着きました。といっても岡田斗司夫氏推薦で観たっていう実情ですが。さすがにその価値ありました。そしてマジでシャマラン監督追いかけてみようと今更ながら思い始めました。 以下ネタバレしますのでご注意を。 岡田氏のシャ…

『タコピーの原罪』タイザン5(ファイブ)

「衝撃の・・・」とか「最高に面白い」とかの称賛で試しに読んでみてもなかなか読み進むことができなくなってしまったのは私がすっかり年老いてしまったからなのでしょうか、と思わされるこの頃。 この作品は珍しく現在公開されている第9話までしかも止まら…

『【不動産ミステリー】変な家』雨穴

www.youtube.com 私もこの動画で落ちてしまったのでやはりこれを一番先に紹介せねばならないでしょう。 今思えば雨穴さんとしてはむしろ一般受けする作品なのかもしれませんw 惹かれた原因の一つとしては私が間取り大好きだからかもしれません。 同じ理由で…

雨穴さん

久しぶりに物凄く人を好きになりました。この場合の「人」は作品的な「人」です。 つまり俳優とか歌手とかまたはマンガや小説の中のキャラクターなどを好きになって夢中になって作品を追いかける、ということほど楽しく幸福なものはありません。 その人の世…

『ゾディアック』デヴィッド・フィンチャー

フィンチャー『ゾディアック』が好きでどうしようもない。 冗長だとか実話のために解決しないままなのでがっくりする、とかいろいろ悪口も多く書かれてしまう本作ですが、私としては2時間40分どころかもっと長く観ていたいし世の中に解決することなんかある…

『殺人の追憶』ポン・ジュノ

今回観るつもりではなかったのにテレビ放送されたのを眺めているうちついつい入り込んでしまいました。 何度も観ていますが飽きることなく面白い作品です。 実を言えば本作はDVDを持っていていつでも見返すことができるのですが付随していたディスク2が未見…

『CURE』黒沢清

昨日の『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』(中村義洋監督)で酷く気持ちが傷ついたので急遽何度も観た『CURE』を再生しました。 なんでこの映画?と思いましたが本作の『CURE』は癒しという意味なので図らずも正解だったようです。 『残穢』で日本…

『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』中村義洋

悪評なのでそういうのが嫌な方は読まないがいいです。 ネタバレ、するほどもないですが一応ご注意を。 日々韓国映画に感嘆する評ばかり書いているのですがたまには日本映画を観てみようと思いかなり評価が高かったのでそれなりに期待して観たのですがあまり…

『殺人者の記憶法』ウォン・シニョン

またさらに凄いの観てしまいました。 頭が韓国映画向けになっていない時に録画していてよかったです。 韓国映画はなんやかやと良い特徴が多いのですが小さな女の子をとても愛らしく演出できるのがまた凄い。めちゃ可愛いんですよね。 アルツハイマーになった…

「100分de萩尾望都」その4『ポーの一族』

最終項『ポーの一族』です。夢枕獏氏が論じられていました。考察だけでなくなにより夢枕氏の『ポーの一族』そして萩尾望都愛に感動してしまいました。 氏が何度も萩尾氏に『ポー』の再開をお願いされたことでそれが叶ったのであるなら夢枕氏にどれほど感謝し…