ガエル記

散策

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『時の行者』横山光輝

ずっと気になっていた横山光輝『時の行者』ついに読み始めます。 過去に少しだけ読みかじったことがあるのですがどんな話なのか、さっぱり判っていません。さてどんな物語なのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 ということでいきなり全編のネタバレ…

『史記』第十五巻 横山光輝

ついに最終巻となりました。名残惜しい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「呉楚七国の乱(前編)(後編)」 14巻で登場した晁錯の物語から始まる。 文帝は古代からの政道を記した尚書(書経)を学びたいと思い尚書を知るただ一人の生き残りを求めたが当…

『史記』第十四巻 横山光輝

呂后凄いな。どんな男の話より恐ろしい。 とはいえこれを言っちゃおしまいだけど本当なのかな、という気はする。 中国の悪女伝説多すぎでそのほとんどが凄惨すぎ。呂一族を抹殺するための劉一族の言い訳で呂后を極悪女に仕立てたのではないかと思ってしまう…

『史記』第十三巻 横山光輝

珍しい横山作品の女性表紙しかもふたりも。と喜んではいられない悲惨な構図。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「淮陰侯韓信」 前202年、劉邦は諸侯の要請で皇帝の位につき「高祖」と称し洛陽を都とした。 劉邦は皇帝になるためにあれほど多大な功績をあ…

『史記』第十二巻 横山光輝 その2

第2話「離間の策」 陳平の物語。 とにかく陳平のお兄さん陳伯が良い人である。弟の才能に期待して自分一人で年中働き僅かの金も陳平の勉学に回していたという。凄い。どうしてそこまで弟に期待できたのか。しかもこの弟、こともあろうに兄嫁と密通している。…

『史記』第十二巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第1話「背水の陣」 劉邦は五諸侯を味方にし、五十六万という大軍で東進を開始した。だがわずか三万の楚軍に撃破され、命からがら滎陽城に逃げ込んだ。 まもなく敗走した漢軍を集めて韓信も滎陽城に入ってきた。 劉邦は最も惨め…

『史記』第十一巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第1話「国士無双」 韓信物語。 韓信のまたくぐり、と言えば有名なのだろうけど実を言うとよくわかっておらず今になって「ああこういうことだったのか」と納得した次第です。 香港映画などでなにかというとまたくぐりをさせて相…

『史記』第十巻 横山光輝

第1話「函谷関への道」 昨日も書いたのですが本作読むまで私は勝手に項羽と劉邦のイメージを作っていて項羽=すらりとした長身イケメン、劉邦=ずんぐりしたすけべのんべおっさん、と思い込んでいたのですが本作でその虚像は崩れ落ちました。 まあまああくま…

『史記』第九巻 横山光輝

ここからさらに面白くなっていきますね。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「農民王陳勝」 始皇帝が最初の皇帝ならば、陳勝は最初の農民一揆の指導者である。 前209年、日雇い農夫の陳勝と呉広は辺境の守りに徴用され漁陽へ向かう途中大雨で足止めをくら…

『史記』第八巻 横山光輝

秦の始皇帝の話だから絶対おもしろい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「保身の術」 戦国四大名将のひとり王翦の物語。 朝議において、楚王は「大国・楚を討つにはどれほどの兵力が必要か」と将軍たちに問いかける。 名将・王翦は「六十万」と答え李信…

『史記』第七巻 横山光輝

第1話「嫪毐の乱」 昨日の続き。 呂不韋の一世一代の大勝負は破格の大勝となる。趙の人質となっていた秦の公子・子楚を救い出し秦の王とした。 呂不韋はこのてがらにより丞相に封じられた。 だがこの荘襄王は在位三年でこの世を去った。 そして十三歳の政が…

『史記』第六巻 横山光輝

第一話「嚢中の錐」 第二話「老いの野望」 第三話「主を震わす者」 第四話「奇貨 居くべし」 呂布韋の物語です。 趙の都・邯鄲で呂布韋はひとりの若者に目を止めた。 来ている衣服は貧しいが身分のあるお方に見えるのだ。 側の者は「あのお方は秦の人質の子…

『史記』第五巻 横山光輝

この絵も謎絵ではないだろうか。とげとげ鞭が痛そうだ。 ネタバレしますのでご注意を。 第一話「刎頚の友」 刎頚の友の言葉はさすがに知ってたけどこんな話だったのかあ。 ますます変な関係の図に見えますな。 とはいえ物語はまず秦の猛将・白起がいかに勝利…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その5

ネタバレしますのでご注意を。 文竜が武虎と別れての後半。 玉燕との愛の物語も決して悪くはないのだけどなぜかイマイチ違うような気がするのは最初の「不忠不孝の徒」という謳い文句がどこかに行ってしまったってことじゃないいですかね。 文竜の世を拗ねた…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その4

ネタバレしますのでご注意を。 夜中、文竜・武虎小屋で仲良く並んで寝てる。遠くで戦の退却の合図がしている。 小屋から覗くとどうやら敗れたのは魏軍で兵士たちが傷を負って逃げていく。 それを黒づくめの宋の騎馬隊が追いかける。 そこへ目を傷つけたらし…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その3

