ガエル記

散策

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

平成の天皇

平成の天皇の退位儀式など観ておりました。天皇制度についてはもし突然何かの理由で終わるとしてもそれはそれで仕方ないかなと私は思いますが、できることなら天皇がおられるのは良いこととも思っています。 そして平成期の天皇のご尽力は本当に凄まじいほど…

久野久~「ピアニストという蛮族がいる」中村紘子

そして本著で私が最も衝撃を受けたのがピアノスト・久野久についての一節です。昨日書いた音楽会で日本初の官費留学生として欧米で音楽を学んだ幸田延から師事を受けた女性です。 私はこの本を読むまで久野久という女性ピアニストについて全く知りませんでし…

幸田延~「ピアニストという蛮族がいる」中村紘子

今は亡きピアニスト中村紘子氏によるさまざまなピアニストについて語った「随筆」集と呼んでいいのでしょうか。 この中で私が特に興味を惹かれたのは日本における西洋音楽の開祖とも言うべき二人の女性音楽家のエピソードでした。 しかもそれぞれある種の衝…

「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー

遅まきながらついに映画館で観てまいりました「ボヘミアン・ラプソディ」 私は熱烈なクイーンファンだったわけではありませんが、洋楽が好きだった50代人間なら当然の如くその楽曲を知らぬはずもなく。 少女マンガなどでその知識を得たり、サッカー会場で「…

学校廃止論

中学生時期に性被害に遭ったという女性が40代になってやっとそのことを告発した、という報道を見て改めて「学校」という制度の廃止を考えてしまいます。 「学校の廃止」ということの意味は「規定による先生と生徒という上下関係の廃止」という意味なのです。…

「書くことについて」スティーヴン・キング

小説だけでなく文章を書いてみようと思う人なら読んで損はない一冊です。 キング独特の饒舌な語り口はここでも健在でとても楽しい本ですが、読んでから文章を書こうとしたら「おい、今読んだばかりの残念な文章を書いてやしないか」と怯えてしまう恐れはある…

「ゲーム・オブ・スローンズ」第七シーズンまで

TVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ」最終章が放送されているそうですが、私はネット配信で第七シーズンまで鑑賞し今再鑑賞しているところです。 不真面目にながら鑑賞していましたので、再鑑賞もなかなか新鮮です。 何故再鑑賞し始めたのかというと実はわ…

原発の対テロ施設、未完成なら運転停止

headlines.yahoo.co.jp www.asahi.com これは突然どういう展開なのでしょうか? 私は原発反対なので原発が停止する、という話なのであれば賛成なのですが。 まずはテレビで報道を見たのですが、原子力規制委員会の更田豊志委員長の記者会見を聞いていると「…

アイドル界と山口真帆さんのこと

blogos.com NGT48に所属していた山口真帆さんの事件の一部始終はテレビなどの報道で大まかには知っていました。 アイドルの悲劇というのは繰り返されてきました。今回もまた暴行被害を受けたアイドル女性が逆に謝罪をする、という奇妙な展開が起きてしまい…

少女マンガ世界を映画化してほしいという願い

どうしようもないことを書きます。 というのは現実に存在しなくて自分でもそれができないし、想像もつかないものを「誰かできないのかよ」という愚痴だからです。 というのは誰か「少女マンガを映画化してくれないのか」ということなのですが、そんなことを…

差別は変わる

差別意識は変わるものです。 というか、「あれ、昔ってそんなに差別していたんだっけ?」 というようなものもあるのですね。 先日、岡田斗司夫さんのニコ生放送で宮崎駿アニメ「風立ちぬ」の分析のなかで「この頃の眼鏡男子は男としての価値がなかった」とい…

少しずつ変わる兆し

統一地方選が行われ、日本で史上最多の6人の女性市長が生まれたということですね。 6人とか微々たるもの、という気もしますが何事も少しずつ進むものです。先日、「長」と呼ばれる地位に女性がつかなければ意識は変わらない、という話を書きましたが、少しず…

「銀の三角」萩尾望都

漫画でもアニメでも小説でも映画でも音楽でも絵画でもその評価を左右するのは自分の感覚に合うかどうかというのが第一になってくるのが当然なのですが、萩尾望都のマンガは超越した技巧を持ちながら且つ自分の感性にぴたりとあってくるので如何ともしがたい…

「風立ちぬ」宮崎駿

とても面白く様々なことを考えさせてくれる深みのあるアニメ作品でした。特に主人公の恋愛関係においてここまでの機微を描いているものは実写映画にもそうそうあるものではない、と感じました。 ものネット上で上がっているこの作品の感想を探すと「一途な愛…

第三のポイント

kariyatetsu.com 大人気漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」三編を私は読んでいないのですが、連載当時すぐに問題となったことは覚えています。 ずっと以前は読んでいましたので、もともとグルメ漫画というだけでなく様々な問題提議をしてきたマンガ作品とい…

女と男と

昨日書いた記事「彼女は頭が悪いから」で思い出したのが小説「ミスター・グッドバーを探して」と書きました。そして「ミスター・グッドバーを探して」を読み返していると思い出すのが「東電OL殺人事件」(佐野眞一)とその事件から書かれた小説「グロテスク…

