ガエル記

散策

社会

『戦火のナージャ』ニキータ・ミハルコフ

前作『太陽に灼かれて』は未見ですが引き込まれて観てしまいました。 あまり観る機会のなかった独ソ戦作品です。 冒頭のスターリンエピソードからして奇妙に怖ろしくぞわぞわしました。この共産圏独特の恐怖は耐え難いですがそれを弾圧する派も恐ろしいです…

『 スタンドアップ』ニキ・カーロ

wowowオンデマンドにて鑑賞。2005年製作映画でシャーリーズ・セロン主演という華やかさでありながらまったくタイトルすら知りませんでした。 もちろんそれは私が「知らなかった」というだけの話ですがもう少し話題になってもよさそうだと思ってしまいます。 …

『 THE WAVE ウェイヴ』デニス・ガンゼル

なんのきっかけだったのかもう忘れてしまいましたがずっと気になっていた映画作品でやっと観ることになりました。 ネタバレしますのでご注意を。 ドイツのとある高校の一クラスで一教師が独裁政治とはどういうものかを生徒たちに体験させるという実験のドラ…

森喜朗そして誰もいなくなった

とても微妙な時期に入り込んでいる気がします。 安倍政権の後期になるほど日本社会は硬直化して「なぜこんなことに?」という事柄が頻発しました。 もう何もかもがおかしな方向へ進んでいるのにそれをどうしても正しい方向へ向けることができないもどかしさ…

『黒く濁る村』カン・ウソク

これは思いもかけずとんでもなく面白かったです。 言っちゃなんだけど昨日の『ヘレディタリー』よりも私にとっては価値ありの作品でした。 出だしはちょっとたるい感じで映像もいつもの韓国映画より質が落ちるような気がして低予算なのかななどと思っていた…

『県警対組織暴力』深作欣二

一月万冊の平田さんからお勧めされて(話題になってたということですが)初めて観ました。 これまでいろいろな映画観てきましたがどういうものか洋の東西を問わずヤクザ映画はどうしても好きになれなかったのです。 なので名作と言われる深作欣二の一連の映…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その4

続けます。 山岸凉子他の作品についてもネタバレしますのでご注意を。 タイトルに「完結した」と書いてしまいましたが、山岸凉子という作家においてこの物語は完結したのでしょうか。 山岸凉子ほど自分の内面を見つめ恐ろしい心理を描き抜いた作家はいないと…

ユートピアはディストピアであり人類はひとつになったりしないのだ

「もし人類以外の強大な敵が現れたら人類は一丸となり争い事をやめるだろうと。おぬしはどう思うかの?」 『進撃の巨人』でピクシス司令の問いかけにエレンは「あくびが出ます」と答えます。「その強大な敵にここまで追い詰められた今でも一つになったとは言…

既存の流通システムを破壊しよう

先日「一月万冊」で清水氏と安冨歩教授が映画や本の流通システムについて語る動画がありました。 安冨教授が言われるには「『れいわ一揆』で原監督や自分がどんなに宣伝に駆けずり回っても映画会社からはまったく報酬がない」ということでした。 この言葉を…

『弁護人』ヤン・ウソク

予備知識なしで観始めたのですがこれは韓国大統領だった廬武鉉がモデルになっているのでした。それにも驚きました。 つまりこの映画の内容は反政府的であり映画公開当時の韓国政府に反感を持たれてしまうのは必至だったわけです。主演のソン・ガンホは当時政…

『光州5・18』キム・ジフン

実際に起きた悲劇のクーデターを描いた作品と比較してしまうのは申し訳ないのですがこの映画に見合う日本映画は『シン・ゴジラ』ではないかと思いました。 というのは映画自体の品質は良くないのでそれぞれにとっての外国での評価は低いけれど本国では国民的…

『タクシー運転手 約束は海を越えて』チャン・フン

韓国俳優さんはみんな背が高いなー。ソン・ガンホも大きいけど若いやつさらに高いとは。 韓国映画スイッチが入ったのでイ・ジュニク作品終わったけど続けて観ることに。 こちらはソン・ガンホつながりというべきかもですが冒頭でピーターと英語で話していた…

『ミッドサマー』アリ・アスター

怖く面白い、という噂を読んでから物凄く期待していましたが、思ってた以上に凄かったです。 以下、ネタバレしますのでご注意を。 この映画を観てから「日本で作ったら・・・」と考えようとしたのですが古い伝統を守り続ける田舎に見知らぬ者が訪れてという…

『秋瑾 -競雄女侠-』ハーマン・ヤウ

アマゾンプライムで鑑賞したのですがなぜかこの映画を検索しても情報が出てきませんね。 日本でも学んだという秋瑾という名の実在の女傑の物語ですが私はこの映画で初めて知りました。 数少ない情報を読んでもやはりあまり有名ではないようですがこれは観て…

アツギのタイツイラストを考えてみる その2

gaerial.hatenablog.com 今朝の続きです。 津原泰水氏の指摘でこれらのイラストが平成初期タッチでありそのカテゴリにはもう女性しか残っていないという事柄を知って侘しく思います。 炎上騒ぎは「女性向け商品をどうして男性受けを狙ったとしか思えないイラ…