ゆるゆる書いているだけなので「その3」ですが五巻です。 ネタバレしますのでご注意を。 本作は横山マンガには珍しいほど女性が多く登場します。性的描写目的、という感は否めませんがカッコいい女性も登場します。 鯉風(りふう)さんです。 曹操似の美貌…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その2

第二話。本作品のヒロインたる武虎ちゃん登場。汚い世界に真っ正直なブコちゃんがいてくれたから救われた。主人公文竜もそう言ってる。 ネタバレしますのでご注意を。 夢中で読んだ本作ですが読み終わるといろいろと面白かったり残念だったりという思いがあ…

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先

辻真先原作の横山マンガです。作品はまったく知らなくてどんなものなのかと興味津々での購入でした。 まだ『史記』の途中なのですがなかなか歯ごたえある作品なのでちょっとこちらに息抜きという感じで寄り道してみようと思ったらあまりにも意表を突く面白さ…

『史記』第四巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第一話「先從隗始 先ず隗より始めよ!!」 あの有名な「先ず隗より始めよ」の語源を描いたものですが多くの日本人が思う話ではないのが面白い。 たぶんほとんどの日本人解釈は「大変なことをやろうとする時は自分からはじめる…

『史記』第三巻 横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第一話「因習打破」 これは『三国志』で孔明が南蛮国平定からの帰途河に生贄を捧げる(あっちでは数十人だった)悪習をやめさせるために肉饅頭を代わりに捧げる、という話の元になったものではないでしょうか。 こちらでは西門…

『史記』第二巻 横山光輝 「臥薪嘗胆」

なんかすごく不思議な絵である。 「臥薪嘗胆」の意味が解らない人はこの絵の意味をどう思うのだろうか。 ネタバレしますのでご注意を。 楚の平王が亡くなり父と兄の仇を討つことができなくなってしまった伍子胥は平王の屍を墓から引きずり出して鞭打つ。 次…

『史記』第二巻 横山光輝

二巻は伍子胥巻です。この伍子胥だけではなく『史記』はまったく知らなかった私ですが最近になって知った「鳥人間」さんのYouTubeでこちらを見まして(聞きまして)特に伍子胥は読みたいと思っておりました。 www.youtube.com 鳥人間さんありがとうございま…

『史記』第一巻 横山光輝

驪 『三国志』の後読もうと思っていてちょっと遠回りしましたがついに読み出します。わくわくしますなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 「第一話 司馬遷」 その『史記』の執筆者である司馬遷の物語です。 司馬遷の父。司馬談は一流の学者でありながら農耕…

『闇の土鬼』横山光輝 その3

これまで観た横山キャラで最も美しいキャラだと思います。 私は白土カムイもそう思ってしまうので忍び系に弱いのかもしれませんが。 ネタバレしますのでご注意を。 4巻の冒頭の相手、妙に長身イケメンでおかしい。 なんかエロいんだよ。 でも このスタイルが…

『闇の土鬼』横山光輝 その2

二巻に入ります。土鬼くんの魅力が凄まじい。 ネタバレしますのでご注意を。 笑ってはいけないと思いながらも込み上げる笑いが我慢できない。 10代の男の子ひとりをいじめるおじさんたちよ。 そしてこの爺様血風党の長・無明斎にしばかれる この無明斎が最高…

『闇の土鬼』横山光輝

突然の『闇の土鬼』です。横山作品どれから読もうかな、と探していてあまりのかっこよさに表紙買いしてしまったのですが中身は予想以上にかっこよかった。 戦国ハードボイルドとでもいうのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 タイトルと言い冒頭の「…

『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第八巻 完結

ネタバレしますのでご注意を。 完結の八巻です。 天下を統一しなおも荒ぶる世の中に泰平を望み老齢の体に鞭打って働き続けた家康。 多くの夢を果たした家康が最期まで悩み続けたのは我が子との関係だった。 これは特に前世代の父子=働くことだけが男の人生…

『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第七巻

ネタバレしますのでご注意を。 関ケ原の合戦で勝利を得、家康の地位は不動のものとなった。 家康は淀君・秀頼母子をおとがめなしとした。 七巻。家康は天下泰平のために尽力していくがこれがほんとうに難しい。以下は家康の立場から見た物語と言えよう。 こ…

『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第六巻 その2

ネタバレしますのでご注意を。 六巻後半は石田三成パート。 豊臣家のため走り回る三成と彼を憎む者たちとのデッドヒート。 とてもよい。 かつて不人気だったという三成は最近共感を呼んでいるようなのがおもしろい。本作では明らかに悪人なのだが横山氏の描…

『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第六巻

ネタバレしますのでご注意を。 幼い頃から人質として過ごさねばならなかった竹千代が辛抱に辛抱を重ね努力を積み少しずつ上昇して岡崎城を取り戻しなおも進み徳川家康として磐石ともいえる地位をなした。 しかし人生の辛苦はむしろここから始まっていくよう…