面白く鑑賞しました。
ドッペルゲンガーというか普通にもう一つの人格と思えました。
女性の方は弟の厳格を見、主人公は自分の欲望からもう一つの人格を出してしまったというわりにストレートな見方でよろしいのではないでしょうか。
主人公は才能はあるのかもしれませんが傲慢な人間です。自分ではそれを押さえているつもりでいるのだけどそうではない。
ほんとうに自分の姿を見ているようで痛い気持ちになりました。いや、才能がある、というのも思い込みのようにも見えますしね。
つまり映画の中でドッペルゲンガーを観ているつもりでいたら自分のドッペルゲンガーを映画の中に観てしまったというわけです。
永作博美演じる女性もなんかつかみどころのない奇妙な女性でもあり普通の女性らしくもありこちらも観てて痛くなります。
黒沢清監督が描く主人公男性はいつも空威張りで卑怯で狡いのがおかしい。他の映画ではかっこいい男性が描かれますが実際の男ってこうだろというのが潔しです。そういえばもう一人の黒澤監督の男はまさにそうですね。(もちろんちゃんとダメな男も描いていますが)
黒沢と黒澤のドッペルゲンガーとも言えます。
凄い低予算の手作り映画なのでしょうがそれでここまで面白い映画が作れてしまうのが凄い。
暗く思い作品ですが逆に気分をすっきりさせてくれました。