ガエル記

散策

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『戦火のナージャ』ニキータ・ミハルコフ

前作『太陽に灼かれて』は未見ですが引き込まれて観てしまいました。 あまり観る機会のなかった独ソ戦作品です。 冒頭のスターリンエピソードからして奇妙に怖ろしくぞわぞわしました。この共産圏独特の恐怖は耐え難いですがそれを弾圧する派も恐ろしいです…

『田辺聖子の今昔物語』田辺聖子

『今昔物語』十二世紀頃成ったといわれる膨大な説話集である。三十一巻(うち、八・十八・二十一の三巻を欠く)から成り、天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の三部に分かれている。仏教説話や世俗人情をテーマにした、一大短編集である。 と冒頭に…

『ムーラン』馬楚成(ジングル・マ)

アマゾンプライムにて鑑賞。無料期間終了が迫っていたので慌てて鑑賞しました。本作は日本の一般では未公開だったとのこと。 『ムーラン』は昨日観て大感動の『スタンドアップ』監督ニキ・カーロもディズニー製作で映画化していますからそれも観たいものです…

『 スタンドアップ』ニキ・カーロ

wowowオンデマンドにて鑑賞。2005年製作映画でシャーリーズ・セロン主演という華やかさでありながらまったくタイトルすら知りませんでした。 もちろんそれは私が「知らなかった」というだけの話ですがもう少し話題になってもよさそうだと思ってしまいます。 …

『陰陽師』岡野玲子 その2

さて続きます。 岡野玲子著『陰陽師』ネタバレしますのでご注意を。 上の画像が岡野著オリジナルキャラクター「真葛」です。 私は原作未読なので夢枕獏氏がそのあたりどう書かれているかは知らないのですが岡野『陰陽師』の紹介でそう書かれており、晴明・博…

『陰陽師』岡野玲子 その1

前回『青天を衝け』の記事で「狐憑きが出てきたので思わず『陰陽師』の管狐を探してそのままはまり込んでしまった」というようなことを書いたのですがマジで数日読み浸っていました。 というのは岡野玲子著『陰陽師』の十巻以降は非常に難解な内容で読みづら…

『青天を衝け』第5回 栄一、揺れる

一話一話書かなくてもいいかな、と思っていたのですが今回「狐憑き」というまさか「渋沢栄一」ドラマでこんな話題が出てくるとは思わなかったエピソードが出てきたのでやはりちょっと書きたくなりました。 というかドラマで出てきた「オサキ狐」という言葉は…

『殺人の追憶』ポン・ジュノ

今回観るつもりではなかったのにテレビ放送されたのを眺めているうちついつい入り込んでしまいました。 何度も観ていますが飽きることなく面白い作品です。 実を言えば本作はDVDを持っていていつでも見返すことができるのですが付随していたディスク2が未見…

『ずっとお城で暮らしてる』ステイシー・パッソン、そして『ミーシア』吉野マト

日本未公開でwowowにて初放送という映画作品です。 以下ネタバレしますのでご注意を。 「暴力」を描いた作品です。 感想を書こうとしてなかなか書けずにいた時に別のマンガ作品を読みました。 shonenjumpplus.com とても魅力のあるマンガですがかなり粗削り…

『Fukushima 50』『太陽の蓋』そして『シン・ゴジラ』

少し前に録画していた『Fukushima 50』なかなか観る気持ちが起きなかったのですが3月11日映画放送もあったらしくあちこちで話題となり自分も確かめたくなり鑑賞しました。 以前観ていた『太陽の蓋』を再鑑賞し、あれこれと批評を読みました。 ある批評で『Fu…

『禁断の惑星』フレッド・M・ウィルコックス

画像のロビー見たさに鑑賞しました。ちょっぴりの出演かと思ったら案外多く登場していて満足でした。 SF映画と言えば必ず名前が挙がる本作です。私は初鑑賞だと思うのですが子供時代に観ていたらたぶん退屈していたでしょうけど大人になって観れば非常に楽し…

『天気の子』新海誠 その2

きっともう多くの人が言ったり書いたりしてることだとは思いますがやはり自分も思いを書きたくて書いてしまいます。 最期まで観てもう一度観返してもどうしてこんなに気持ちが悪いのかと思ってしまいます。 ホダカはヒナを「守りたい」的なことを言うけど言…

『天気の子』新海誠

新海誠監督描く『天気の子』前作の『君の名は。』に引き続き大ヒットながら一方では「気持ち悪い」の大合唱になってしまうという凄い作品であり映画監督であります。 私もどんぴしゃで新海世界アンドその作品が気持ち悪くてなんだろう水を吸ったパンを触って…

『青天を衝け』第四話「栄一、怒る」

楽しく観ております。 第四話「栄一、怒る」で栄一くんの微笑ましい恋話をはじめとして栄一くんのますますの活躍そして理不尽な制度への怒りと主人公パートはしっかり進行中ですが今回面白かったのはやはり慶喜パートでしたね。 江戸っ子べらんめえの武士っ…

『 閉鎖病棟 -それぞれの朝- 』平山秀幸

少し前に録画していた映画です。早く観なければと思いながら手が伸びずにいました。実は原作小説も買っていたのですがなかなか入り込めずそのままになっていました。 若い頃はそんな思いをすることはほとんどなかったのですが一途に小説を読みその世界に入る…

『青天を衝け』NHK大河ドラマ その2

『青天を衝け』ほんとうにめずらしく日本ドラマに感心しています。 大河ドラマは基本戦国時代の武士を主人公にしたものになりがちなわけですが今回の渋沢栄一はかなり豊かであるとはいえ農民でしかも米作に向かない土地の為に藍玉作りを主とする農家の生まれ…

『 THE WAVE ウェイヴ』デニス・ガンゼル

なんのきっかけだったのかもう忘れてしまいましたがずっと気になっていた映画作品でやっと観ることになりました。 ネタバレしますのでご注意を。 ドイツのとある高校の一クラスで一教師が独裁政治とはどういうものかを生徒たちに体験させるという実験のドラ…

『進撃の巨人』諌山創 The Final Season その3

今回『進撃の巨人』をかなり読み返し読み込むことができてよかったと思っています。 といってもまだまだ理解していくにはこの先を観ていく必要があります。それが楽しみです。 ちょうどよくNHK『アナザーストーリーズ「“復活の日”の衝撃〜コロナ“予言の書”〜…

『進撃の巨人』諌山創 The Final Season その2

なぜ諌山創氏は『進撃の巨人』を描いたのでしょうか。こんなにも苦しみに満ちた物語を醜悪とも思える数々の作画を続けてきたのはなぜなのでしょうか。 私はそれを「戦争への恐怖」だと考えます。 「人々が憎しみあい差別し合い人々を虐待し迫害し続ける仕組…

『進撃の巨人』諌山創 The Final Season その1

The Final Seasonアニメも始まりもう一度これまで出たマンガを読みなおしていました。 なお私が読んでいるのは単行本になったものだけで雑誌掲載は読んでいません。 『進撃の巨人』はいろいろな意味でこれまでにない価値のあるマンガ作品として歴史に刻まれ…