ガエル記

散策

ジェンダーバイアスのかかった漫画は その2


もう久しく、少女マンガだけでなくマンガ自体を読まなくなってしまったのですが、幾つか読んでいるのが「ゴールデンカムイ」「進撃の巨人」「レベレーション」あとネットで「こぐまのケーキ屋さん」「ぼくと三本足のちょんぴー」です。
この作品たち、考えたらそれこそ「ジェンダーバイアスがかかってない」のですね。
ゴールデンカムイ」は変な男たちばかり出て来て、女も変わってる。ヒロインのアシリパはそれこそ今までの美少女キャラを覆すキャラ作りになっています。一人杉元の思い人である女性がまさにジェンダーバイアス的なキャラのように思えるけど、ほぼ登場しないので、そこに答えがあるのでしょう。
進撃の巨人」のジェンダー設定も定番のキャラ設定を外すように意識しているのが読み取れるし「レベレーション」はジェンダーバイアスにずっとこだわり続けてきた山岸凉子がまさしくジェンダーの苦しみを背負ったジャンヌ・ダルクを描いたものです。
「こぐまのケーキ屋さん」は実はキャラに男女設定をしていない!という、つまり雄のこぐまと若い男性、という設定ではないと発言されているのが衝撃の作品であります。というのはこういうマンガって必ず「こぐまの彼女」だとか「店員さんの未来の花嫁」だとかが途中から登場したりするものですが作者さんは今のところ「そういうことは考えていないし、必要ないと思うのです」と言われていたのですね。
「ぼくと三本足のちょんぴー」は男性マンガ家とペットの犬のエッセイマンガですが犬を飼う動機が「犬をきっかけにステキな彼女と出会えないかと思って」とかいうお決まりの言い訳が書かれてないのが読みたくなった理由だったりするのですよね。
チョンピーはメスなのですがだからと言って特に「ちょんぴーが奥さんです」みたいな発言もなくやはりこれも既存のジェンダーバイアスから離れた作品になっています。
こうしてみると私は徹底して既存のジェンダーバイアスから逃れた作品ばかり選んで読んでいることになっていますね。

 

私が少女期に好んで読んだ少女マンガは24年組と呼ばれる女性漫画家たちの作品ですが、その後台頭してきた吉田秋生氏に私は一時期惚れ込んだのですが、次第に疑問を感じ始め、それから少女マンガから離れてしまったのです。

24年組が投げかけたジェンダーバイアスへの問いかけを吉田氏はさらに追及したと思うのですが、それは私が好む方向から離れてしまった気がします。吉田氏の持つジェンダーバイアスに私は耐えきれませんでした。

 

「マンガ」というもの自体には今でも愛着がありネットでもいつも読むわけですがいわゆる少女マンガをそれから読んでいません。

 

ネットで紹介されているのを見ても気持ちが起こらないのです。これはBLに関してもなのですが。

 

ところでBLへのバイアスはどうなのでしょうか。

かつて私が読み始めた頃はゲイ男性から「女にゲイマンガが描けるか!」と酷くこき下ろされたものですが、今では若いゲイ男子が好んで読んでいると聞き、嬉しくなるのです。

自分では読まないのにおかしいですが。

良いものは良い。

そうであってほしいです。