ガエル記

散策

日本映画

『静かな生活』伊丹十三

ちょっと興奮しています。日本にこんな素晴らしい良い映画があったとはそしてその作り手がずっと好きだった伊丹十三監督だったとは、二重の意味でショックです。 この数日伊丹監督作品を観続けていてほとんどが以前観ていたか少なくとも話題になったのを史っ…

『あげまん』伊丹十三

実はこの映画怖くて観る勇気が出なかった。多分未鑑賞だと思います。今回鑑賞しても他作品のように記憶が蘇ることもありませんでしたから。 結果から言うと思い切って観てよかった。そして伊丹十三監督に謝りたい。伊丹監督は私が疑いを持つような人ではなか…

『タンポポ』伊丹十三

これも再鑑賞でした。 とはいえ私は九州人なので昔観た時は醬油ラーメンが美味しそうに思えなかった、というところで引っかかってしまったという記憶があります。 その後も食べたラーメンはほとんど豚骨ばかりですが今回観ていて醤油ラーメンが美味そうで美…

『マルタイの女』伊丹十三

伊丹十三監督の遺作となった映画でした。 先日『マルサの女2』を観たのはカルト教団がらみというのを聞いたからですが(実際は過去鑑賞していた)本作もオウム真理教をモデルとしたカルト教団がらみの作品でした。 「マルタイ」というのは警察用語で護衛の…

『流星課長』庵野秀明

観た、という備忘録。 しりあがり寿氏の原作があまりに好きなのでつい観てしまいました。 私はほとんど庵野秀明という作家に共感ができないのですが同世代オタクなのでどうしても興味の対象が重なってしまう。原作をほぼ忠実に映画化しているとは思いますが…

『八甲田山』森谷司郎

日本人を知るため最も観るべきしかも面白い映画は何かと聞かれたら私は迷わず『八甲田山』と答えます。 今観ると猶更この映画は日本人の特性を描き切っていると感じます。 何度も書いてきた気もしますがネットでタイトルを見かけ再び書きたくなりました。 ネ…

『森蘭丸』小林桂三郎

1955年製作。八住利雄脚本。主人公森蘭丸を演じたのは中村扇雀(四代目・坂田藤十郎)織田信長は山村聡。 観たいと思う作品が何も見つからず、試しに観てもすぐ嫌気がさしてしまう中アマプラで偶然見つけたこのタイトルに「へえ?」と訝しさを感じながら観始…

『新・平家物語』溝口健二

退屈するかと思いきや案外面白く観てしまいました。 なんといっても冒頭の巷を俯瞰する長回しが圧巻なのですがそれだけではなく、というか全編で観られる家屋、風景、衣装、調度品そして立ち居振るまい言葉遣いを追っていくだけでも興味深い。 1955年・昭和3…

『蟲たちの家』黒沢清

画像に出ている通り楳図かずお原作を黒沢清監督が2005年映画化したものです。 俳優たちの下手さも含めかなりチープな感じがしますがそれがかえって面白く感じます。 ネタバレしますのでご注意を。 そして昨日観た『降霊』や他の作品との共通点はここにも表現…

『降霊 KOUREI』黒沢清

こんな恐ろしい映画があるのだろうか。 さんざん言われてきた言葉ですが怖いのは幽霊ではなく生きている人間のほうだ、ということでした。 ネタバレしますのでご注意を。 はっきり言って幽霊の場面は何も怖くはありません。 実際に霊が見える人に証言を得て…

『スパイの妻』黒沢清

TV版は鑑賞後の劇場版です。 とはいえ違いはまったくわからず。続けて観ればわかるのかもです。 とりあえず内容は同じで色調などが違うということなのですが。 再鑑賞で感想はどうかなと思っていたのですがとても面白く感じました。 娯楽映画、というのはこ…

『トキワ荘の青春』市川準 その2

映画を観てからつらつらと考えていました。 市川準監督のプロフィールには聖パウロ学園という高校出身と書かれています。それを見てはっと本木雅弘演じる寺田ヒロオ氏のまっすぐ立った姿を思い出しました。 そして市川監督は寺田ヒロオさんに殉教者の姿を重…

『トキワ荘の青春』市川準

以前にも観ていたのですがTV放送されていたので再鑑賞しました。 トキワ荘の逸話はよく知られていることですが石ノ森章太郎でも赤塚不二夫でも藤子不二雄でもなく現在ではまったくその名を聞くことがない寺田ヒロオ氏を主人公にしたのは監督である市川準氏が…

『桐島、部活やめるってよ』 映画と小説(吉田大八と朝井リョウ) その3

もう少し小言を書いてみます。 ネタバレしますのでご注意を。 小説と映画でもうひとつ違うのが映画部・前田涼也が好きな映画のカテゴリです。 小説では日本映画の恋愛ものや青春ものが好きで特に犬童一心や岩井俊二の名前が挙がっているのに対し映画版では塚…

