昨日の『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』(中村義洋監督)で酷く気持ちが傷ついたので急遽何度も観た『CURE』を再生しました。
なんでこの映画?と思いましたが本作の『CURE』は癒しという意味なので図らずも正解だったようです。
『残穢』で日本映画に失望するのもあんまりではありませんか。
日本には黒澤と黒沢がいる。それだけでも十分でおつりがきます。
まあ名前にこだわるのはいけませんがとにかく『CURE』はとても良いです。良いということで癒されます。
本作ほどのホラーはないと思います。が、一般のホラーで常套手段の怖いだろう映像や演出はありません。
それなのにこれほど恐怖を覗かせられる映画もないのです。
黒沢監督作品は他にも良いものが幾つもありますがやはり本作は特別に怖い。幽霊とか化け物とかではなく自分自身が怖くなってしまうのです。
観ているうちに自分自身が『CURE』されてしまう気がして怖いのです。
というかもうすでにされてしまったのかもしれません。
自分自身が怖くなる。それ以上の恐怖があるでしょうか。
しかも何度も観ているというのはしばらく経つと自ら『CURE』してもらいたくなってしまっているということです。
間宮のあの声を聴きたくなってしまっているのです。
日本映画に失望しそうになっても『CURE』があるよと思うのも怖いです。