ガエル記

散策

女性

『戦争は女の顔をしていない』 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ (著), 三浦 みどり (翻訳)

これは読まなければ、と思っていた本で読んでみて確かに良かったと感じました。 驚きだったのは著者がこの聞き取りをする際に男性ジャーナリストたちから「女性たちは嘘の証言ばかりするに決まっている」と言われ続け実際の聞き取りの中でも当の女性の夫が間…

『ノマドランド』クロエ・ジャオ

テレビ放送があってからかなり経つのにやっと観る気持ちを奮い起こしました。こう思った人は結構多いようでレビューには「重く辛い内容かと懸念していたのに実際は違っていた」と書かれているのが散見されます。 この映画は主演のフランシス・マクドーマンド…

『ジェーン・エア』シャーロット・ブロンテ その2

ドラマの画像です 再読完了しました。 描かれている恋愛の激しさに打ちのめされます。現在の感覚でいえばここまで情熱的なセリフを語るのはやりすぎ、と思えるのですがそれでもやはり感動してしまいます。 急に読みたくなったのはもしかしたらこの時代がかっ…

『プラダを着た悪魔』デヴィッド・フランケル

なんとなくお洒落な映画なんだろうと思いこれまでまったく観ようとしていなかった、たぶん一生観ようとも思わぬだろう映画だったのですが岡田斗司夫氏の「おもしろいよ」という動画を観て以来岡田氏から(本人も意外でしょうがとおっしゃってたが)まさかこ…

『ソフィーの選択』アラン・J・パクラ

ずっと以前に観ていた、と思っていたのですが観始めても記憶が戻る感覚がなかったのでもしかしたらまったく観ていなかったのかもしれません。 なにかとよく引き合いにされる映画なので観たと思い込んでいたようです。 一度観たら忘れられない名作と謳われて…

『SHIROBAKO劇場版』水島努

昨日途中まで観て「おもしろいよ」とツイートしてしまったのですが最後まで鑑賞して「うーむ」と唸っている状態です。 他の方のレビューでも賛否両論というよりほとんどの方が「おもしろくなくはないけど」「良いところもあれば悪いところもある」といったひ…

『死の壁』『超バカの壁』養老孟子

養老孟子氏の著書を読み進めています。 本著の中で特に気になったもののひとつが「第六章 脳死と村八分」です。 日本というのはいまだに村文化である、という言葉はこれまでにも聞いてきましたが改めてその意味を教えてもらいました。 世界中で廃止になって…

『たちあがる女』ベネディクト・エルリングソン

良い映画と巡り合えました。ほとんどまったく観ることのなかったアイスランドの映画ですが、こんなにも面白く楽しく深く考えさせてくれる作品があるのですね。 主人公女性の気持ちに寄り添って画面に演奏家やコーラス隊が登場し音楽を奏で歌うという演出もと…

『機動戦士Ζガンダム』の女性たち

Ζガンダムの見どころは様々な女性たちだというのは誰しも認めるものでしょう。主人公カミーユ自身可愛らしい容貌で女性の名前が付けられているというのがコンプレックスの少年なのですがこの少年カミーユに次々と個性的で魅力ある女性たちが絡んでくるという…

『岸辺の旅』黒沢清 その2『はちどり』

続けて観たこともあってその差異と共通点を感じたのが韓国映画『はちどり』です。 若いキム・ボラ監督第一作のシンプルな構成と比較すると本作は非常に技巧的な熟練を感じさせます。 『岸辺の旅』はタイトルからしても年を経て生きていく悲しさがあり『はち…

『岸辺の旅』黒沢清 その1『はちどり』との符号

録画したものを寝かせたままになっていてからの鑑賞でした。予備知識がなかったのですがこれも私的には『SonnyBoy』関連映画と言えそうです。 そのつもりではなかったのに求めていると呼び寄せてしまうことが多々ありますね。 ネタバレしますのでご注意を。 …

『サニー 永遠の仲間たち』カン・ヒョンチョル

上の本国・韓国版と使っている写真は同じなのにレイアウト・色味などで微妙に差異をつけた日本版ポスターを並べてみました。 韓国版がもっさりしているのに日本版はシャープな感じですが、この映画の場合は本国・韓国版が正解でしょう。妙なおしゃれ感は間違…

『ババドック 暗闇の魔物』ジェニファー・ケント

これも「デブ・フロムショー」でデイブさんお留守の際にアリさん司会で角由紀子氏が「一番怖いホラームービー」と言われていたので気になって鑑賞しました。 先日角氏お勧め『ゼム』が納得の面白さだったので。 そしてこちらも納得の恐怖でした。 そして本作…

『ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線』アンティ・ヨキネン その2

そしてこちらが『Kätilö』で検索して出てきた画像です。素晴らしいとまでは言い難いですがさすがに内容をイメージさせる仕上がりになっています。 日本版はこちら 大きく映っているのが上ポスターでロマンチックな横顔の彼です。そして右下隅の小さな女性が…

『ブリムストーン』マルティン・コールホーベン

アマゾンプライムにて鑑賞しました。なんとプライム無料今日いっぱいなのでお早めに。 アメリカ西部劇で観てきた時代に女性たちはどのような存在だったのかを描いています。 とはいえ本作は昔話をしているのではなく男性社会で女性がどのような暴力にさらさ…