「彼女は頭が悪いから」姫野カオルコ

上野千鶴子氏のスピーチで取り上げられただけではなく読まねばな、と思っていた本著を図書館で借りられたのでやっと読むことができました。 内容についてはもちろんタイトルを聞いた時に知らされてたわけですが、その事件に憤りを感じた者がこう描いて欲しい…

靴のかかとがなくなったらば

仕事柄ほとんどスニーカーで生活しているのですが、しまい込んでたパンプス系を引っ張り出して履いて出かけようとしたら、なんだか履き心地がおかしい? なんと、かかとの底が消え失せてしまって釘の頭がカチカチ床に当たって心地悪かったわけです。上部分は…

夏目漱石こそはケモ元祖~萌えの基盤を作った作家~

今頃になって思うのですが、「日本の作品(小説・マンガ・映画など)の基本は夏目漱石に尽きるのではないか」と。 というのは先日100分de名著の「夏目漱石スペシャル」なるものを見ていたら、今までドラマやマンガで見て来たよくある設定ってここから来てる…

上野千鶴子氏の祝辞

www.u-tokyo.ac.jp 先日(平成31年4月)東大入学式で行われた上野千鶴子氏の祝辞です。 自分でもあきれることですが今まで上野千鶴子氏の名前や影響力の話を聞いたことはあってもそれほどに意識してこなかったのです。 それがこの祝辞をツイッターで読んで強…

ジェンダーバイアスは続くよどこまでも

昨日の続き、というようにはならないかもしれませんが続けてふらふらと書いていきます。 「日出処の天子」は作者・山岸凉子のジェンダーバイアスの強さから作られた優れた作品なのだと思っています。 厩戸皇子は明らかに高位の男性の地位を与えられたと設定…

ジェンダーバイアスの苦しみより生まれた「日出処の天子」山岸凉子

さて「ジェンダーバイアスのかかった漫画は滅びればいい」というテーマについて書いている間で、山岸凉子「日出処の天子」を読み返していました。中身の濃い11巻です。何度読み返したか、判りませんが何度読んでも面白いです。ただしこんなに「ジェンダー…

ジェンダーバイアスのかかった漫画は その2

もう久しく、少女マンガだけでなくマンガ自体を読まなくなってしまったのですが、幾つか読んでいるのが「ゴールデンカムイ」「進撃の巨人」「レベレーション」あとネットで「こぐまのケーキ屋さん」「ぼくと三本足のちょんぴー」です。この作品たち、考えた…

ジェンダーバイアスのかかった漫画は

www.huffingtonpost.jp 自分ツイッターでこの記事に反論することを書いたのだけど、それだけだと言い足りないのでここでもう一度書いてみます。 「ジェンダーバイアスのかかった漫画は滅びればいい」 そのとおりなのです。マンガを読んでジェンダーバイアス…

「三島由紀夫vs.司馬遼太郎---戦後精神と近代」山内由紀人

引き続き三島由紀夫について読んでいます。今回は山内由紀人氏による司馬遼太郎と三島由紀夫の対比論です。 山内氏が書いているとおり司馬と三島は重なることがないように思えます。私自身も三島作品「仮面の告白」「禁色」を読んで強い反発を感じそれ以上読…

「三島由紀夫 死と真実」ヘンリー・スコット=ストークス その2

強く惹きこまれて読みました。同じ日本人である三島よりも彼を見ているストークスの考え方のほうに共感出来てしまいます。 ストークス氏は三島を見て日本人離れした特異性にぎょっとしその文学と知性を評価しながらもあまりの無軌道ぶりに驚き且つその魅力に…

「三島由紀夫 死と真実」ヘンリー・スコット=ストークス

以前は三島由紀夫という作家に強い反感を抱いていたのだけど、今は正直明確に凄く惹かれていることに気づいています。 勿論彼が自決したことを肯定しようとは思わないけど、今の日本の惨状を考えると三島は自決するしかなかっただろうとも思ってしまいます。…

ダイナミック琉球/イクマあきら

ダイナミック琉球/イクマあきら まったく彼の存在を知らなかったのですが2018年甲子園大会の沖学園の独唱を聞いて以来(後でYouTubeで観たんですが)繰り返し聞いています。 だいたい何度か聞くと飽きてしまうものですがどういうわけか何度聞いても飽きない…

「ケムリクサ」たつき

アマゾンプライムにて鑑賞。 続きが気になって最後まで見通しました。こういう系の作品には名称があるのかは知らないのだけど妄想系と大雑把に言ってしまいます。 妄想系だというのは小学生くらいまでによく子供が自分の世界に入って空想を楽しむ系のアレで…

「銀のボンボニエール」秩父宮妃勢津子

なぜか秩父宮妃が授かったボンボニエールはこの形ではなく こちらが秩父宮妃に贈られたボンボニエール とても面白く興味深い一冊です。1909年明治42年生まれで裕福な家庭で育った女性の世界観が詳しく描かれている貴重な資料でもあります。それが今は絶版に…