美周郎と呼ばれた優れた才能を持つ周瑜。演義でも活躍するが実際はもっと穏やかな人格者だったという。そっちの周瑜も読んでみたい。
でも本作のおもしろい周瑜は気に入ってる
ネタバレしますのでご注意を。
でもやっぱり大好きなのは魯粛さん。横山キャラの中でも魯粛さんは特出。
呉に到着した孔明はいきなり孫権の重臣たちとの舌戦を体験する。
日本ならば「知の甲子園」というところか。(ちっちゃ)
居並ぶ呉の重臣たちを相手に若き孔明はたじろぐことなく応戦する。
いやもうすごい。私なら何を言われているかすらわからずあわあわしてるだろう。
これは孔明自身なんども失望した件なんだよなあ。玄徳のあの潔癖性というかグズグズ感はいつまでも後を引く。この痛いところを突かれた孔明
うは、逆手にとりやがった。しかも相手を小鳥あつかい。やるなあ。
孔明はこれまでの玄徳軍を重病人に例えそんな時期に曹操軍のような大軍を避けるのは兵家の常とし逃れて身を隠すは体の回復をまつためのもの、それでも曹軍と互角以上の戦いをしてもいると玄徳を持ち上げる。
項羽と劉邦の例を挙げ虚部的な勝敗ですべてを論じるのは軽率とぴしゃりと言ってのける。
涼しい~
孔明はさらに攻撃してくる重臣たちに堂々と立ち向かう。孔明の意志は「魏と呉を戦わせる」ことにある。
なので玄徳のような小さな軍隊も勇気を持って戦った。呉のような大国が何故曹操の如き賊臣を討たぬかと論じていくのだ。
孔明はあえて強い言葉を使い一旦は孫権を激怒させ魯粛を使ってそれを収めさせ再び話し合う。
この孔明もよく使われる。表情豊かだ。
孫権は孔明の弁論に乗せられついに曹操との戦いを決心する。だがこれを重臣たちが再び諫め孫権は揺れ動く。さらに魯粛に決心を変えてはならないと言われ思い悩む。
ここに現れたのが母君。母君は後にも活躍するんだよなあ。
その母君は兄君の遺言を思い出してと言う。外からの混乱には周瑜に相談せよ、と。
ところが手紙と同時に魯粛も到着(手紙遅い)魯粛は開戦派なので周瑜に孔明とまず話してほしいと言い出す。
直後重臣たちも到着。(手紙が遅いのか、彼らの足が速いのか)重臣たちは魯粛が出ていったのを見て愚痴を言う。周瑜は重臣たちの心を読み自分自身も不戦の意志だと伝えた。
そこへ魯粛が孔明を連れてきたという知らせがあり周瑜は重臣たちを帰らせ自分はふたりが待つ水閣へ入る。
(なんだかステキなシチュエーションだなあ。呉って優雅でロマンチックだよね)
ここで周瑜はふたりに自分は「不戦派」だと告げる。
孔明はここからまたもや策を講じる。
孔明は魯粛が「時勢に疎い」と下げて周瑜殿こそが真の道理をお持ちだと上げる。
戦火は免れうまく立ち回ればもっと出世できるかもしれない。
しかしここで孔明は戦わず降伏せずに曹軍を引き揚げさせる策があると言い出す。
曹操は豪華な銅雀台この美姉妹を侍らせ晩年の楽しみにしたい、と言う念願を持っている、と話したのだ。
「ならば戦うまでよ」と声をあげた。
周瑜は孔明の手を取って「力を合わせ曹操を討とうではないか」と言い出す。そして「迷っている重臣たちと我が君を説き伏せる」と言明した。
時勢は孔明の罠にはまっていく。堅固な呉の国が孔明の誘導で動き始めたのだ。
が、明晰な周瑜は孔明の手で動かされながらも孔明の知性に恐怖していた。孔明の慧眼と知慮は後に呉の禍となる。周瑜は孔明暗殺を決意した。
映画『レッドクリフ』はこの孔明と周瑜が強い友情で結ばれるという解釈で作られていた。美貌の金城武孔明とトニー・レオン周瑜の交流を見るのは楽しいものだったけど物語的には横山版が面白いんだよなあ。
周瑜はいったん孔明の兄諸葛瑾を通じて孔明を呉に仕えさせようとするが孔明はここでも兄をやりこめる。
しかし諸葛瑾は却ってそんな弟を「偉い」と嬉しく思うんだよ。諸葛兄弟は良い人たちだと感心してしまう。そしてそんな諸葛瑾に皮肉を言いながらも言い返されると「冗談冗談」という周瑜もおもろい。呉はなんとなく全体におっとりしてる気がする。
とはいえ孔明暗殺計画はやめないけどな。
その頃、玄徳たちは孔明を心配していた。
呉軍が動き始めたと報を受けて喜んだものの連絡がないのだ。麋竺が様子を見に行くことになる。麋竺は玄徳の訪問を依頼されて戻る。
これを見た孔明は周瑜が玄徳までも暗殺する計画と感じて玄徳に「来る十一月二十日趙雲に早舟をださせ南岸で待つようご指示くだされ」と頼み急ぎ帰らせるのだった。
魏呉の水軍の戦いが始まる。
曹操のもとには蒋幹と言う男が居りかつて周瑜と学友だったという。
蒋幹は周瑜の陣を訪れ味方にしようとしたが周瑜はすぐにそれと気づき逆に蒋幹を酔い潰し自ら剣の舞を見せた。そして同じ床にて語り明かそうと蒋幹を連れ出し大笑した。
周瑜のキャラ見ごたえあって良いんだよなあ。
これに魯粛殿が加わりさらに楽しい。
やはり赤壁の戦いは良い。