谷崎潤一郎
ネタバレします。 十七 迫り来る戦争の影 『細雪』は昭和十一年(1936年)の秋に始まり、昭和十六年の春に終わるが、読者にはこの時間が伝わってはこない。 川本氏はこのことを「谷崎は日常の細部を詳しく書くが時代と社会の出来事を書くのに熱心ではない」…
ネタバレします。 十四 阪神大水害 昭和十三年(1938年)阪神地方は未曾有の大水害に見舞われた。 『細雪』の中巻ではこの大水害が描かれている。 この年は五月から雨が多く六月の入梅以来間断なく降り続いたという。そして七月三日から五日にかけて集中的な…
ネタバレします。 十 外国人との交流と別れ 末妹・妙子と親しくなる白系ロシア人カタリナ・キリレンコ。 亡命のロシア一家に夕食に呼ばれてやや頓珍漢な体験をすることになる。 港町神戸に亡命ロシア人は多かったという。 カタリナは自分の美貌を武器にして…
ネタバレします。 七 モダンガールの四女、妙子 ここで筆者の川本三郎氏は蒔岡家の四姉妹で誰が好きかという問いかけをする。 年配の人は「雪子」次いで「幸子」なのに対し若い人は「妙子」をあげる人が多い、と書く。 私としては『細雪』感想のなかでたぶん…
ネタバレします。 四 阪神間の文化と神戸 谷崎潤一郎は原稿として四国から取り寄せた和紙に罫を馬楝で摺り込んだ自家製のものを使っていたという。 挿絵画家は芦屋の海辺に住む小出楢重。 阪神間文化のあらわれだと川本氏は記す。 小出楢重は昭和二年の随筆…
2020年「中央公論社」 昨日まで読んできた『人びとの社会戦争』の中に含まれる光景のはず。 ネタバレします。 一 女が育てた阪神間文化 「芦屋」とか「船場」とかのイメージがまったくない人間としてはそれらをいちいち想像するだけで楽しくなる。 小説を読…
谷崎潤一郎小説はこれまでいくらか読んでみてもそれ以上ハマる感じはなくてこの『細雪』にまでたどり着いていなかったのだが今回実践中の「近代日本作品を読む・観る」でやはり無視できない感じがあった。 特に今現在、世界が不穏な予感を偲ばせる中読むと谷…
この画像通りのDVD鑑賞しました。 ネタバレします。 市川崑監督独特のカットの切り替えと台詞回しから始まる。 今観るとややくどさを感じてしまうがそれは大好きだった『犬神家の一族』に免じて耐え抜くこととす。 問題は1959年版との映像比較である。 これ…
ネタバレします。 谷崎潤一郎の原作も幾つもの映画も触れてこなかった。 まったく、というのではない。ちらりと見てお金持ちのお嬢さんたちの恋愛話かと察してそれ以上踏み込まなかったという経緯だが今回「あえて苦手なかつての日本の物語を知る」修行で本…