ガエル記

散策

『推しの子』アニメ

7話まで鑑賞。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

原作未読です。

 

6・7話リアリティショーエピソードがまじで現実の事件とカブってしまいいまだ渦の中にありますね。

いまのところそれでアニメ自粛などにはならないようなのでちょっと安堵しています。

 

そもそも本作は10代の少年少女いわば子どもをメインの売り物にする日本の芸能界とそれを楽しんでいる大衆をぶん殴りに来た作品だと認識しています。

なので何の悶着なしにはいないだろうなと思ってはいましたがそれは芸能界からのほうだと考えてきてまさかアイドル側からの攻撃とは考えませんでした。

というか多くの方が言われている通りそちら側から抗議が出るよう焚きつけがあったのではないかと思ってしまいます。

 

すでに世界的に何十人もの犠牲者が出て問題となっていたリアリティショーを「これは日本でも受ける」と犠牲者がでる予想もありながらしれっと企画した日本テレビ番組とそれに乗った芸能界。

いやむしろ死者が出るのを期待していたのではとしか思えない。

『推しの子』はそんな芸能界とテレビ業界に鉄槌を下すものだと私は予感しましたし事実このエピソードはそれを証明してくれました。

そして「こうであって欲しい」という願いで作られているのです。

現実はその願いとは違った悲しいものでしたが。

そして犠牲者の肉親のかたがこの作品を観てその解釈をされなかったのは残念ではありますがそれはもう仕方ないのかもしれません。

 

私はどういうわけか子供時代から日本のアイドル系芸能界が「奴隷市場」にしか見えなくてこの状況は改善されるべきだと思ってきました。

私の願いの方向性ではなく時代の移り変わりで芸能界自体が縮小されたとは思うのですがそれでも毒牙は相変わらずこどもたち若者たちを犠牲にしています。

今現在ジャニーズ問題そして歌舞伎界にもこれまでスルーされ続けてきた疑問の目が向けられ始めました。

やっとひとつひとつの問題が議論される時期が来たのでしょうか。

それともまたなかったことにされるのでしょうか。

『推しの子』はこれまでの日本社会でなあなあにされてきた部分をえぐり取ろうとしています。

これは激しい痛みを伴うのです。だからこそ反発の声があがるのは必至なのです。

マンガやアニメは往々にしてファンタジー世界に仮定することで問題提議をしてきましたが本作は直接現実社会に問題を突きつけています。

現実を凝視しえぐる作品はあまりにも生々しく辛いのです。

このさきどんなエピソードが待っているのか私は知らないのですがさらに激しいバッシングもまた待ち構えているようにも感じます。

 

今回の件で「現実の事件を知ってこのエピソードを回避することもできたはず」という声も見かけましたがそれをやればすべてのエピソードがなくなり結局「問題提議はせずなあなあでやりましょうや」というこれまでの日本社会に戻ってしまいますよ。

とはいえこの作品自体のスタッフの精神も心配されます。

どうかご無事で。

他のどんな作品より過激に恐ろしい戦いに挑んでいるのだと思っています。

日本社会の鬼との戦いを始めたのです。その鬼は日本国民です。