ガエル記

散策

「好きな日本映画三作品」

唐突ですが自分にとって「日本映画三選」を考えてみました。

自分で勝手に考えた三選で条件は「日本を表現していて且つ好きな映画」というものです。では早速

1『八甲田山

2『鬼龍院花子の生涯』

3『犬神家の一族』(1976年版)

1976年から82年までに固まっていますが『犬神家』はほぼその時に観ていますが2と3はまったく観ていなくて最近になって鑑賞しています。

とはいえ製作年が近いのはやはりその頃に日本映画を作る力があったからではないのでしょうか。

もっと名作といわれる黒澤・小津・溝口などを選べなかったのはそれらはあまりにも美しすぎて日本を表現していると自分では思い難いからです。

黒澤映画は特に好きですが日本的でないとさえ思えます。

 

ここで選んだ三作品は日本の醜さおぞましさが描かれていると同時に私にとってとても興味のある面白さを持った映画作品です。

 

1の『八甲田山』は特に日本人さらには日本男性の悲しい特性が描写されていて恐ろしい。この特性は今もなお脈々と受け継がれているようです。

2『鬼龍院花子の生涯』は逆に日本女性の在り方が描かれています。こうした女性の人生を描いたものは日本の作品では稀有と思っています。公開当初は予告宣伝で「なめたらいかんぜよ」という主演夏目雅子氏のセリフが話題となっていたのですがそれが変なヤクザ映画を思わせて観る気になりませんでした。後年にやっと観た時に真摯に生きてきた普通の女性の物語と解って唖然としました。これは若い時に観るべき映画でしたね。鬼龍院花子のようになってはいけない、という映画でした。

3『犬神家の一族』は日本の田舎のおぞましさを描いています。

ここでは男も女も逃れられない掟がある。

そうした恐ろしさを得も言われぬエンターテインメントで製作できた屈指の作品です。

 

日本映画では他にも寺山修司黒沢清監督作品などから好きな作品は様々ありますがこの三作品は「日本映画」としての推し作品です。