以前表題作『闇におどる猫』についてのみの記事しか書かなかったけどやはりこちらも記事にしておくべきでしょう。
ということで。
ネタバレしますのでご注意を。
これに収録されてます。
横山光輝作品と言えばSF・ロボット・アクション・忍者などのイメージが強いだろうけどホラー的ミステリー的な要素も含まれている。初期作品にはこのようなミステリー作品も数々あってその要素が内包していることを示している。
横山氏をリスペクトしていると明言している荒木飛呂彦作品は全般にわたって(初期作品から『岸部露伴』などなど)ミステリー要素を強く出しているのもこれらの影響なのではないだろうか。
さて『夜光る犬』表紙には何も書かれてないけどオフィシャルにも『バスカヴィル家の犬』を参考と書かれている。
単行本化改題『地獄の犬』も気になるところだ。検索したら高額のマンガ本が現れてそっと退場した。
『バスカヴィル』を日本舞台に置き換えての漫画化というのもかつて多かったのだろうけど今読んでもわくわく楽しい。
こちらのホラーミステリーの道を歩むもうひとりの横山光輝氏が欲しかった。
こういう図を見ると涎が出そうになってしまう。
今現在ミステリーマンガと言えばどうしても『コナン君』の青山氏になるのだろうけど横山継承は荒木飛呂彦『岸部露伴』なのだ。
ちょっと怖い感じが必要なのだ。
ところで「バスカヴィル家の犬」といえば「凄い美女が登場」してこの荒々しい物語に一条の光を与えてくれるのだけど通常通り横山作品には現れないwww子供向け雑誌掲載だろうけど美女が登場するくらいはいいのではないかwww
最初にお姫様が出て来るんだからそれで充分、なのだろう。徹底してる。
代わりにワトソン役としてかわいい少年が登場するのもお約束。少年がピストルを撃つのもお約束だ。
残念なのは日本舞台にするために『バスカヴィル』という最高にステキな名前のタイトルをあきらめなくてはならないことだけどその代わりに『夜光る犬』という『バスカヴィル家の犬』に匹敵するほど印象的なタイトルをつけてしまったのも凄い。
単行本化した際に『地獄の犬』になってしまったようだけどこれはどう考えたって『夜光る犬』の方が断然良い。
検索すると『地獄の犬』だと別モノが出てきてしまうけど『夜光る犬』だと夜散歩用のライトをつけたワンちゃんたちに混ざって本作がひっかかる。
色々探すと通常どおりひらさんにぶつかる中でこの作品は赤塚不二夫氏が背景を担当してアシスタントされたと知る。
横山光輝氏と赤塚不二夫氏、という組み合わせは思いつきもしない。だけど確かに駅を描いた背景の中に「あかつか」と記されていてなるほどとなる。
トキワ荘で石ノ森章太郎氏の相棒というイメージの赤塚氏が横山氏を手伝っていた、というのを目くじら立てる必要はないのだろうけどトキワ荘一派と一線を引いていた感のある横山氏だけど別にこだわりはなかったのかも・・・しれない。この辺の関係性の機微ってあるのかな。
漫画家物語にも興味はつきないのである。