『帝銀事件 死刑囚』熊井啓

かなり前から観たいと思いながらなかなか機会がなくやっとアマゾンプライムで観ることができました。 熊井監督作品は幾つか観ているのもあって期待はしていましたが想像以上に恐ろしい迫力の映画でした。 事件の推理などはできようもありませんが昭和23年(1…

『ジョゼと虎と魚たち』犬童監督版鑑賞挫折

ちらりと報告。 田辺聖子著『ジョゼと虎と魚たち』に感動しタムラコータロー監督アニメ版にも感激し続いて犬童一心監督版をしばらく見続けたのですがどうしても辛抱できず挫けてしまいました。 比較をするための研究鑑賞と思ったのですが我慢の許容量を超え…

『岸辺の旅』黒沢清 その2『はちどり』

続けて観たこともあってその差異と共通点を感じたのが韓国映画『はちどり』です。 若いキム・ボラ監督第一作のシンプルな構成と比較すると本作は非常に技巧的な熟練を感じさせます。 『岸辺の旅』はタイトルからしても年を経て生きていく悲しさがあり『はち…

『岸辺の旅』黒沢清 その1『はちどり』との符号

録画したものを寝かせたままになっていてからの鑑賞でした。予備知識がなかったのですがこれも私的には『SonnyBoy』関連映画と言えそうです。 そのつもりではなかったのに求めていると呼び寄せてしまうことが多々ありますね。 ネタバレしますのでご注意を。 …

ドラマ「スパイの妻」

映画だと思って観始めました。映画にしては(しかも黒沢清の)軽い映像だなあと思いながら。やはり映画とテレビドラマは何か違いますよね。 しばらくして「ん?やっぱり違うのか?」と思ったらなんとテレビドラマ版があったのですね。 ずいぶん早いテレビ放…

『どら平太』市川崑

大好きな市川崑監督である。 しかも脚本は四騎の会と名乗る黒澤明、木下惠介、市川崑、小林正樹という物凄い面々。 尚且つ主役を務めるのは役所広司わき役も有名俳優が名前を連ねる。 プロデューサー西岡善信の作品を観ても素晴らしいタイトルが並ぶ。 ここ…

『Fukushima 50』『太陽の蓋』そして『シン・ゴジラ』

少し前に録画していた『Fukushima 50』なかなか観る気持ちが起きなかったのですが3月11日映画放送もあったらしくあちこちで話題となり自分も確かめたくなり鑑賞しました。 以前観ていた『太陽の蓋』を再鑑賞し、あれこれと批評を読みました。 ある批評で『Fu…

『 閉鎖病棟 -それぞれの朝- 』平山秀幸

少し前に録画していた映画です。早く観なければと思いながら手が伸びずにいました。実は原作小説も買っていたのですがなかなか入り込めずそのままになっていました。 若い頃はそんな思いをすることはほとんどなかったのですが一途に小説を読みその世界に入る…

『226』五社英雄、『激動の昭和史 軍閥』堀川弘通

明治から昭和初期にかけての歴史をもっと学びたいと思っているのですが、ドラマや映画、マンガにしてもその時代が舞台になるものはかなり少ないのが実情です。 実写映像でテーマをもってまとめられているという点で映画は非常に良いメディアなのですが観たく…

『HOUSE ハウス』大林宣彦

今まで何度か観賞しようとして挫折していたのですが昨日の『花筐』感動に力を借りて再挑戦してみました。 1977年公開当時私は大林監督が観客対象者に望んだ15歳以下だったわけですがその時観たとしてもこの映画を楽しめる才能はなかったように思えます。 今…

『花筐/HANAGATAMI』 大林宣彦

大林監督作品、今まで上手く作られていると思っても一度も心底から好きになったことはなかったのですが本作は素晴らしかったです。 若者であるはずの主人公とその友を中年男性で演じさせるという手法が酷くしっくりいってしまうと感じたのは私が年を取ってい…

『CURE』黒沢清

昨日の『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』(中村義洋監督)で酷く気持ちが傷ついたので急遽何度も観た『CURE』を再生しました。 なんでこの映画?と思いましたが本作の『CURE』は癒しという意味なので図らずも正解だったようです。 『残穢』で日本…

『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』中村義洋

悪評なのでそういうのが嫌な方は読まないがいいです。 ネタバレ、するほどもないですが一応ご注意を。 日々韓国映画に感嘆する評ばかり書いているのですがたまには日本映画を観てみようと思いかなり評価が高かったのでそれなりに期待して観たのですがあまり…

『県警対組織暴力』深作欣二

一月万冊の平田さんからお勧めされて(話題になってたということですが)初めて観ました。 これまでいろいろな映画観てきましたがどういうものか洋の東西を問わずヤクザ映画はどうしても好きになれなかったのです。 なので名作と言われる深作欣二の一連の映…