現在の性認識と源氏物語 その4

既にタイトルとは離れてきていますがそのまま書き続けます。 この話題は今回で最後にするつもりですがそのヒロインは浮舟です。 田辺聖子著では『霧ふかき宇治の恋』に登場する浮舟はその生い立ちもあってやや軽んじられる存在です。 薫の君と匂宮というふた…

現在の性認識と源氏物語 その3

私が読んだ『源氏物語』は田辺聖子著『新源氏物語』(今風にいうと『シン・ゲンジモノガタリ』)です。なのでここで書いていることはそこからの引用・感想となります。 田辺聖子氏によればあくまでも「主人公である光源氏を魅力的な人物として描くこと」とさ…

現在の性認識と源氏物語 その1

news.yahoo.co.jp www.tokyo-np.co.jp 「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」 立憲民主党所属の一議員の発言からそれに対する賛否がネット上で巻き起こり一週間たってもまだ収まらない状態で…

『誰も知らない』韓国ドラマ

鑑賞完了。噂にたがわぬ面白い連続ドラマでした。 キム・ソヒョン演じるチャ・ヨンジンのかっこよさに痺れるドラマであるのは間違いないですがやはり魅力を感じてしまうのはペク・サンホなのです。 ということはこの作品の主人公は女性ではありますが男性的…

『少年青年マンガ』の戦いと『少女マンガ』の戦い

先日ひょこっと思いついたことを忘れないうちに記しておきます。 事の始まりは相変わらずですが、ある方のツイートでした。 これ真鍋先生がよくやる「途中まで言っていることはもっともそうなんだけど、その結論や行動は浅はかだよね」という一種の皮肉なの…

大坂なおみ選手への感動

世界ランキング2位の大坂は30日、ローラン・ギャロスで開催されている全仏オープン1回戦で勝利したが、試合後の記者会見を予告どおり拒否したため1万5000ドルの罰金を科された。翌31日、大坂は大会を棄権すると表明。世界の主要なメディアとの会見の前にはい…

LGBTは存在しない。性同一性障害だって存在しない。とは?

anmintei.net 「一月万冊」でまた「れいわ新選組」の活動でまた安冨歩氏の著書で私はその考えに深く共鳴し感銘してきていたのですが氏のブログにこのような記事があるのを今まで知りませんでした。 ご本人のリツイートでこの記事を知らされました。リツイー…

『タイタニック』ジェームズ・キャメロン その2 キューブリックの『シャイニング』とつながっている?

今朝の続きです。 私はちらっと何回か観たかもしれませんが20数年ぶりに『タイタニック』をちゃんと再鑑賞して面白さをやっと理解できました。 ネタバレしますのでご注意を。 (キューブリック『シャイニング』のネタバレにもなります) ケイト・ウィンスレ…

『タイタニック』ジェームズ・キャメロン

地上波テレビ放送されて話題になっていました。私は「金ロー」は観なかったのですが久しぶりに観たくなって以前録画していた吹き替え版を引っ張り出してみました。 1997年公開時に映画館には行っていませんがレンタルかテレビ放送かで早いうちに観たはずです…

『月に咲く花の如く』

アマゾンプライムとうとう観たいものがなくなって(というか見つけられなくて)困ったことに。ドラマは敬遠したい私ですがとりあえずいくつか試し見していたのですがやはりぴんと来ない。 そんな中で出だしから面白く思えたのがこのドラマ『月に咲く花の如く…

『アニメーションの女王たち』ナサリア・ホルト

ディズニーの世界を変えた女性たちの知られざる物語 というキャプションが本書を説明しています。 1934年にビアンカという女性がウォルト・ディズニーに手紙を送ります。その後の面接でウォルトは彼女の才能を認めビアンカはディズニースタジオシナリオ部門…

『コンタクト』ロバート・ゼメキス

何度も観ている作品です。 最初観た時はあまり良さがわからずにいたような記憶があります。 しばらく間を置いて観返した時突然その面白さに気づき慌てました。 それからも何度か観て今回再々再再度観てこの素晴らしい映画をなぜもっと世界は騒がなかったのか…

『 スタンドアップ』ニキ・カーロ

wowowオンデマンドにて鑑賞。2005年製作映画でシャーリーズ・セロン主演という華やかさでありながらまったくタイトルすら知りませんでした。 もちろんそれは私が「知らなかった」というだけの話ですがもう少し話題になってもよさそうだと思ってしまいます。 …

『陰陽師』岡野玲子 その2

さて続きます。 岡野玲子著『陰陽師』ネタバレしますのでご注意を。 上の画像が岡野著オリジナルキャラクター「真葛」です。 私は原作未読なので夢枕獏氏がそのあたりどう書かれているかは知らないのですが岡野『陰陽師』の紹介でそう書かれており、晴明・博…

『陰陽師』岡野玲子 その1

前回『青天を衝け』の記事で「狐憑きが出てきたので思わず『陰陽師』の管狐を探してそのままはまり込んでしまった」というようなことを書いたのですがマジで数日読み浸っていました。 というのは岡野玲子著『陰陽師』の十巻以降は非常に難解な内容で読みづら…