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散策

史記

『史記』横山光輝 ② 再読 第2話「臥薪嘗胆」第3話「呉の滅亡」

以前も書いたかもですが不思議な表紙絵です。臥薪と嘗胆を描いていますね。 ネタバレします。 冒頭に「呉と越は黄河流域の中央から離れていたため南方の蛮地と見られていた」と書かれている。 『三国志』で妙に孫権の呉が仲間外れ的なのはそのせいだったのか…

『史記』横山光輝 ② 再読 第1話「復讐の鬼/前編後編」

伍子胥の物語です。 横山光輝『史記』の中でも特に印象が強かったものでした。 この表紙絵からして骸骨の前で鞭を持って立つ壮絶さが描かれています。 ネタバレします。 春秋時代(戦国時代)始まる。 楚の二十七代平王(在位紀元前528~516)は横暴な…

『史記』横山光輝 ① 再読 第3話「 驪姫の陰謀」第4話「漂泊の覇者・文公」

紀元前666年頃からのお話です。 ネタバレします。 第十九代晋の献公は異民族の驪戎を征伐し驪姫とその妹を捕らえ側室としたのだった。 この物語はその驪姫の陰謀、という話として描かれているが現在の感覚で言えばむしろ復讐譚なのではないだろうか。 まあど…

『史記』横山光輝 ① 再読 第2話「名宰相・管仲」

「管鮑の交わり」と呼ばれる友情譚です。 ネタバレします。 紀元前667年以降の話である。(紀元前だよ!) 前667年、斉の桓公は周王より伯(覇者)を賜る。 この斉というのはあの太公望が周の軍師となりその功績によって与えられた国である。 横山光輝『殷周…

『史記』横山光輝 ① 再読 第1話「司馬遷」

読み返したいなあと思いがつのりようやくもろもろ一段落したので再読します。 ほくほく。 ネタバレします。 この偉大な歴史書を編纂した人物・司馬遷の物語から始まる。 私は今思い返すと「司馬遷は宦官だった」と記憶していたのか「去勢されていた」とだけ…

『刺客伝』横山光輝

1974年「少年チャンピオン増刊号」掲載 同じく横山光輝著『史記』7巻の第3話「刺客荊軻」の原型作品、と横山光輝オフィシャルウェブで記されています。 ネタバレしますのでご注意を。 まずは先日読んだ『史記』と絵を比べてみましょう。 『史記』「刺客荊軻…

『史記列伝/下』横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第6話「野心家寧成」 前回の郅都のさらに上を行く恐ろしい酷吏・寧成の物語である。 郅都はただひたすら生真面目で恐ろしかったが寧成に至っては恐怖を与えることを自覚しているのだがそのせいもあってか早めに捕まり投獄され…

『史記列伝/上』横山光輝 その2

ネタバレしますのでご注意を。 本作では魯国の朱家について描かれている。 朱家は遊侠の徒として名を馳せたという。 遊侠の徒、とは「約束したことは絶対に守り、なそうとしたことは絶対にやり遂げ、命を懸けても人の窮地を救い、千里の果てにいても信義を守…

『史記列伝/上』横山光輝

ネタバレしますのでご注意を。 第1話「義に殉ずる」 「刺客列伝」にその名を記された予譲の物語だ。 前五世紀、六人の大夫(家老)が権力闘争を始めた頃、予譲という才能のある男がいた。 が、彼は使い走り程度の役目にしかつけないままでいた。 そんな時、…

『赤龍王』本宮ひろ志:横山光輝『項羽と劉邦』との読み比べ その2

怒涛の項羽と劉邦でした。 とにかく勢いが物凄い。 私は横山『項羽と劉邦』を読んでいたので内容はわかるのですがいきなり本作を読んで理解できるものなのでしょうかと心配にはなりました。 ネタバレしますのでご注意を。 一番気になるのは虞美人の変化より…

『赤龍王』本宮ひろ志:横山光輝『項羽と劉邦』との読み比べ その1

突然の本宮ひろ志。と言ってももちろん『項羽と劉邦』だからである。しかも張良がかなり気になるキャラデザだったので読まずにはおれなかった。 私は横山光輝マンガはまったく読んでこなかったのですが本宮ひろ志は幾つかは読んでいて大好きだったりします。…