アツギのタイツイラストを考えてみる その1

#ラブタイツというタグをつけてタイツメーカーの「ATSUGI」が打ち出したキャンペーンは「タイツをはいた女性のイラストとのコラボ」という形で話題を集めようとしたものでしたがそのイラストを見たフェミニストの間で「女性向けの商品を何故男性目線の広告…

三島由紀夫を考える

Huge Nihility: The World View of Yukio Mishima 三島由紀夫の考えが好きではない、どころか嫌いなのにもかかわらず三島についての話があるとつい見入ってしまうのはどうしてなのでしょうか。 若い頃は軍服ごっこをして自衛隊員の前で大演説して割腹自殺し…

『カリスマ』黒沢清

はまりました。 難解で一つ一つの場面に何らかの意味があるとかどうでもいいと思うほどにおもしろかったです。 なんですか、この奇妙な感じ。 登場人物は非常にごくあたりまえの日本人 としか見えませんがあたりまえであればあるほど奇妙で不気味でおかしい…

『私はあなたの二グロではない』ラウル・ペック

(I Am Not Your Negro)は、ジェイムズ・ボールドウィンの未完成原稿『Remember This House』を基にしたラウル・ペック監督による2016年のドキュメンタリー映画である。サミュエル・L・ジャクソンがナレーションを務めるこの映画は、ボールドウィンによる公…

学校をなくそう

いつの頃からか「学校、という仕組みはもう無くしたほうがいいのではないか」と考えるようになりました。 生徒同士だけでなく教師から生徒、あるいは生徒から教師、そして教師対教師のいじめ虐待、暴力、ハラスメント、様々な言葉で表現される怖ろしい関係は…

『複雑さを生きる』安冨歩 第4章 動的な戦略 一 無形

いきなり第4章ですがどうしてもここを書きたかったのです。 つまりネタバレになりますのでご注意を。 この「無形」という言葉については以前安冨教授ご自身がれいわ新選組の山本太郎氏について語られていた時に説明されていたのを聞きました。 安冨氏は孫氏…

『れいわ一揆』と安冨歩教授について その3

news.yahoo.co.jp そうして安冨教授の言葉を聞き、本を読み、『れいわ一揆』公開上映となって原一男監督の言葉を聞き、読んでいると様々な思いが押し寄せてきます。 それは失望・無念さなどではなくむしろさらに大きな期待であるのは何も不思議なことではな…

『れいわ一揆』と安冨歩教授について その2

つまり私が安冨歩教授に興味を持ったのは大西つねき発言に対する反応からになります。以降、私は安冨歩氏の考えを探し始めました。 まず出会ったのは清水有高『一月万冊』です。ここでは清水有高さんが安冨教授の本を紹介しながら安冨教授との対話が動画とな…

『魂の殺人』アリス・ミラー

『一月万冊』で安冨歩教授と清水有高氏の対話でアリス・ミラー著『魂の殺人』を知りました。YouTubeで両氏はこの本について何度となく触れておられます。 思うに最も恐ろしいことは自分の親が恐怖の存在であることです。絶対に抵抗のできない子供時代そして…

『幸福路のチー』宋欣穎

実をいうと本作中身を見るまでは期待していませんでした。日本やアメリカ・フランスのアニメを見なれてしまった目には本作のポスターとなるイラストがあまりに稚拙に映ったのです。 同じように感じた方はその偏見を捨てて内容を観てください。きっと目にはま…

『虐待の証明/ミス・ペク』イ・ジウォン

子供を酷い目にあわせる映画はどんなホラーよりも怖ろしくて観るのが耐えがたい。この映画も何度も観るのを止めようとしたのですが「自分は観ているだけなのに逃げちゃいけない」と言い聞かせてどうにか見通しました。 韓国映画は久しぶり(と言うほどでもな…

『満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦』安冨歩

安冨歩教授を知ったのは「れいわ新選組」からでした。女性装の男性東大教授という存在にまず惹きつけられそのお話から考えを聞いてより興味を持ちそれから経済学者と判ってますます驚いたのですがその著作に「星の王子さま」やマイケルジャクソンについて書…

『ゼイリブ』ジョン・カーペンター【安倍政権の終息の今日】

デイブ・フロムさんがこの映画を話題にしていたのを聞いて観てみました。 以下ネタバレです。 デイブさんからほとんど話は聞いていたのですが、そのとおりコテコテのディストピアものであります。 この映画は1988年製作で当時のレーガン政権を皮肉るものであ…

『CURE』黒沢清

何度か観ていますが何度観ても怖い映画です。 観ているうちに自分自身が取り込まれてしまいそうに思える映画、というのはそうそうないものですが、まさしくこの映画はそれだと言えます。 以下ネタバレです。ご注意を。 おまけに今回は先日観た原田真人『日本…

YouTube『一月万冊』安冨歩氏と烏賀陽弘道氏

世界標準の戦争と平和について。東京大学安冨教授とジャーナリスト烏賀陽弘道さん対談。 清水有高さんの読書動画(と書かれています)YouTubeの『一月万冊』を観続けています。 はじまりは安冨歩教授との対談で目からウロコが何枚も落ち続けました。 まだ見…