ネタバレしますのでご注意を。
六巻後半は石田三成パート。
豊臣家のため走り回る三成と彼を憎む者たちとのデッドヒート。
とてもよい。
かつて不人気だったという三成は最近共感を呼んでいるようなのがおもしろい。本作では明らかに悪人なのだが横山氏の描く小賢しい男の顔つきをしているのだからそうなのだろう。
豊臣家のためと信じて正論の行動をする三成だがそれがいちいち他人の癪に障るのだ。これに家康はすっかりついた貫禄で鷹揚に対処していく。
神妙な趣で茶漬けを食う。いいなあ。
カッコいい高台院=寧々。
このパート日本史上最も有名と言える「関ケ原の戦い」への前哨戦なのだがそれだけに複雑な過程を経る。
実際の関ケ原の戦いは数時間だったのだがその本質はそれ以前の駆け引きといえる。
西軍と東軍の数はそれほどの違いは無かったというものの内実は大きく違っていた。
こうして家康は秀吉から引き継いだ「日本国の泰平」にまた一歩進む。
しかしその道はまだまだ険しいようだ。