ガエル記

散策

『禁断の惑星』フレッド・M・ウィルコックス

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画像のロビー見たさに鑑賞しました。ちょっぴりの出演かと思ったら案外多く登場していて満足でした。

 

SF映画と言えば必ず名前が挙がる本作です。私は初鑑賞だと思うのですが子供時代に観ていたらたぶん退屈していたでしょうけど大人になって観れば非常に楽しめると思えます。

多くのSF映画に影響を与えたのがわかりますしこれからも様々に与えていくのでしょう。

挙げていくのは多々ありますが物語がシェイクスピアテンペスト』をそのまま辿っている、というのも面白い。表現したいのはストーリーよりも細部の発想なのだ、ということです。

もっとも際立ったキャラクターは惑星の主であるモービアスでありその娘アルタ(アルティラ)で星に降り立った宇宙船の乗組員たちは無個性にすら感じます。

もちろん一番記憶に残るのはロボット・ロビーです。

人間には危害を与えず賢く強く料理をしコーヒーを淹れお花を活けてドレスを用意しウイスキーまで作ってくれ自動車の運転もする。甲斐甲斐しすぎて胸が痛い。

もっと遊んでいいんだよ~。

おさるには容赦がないが。

 

唯一の女性アルタはしっかりお色気要員の役割ですが毅然とした態度で何とか救われます。

モービアスが作り出すホログラムはスターウォーズに受け継がれていったのでしょう。ロビーは言わずもがなです。

そして「怪物」の正体がモービアス教授の思考精神(イド)でありそれをとどめることはできないのでした。

 

この作品が『テンペスト』を模していることはそのままこのSF映画が古典である意味にもつながるように思われます。